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小説のちょっとしたコツ

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小説のちょっとしたコツや小技、考え方などの記事をまとめています。「文末の処理」「描写の考え方」「ページ数と内容」ほか。
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#物語

読者の読む時間を制御する〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読む時間を制御する」という話です。 読む時間の制御劇中の時間だけでなく、読者の読む時間を制御したい場合があります。 たとえば、 ・余韻を感じて欲しいので時間をかけさせたい ・アクションシーンなので読む速度を上げたい などですね。 そういうときはどうするかというと、 ・読む時間をかけさせたい場合は → 文字数を多くする ・速く読ませたい場合は     → 読みやすくする

キャラクターの名づけ方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターの名づけ方」です。 名づけの注意点キャラの名前をつけるときは以下くらいを注意した方がいいでしょう。 ・長すぎないか ・難読漢字を使っていないか ・他のキャラ名と字や音がかぶっていないか ・音読しにくくないか あまり出てこないキャラならそこまで気にすることはありませんが、主要人物はちょっと考えた方がいいです。 特に主人公の名前は一番多く出る固有名です。 ですから

情報提示の基本〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「情報提示の基本」です。 シーンにおける情報提示小説は、読者に情報を示す → 理解してもらう → 次の情報を示す……と情報を提示しながら進むものです。 小説における情報提示は、全体的な物語のレベルから文章レベルまでいろいろありますが、まずはシーンにおける情報提示について押さえておきましょう。 知っておくといいことをご紹介していきます。 基本の考え方最初に、情報提示の基本的な考

あなたの武器はなにか〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「あなたの武器はなにか」です。 小説における武器とは作品とは武器であり、市場やネットは戦場です。 戦場で自分の武器を使い、読者を倒すのが作者の仕事です。 ところで、小説は以下くらいの要素に分解できます。 文章 登場人物 物語 アイデア テーマ(モチーフ、題材、対象) これらのうち、どこかに攻撃力がない限り、読者を倒すことはできません。 たまには立ち止まって、「自分

初心者こそ「事件」から始める〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「初心者こそ事件から始める」です。 駆動力がないなんとなく小説を書き始めた人は、何作か書くうちに、次第に悩み始めると思います。 「なんだかぼんやりした話になってしまう」 「どう話を進めたらいいのかわからない」 「この展開で正解なんだろうか…」 勢いで書き始めた人ほど、こういった漠然とした悩みを抱えるかもしれませんね。 簡単にいうと、そういう方の作品には駆動力が足りません。

繰り返さない〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「繰り返さない」です。 繰り返さないのが基本読みやすい小説の基本は繰り返さないことです。 同じ単語や同じ表現が繰り返されると、読者はそこに意味があるように感じてしまいます。 ですが、実際には作者の不注意で繰り返しになっているだけで、そこに意味はないのですね。 ですから、その繰り返しはただのノイズです。 読者の集中力を乱すだけですので、極力取り除きましょう。 繰り返しがちな

アイデアメモの取り方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「アイデアメモの取り方」です。 メモはほとんど役に立たないアイデア出しの本を読むと、よく「日頃から気になったことをメモしておきましょう」と書いてありますよね。 私も「なるほど」と思って、ずいぶんたくさんのメモを取ってきましたが、漠然としたメモが役に立ったことはほぼありません。 「この本の著者は本当にこんなやり方でアイデアを出しているのか?」といぶかしく思ったほどです。 ですが

創作におけるトレードオフ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「創作におけるトレードオフ」です。 トレードオフとはトレードオフというのは、両立しない関係性のことです。 簡単に言うと「あちらを立てれば、こちらが立たず」という関係ですね。 小説を書いていると、よくトレードオフにぶつかります。 この関係性を知っておくと、執筆方針がブレずに済むでしょう。 代表的なトレードオフには以下のようなものがあると思います。 読みやすさ ←→ 情報量 物語の深さ ←→ 進展の速さ

キャラクターの成長を書くには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターの成長を書くには」です。 成長を書く書き始めたころはストーリーを進めるだけで精一杯ですが、主人公の変化まで描けるようになると、途端に物語に深みが生まれます。 少し書けるようになったら、物語に、主人公の変化や成長を組み込んでみましょう。 どういった成長を描くにせよ、やり方はだいたい同じです。 以下から見ていきます。 成長とはどういうプロセスか成長のプロセスは簡単です。 以下の3段階で成長すると

【総まとめ】 人称はこれだけ知っておけばいい

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「人称の基本を知ろう」シリーズ記事の総まとめです。 はじめに小説を書こうと思ったとき、ちょっと難しく感じるのが「人称」だと思います。 人称の基本について5つほど記事を書きましたので、この記事でまとめておきます。 このまとめを読めばだいたいのことがわかると思いますが、さらに詳しく知りたい場合は個別の記事を読んでみてください。 1.カメラの違い人称には主に一人称と三人称があります。 「〇人称」というのは一言でい

説明のテクニック〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「説明のテクニック」です。 説明のむずかしさ小説の文章には主に以下の3つがあります。 描写 説明 セリフ それぞれに難しさがあるのですが、2の「説明」の難しさは独特です。 説明すると、物語の時間が止まるのです。 例を見るとわかりやすいでしょう。 あまり良い例ではないですが、行動描写はもちろんのこと、情景の描写もカメラの移動が伴うため、物語は動き続けます。 ですが、説明している間は、物語の進行が止まっ

キャラクターが変人になってしまう問題〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターが変人になってしまう問題」です。 変人になってしまう特にエンタメ系作品を書いているときに起こりがちだと思いますが、キャラクターに特徴をつけようとして、ただの変人になってしまうことがあります。 これは私もよくやりました。 だいたいは言動がおかしすぎて扱いが難しく、書いている本人にも違和感しか残らないのです。 ほとんどの場合、そういうエキセントリックなキャラはそこまで必要ないものですが、おかしなキャ