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小説のちょっとしたコツ

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小説のちょっとしたコツや小技、考え方などの記事をまとめています。「文末の処理」「描写の考え方」「ページ数と内容」ほか。
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#初心者

初心者こそ「事件」から始める〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「初心者こそ事件から始める」です。 駆動力がないなんとなく小説を書き始めた人は、何作か書くうちに、次第に悩み始めると思います。 「なんだかぼんやりした話になってしまう」 「どう話を進めたらいいのかわからない」 「この展開で正解なんだろうか…」 勢いで書き始めた人ほど、こういった漠然とした悩みを抱えるかもしれませんね。 簡単にいうと、そういう方の作品には駆動力が足りません。

書き始めるときの心構え3つ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「書き始めるときの心構え」です。 力の入れすぎ小説を書き始めるときは、とても緊張しますよね。 「いよいよ書き始めるぞ!」という高揚感と、「書き終えられるかなあ……」という不安が入り混じって、心がざわつくものです。 ただ、書き始めは最初の一歩ですから、あまり力を入れすぎても上手くいきません。 特に長編の執筆はマラソンのようなものですから、最初から全力を出すと、完走するのが難しくなります。 力が入りすぎていると

人称の基本を知ろう(4)〜内面を書くときの重要ルール

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「人称の基本を知ろう(4)」です。 前回の記事はこちら。↓ 前回のおさらい前回は、内面の書き方の違いを人称ごとに説明しました。 まとめるとこんな感じです。↓ 一人称 本人が感じたことをそのまま書く 三人称 憑依型:ほぼ一人称と同じ 背後型:やや離れたカメラから推測して書く 図にするとこうです。↓ 三人称における内面の書き方は、図のように2通りあります。 おそらく、いまの主流は「憑依型」なので、感

上手く伝えるには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「上手く伝えるには」です。 伝わらなければ存在しないのと同じようやく完成した小説を読んでもらったら、相手から、 「よくわからなかった」 「理解できない」 「難しすぎる」 といった反応が返ってきて、がっかりすることがありますよね。 中には「相手の頭が悪いからだ!」と憤慨する人もいるかもしれません。 もちろんですが、この場合、相手が悪いと考えるより、伝えることに失敗したと考えた方が健全でしょう。 小説は、作者

読みやすくするには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読みやすくするには」です。 「読みやすい」とはどういうことか世の中には読みにくい小説と、読みやすい小説があります。 読みにくい小説にも味があり、決して悪いわけではないのですが、あまりにも読みにくいと読者が減るのも確かなことです。 ですので、今回は読みやすくするにはどうすればいいか考えていきましょう。 最初に「読みやすい」とはどういうことか確認しておきます。 ごく単純に言って、「読みやすい」とは ノイズが

作品を好きになりすぎない〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「作品を好きになりすぎない」です。 好きすぎても上手くいかない誰しも、自分が書いている作品が大好きだと思います。 そもそも好きでなければ、書きませんからね。 特に長編の執筆は長丁場ですから、好きでないと最後まで書くのは難しいでしょう。 ですから、作品を好きになることは、作家にとって必要不可欠なことだと言えます。 ところが、好きになりすぎてしまうと逆に上手くいかなくなるのが、創作の一筋縄ではいかないところです

創作におけるトレードオフ〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「創作におけるトレードオフ」です。 トレードオフとはトレードオフというのは、両立しない関係性のことです。 簡単に言うと「あちらを立てれば、こちらが立たず」という関係ですね。 小説を書いていると、よくトレードオフにぶつかります。 この関係性を知っておくと、執筆方針がブレずに済むでしょう。 代表的なトレードオフには以下のようなものがあると思います。 読みやすさ ←→ 情報量 物語の深さ ←→ 進展の速さ

キャラクターの成長を書くには〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターの成長を書くには」です。 成長を書く書き始めたころはストーリーを進めるだけで精一杯ですが、主人公の変化まで描けるようになると、途端に物語に深みが生まれます。 少し書けるようになったら、物語に、主人公の変化や成長を組み込んでみましょう。 どういった成長を描くにせよ、やり方はだいたい同じです。 以下から見ていきます。 成長とはどういうプロセスか成長のプロセスは簡単です。 以下の3段階で成長すると

見せるか語るか〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「見せるか語るか」です。 見せることと語ることよく小説の指南本には、 「見せよ語るな」 と書かれています。 ごく単純には、 語る  = 説明する 見せる = 描写する と考えればいいでしょう。 ですから、冒頭の「見せよ語るな」の意味は、 「説明せずに描写しましょう」 ということですね。 語ると見せるの簡単な例を出すと、こんな感じでしょう。 確かに、「語る」より「見せる」方が小説としては正しい気

説明のテクニック〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「説明のテクニック」です。 説明のむずかしさ小説の文章には主に以下の3つがあります。 描写 説明 セリフ それぞれに難しさがあるのですが、2の「説明」の難しさは独特です。 説明すると、物語の時間が止まるのです。 例を見るとわかりやすいでしょう。 あまり良い例ではないですが、行動描写はもちろんのこと、情景の描写もカメラの移動が伴うため、物語は動き続けます。 ですが、説明している間は、物語の進行が止まっ

キャラクターが変人になってしまう問題〜小説のちょっとしたコツ

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターが変人になってしまう問題」です。 変人になってしまう特にエンタメ系作品を書いているときに起こりがちだと思いますが、キャラクターに特徴をつけようとして、ただの変人になってしまうことがあります。 これは私もよくやりました。 だいたいは言動がおかしすぎて扱いが難しく、書いている本人にも違和感しか残らないのです。 ほとんどの場合、そういうエキセントリックなキャラはそこまで必要ないものですが、おかしなキャ