見出し画像

子宮内膜症の治療体験記⑭〜退院そして術後の経過〜

複雑な思いと術後の痛みと闘いながらも、それなりに睡眠は取れ、退院日の朝を迎えた。
ほぼ全部食べられるようになっていたが術後の痛みでゆっくりではあった。やっぱりご飯がおいしい!と思った。病院食のイメージがやはり覆った。素晴らしきご飯!
激しい運動はできないことや痛み止めやジェノゲスト等の服薬、退院後の生活について説明を受けた。こちらから、仕事の復帰について聞いてみると、個人差はあるが立ち仕事ではなければ数日で復帰する人もいると聞き、その予定で仕事先には連絡していた。

いざ退院!準備諸々と済ませるのも痛みで一苦労、歩くのもゆっくり。病棟から出て、外の空気を吸った時はなんとも生きているという気持ちがした。親が車で迎えに来てくれたこともありがたかった。
帰路は親が何気なくいつも通りの会話をしてくれていたが、内心は昨日のまま複雑で、この先どのように気持ちを前向きにしていけば良いのかわからなかった。ただ、明るくいつも通り振る舞った。

帰宅。あーやっぱり我が家が過ごしやすい。2匹の愛犬とも久々の再会。愛犬は心配そうに見ていた。何かわかっているかのように元気だが、どこか控え目だった。
早速、荷物の整理を行い、まさかのすぐに疲れるという事態。体力がないことに気づく。そりゃそうか!痛みからご飯も今までの量はまだ食べられない。焦らず少しずつ取り戻せば良いと思った。
ようやく自分のベッドで寝られる喜び。いつもの空間といつもの景色。とても幸せに思ったと言いたいが、寝る時はやはり今後のことを考え複雑ではあった。

退院翌日、入院生活で出た洗濯物を洗濯したり、掃除したり、少しずつできることを行った。やはりすぐに疲れる。来週は予定通り仕事に復帰するという思いで、痛みと闘いつつも、無理なく日常を取り戻して行った。
しかし、日に日に、痛みは全然緩和されない。どうしても我慢できない時だけ痛み止めを活用した。なぜなら薬物乱用性頭痛の経験があり、二度と同じ思いはしたくないと思ったからだ。予定では仕事復帰という前日、痛みで椅子に長時間座っていられない。人によっては数日で仕事に復帰と言っていたので、もう復帰できてもおかしくない日数なのになぜだ!
ふと気づけば、あれだけ辛かった骨盤痛がないことにようやく気付いた。

結果、仕事復帰は退院1週間後、痛みと闘いながらになった。痛みに負けてたまるかという思いで、術後の痛みとの闘いは1ヶ月くらい続いた。これも個人差があるのだろう。

退院4週間弱後に通院。この時も痛みがまだあったため、親に車を出してもらった。ちなみに通院先は片道1時間と近いとは言えない距離。
退院して約4週間で痛み止めを3回しか使用していないことに看護師さんから我慢し過ぎと言われた。なるほど、術後の痛みってそれなりにあって痛み止めをそんなに活用するものかと知ったが、やはり薬物乱用性頭痛が怖かったので結果往来。
術後の経過は良好。手術の縫い口にテープが貼られていたが次第に剥がれたのでどうしたら良いか聞くと、「そのままでも良いし、傷の盛り上がりが気になる人はテープ貼っている」と聞き、情報を得て、早速、帰路にネットでニチバンのアトファインをポチっとした。
テープをいつまで貼っておくのかも聞き、1~3ヶ月と聞いたので、最大の3ヶ月は貼っていたが、おへその縫い口だけ少し盛り上がり、瘢痕(はんこん)となった。うーん、テープをもう少し貼っておけば良かったかと後悔。

術後1年経った現在。おへその所は少し盛り上がり固くなっている。今さらおへそを見せることもないが、やはり綺麗でいたいと思い、未だにおへそを見ると少し凹む。
今回の手術で大きな改善を見込んだ骨盤痛は、術後数ヶ月は全くなかったが、術後の痛みがなくなった頃に、痛む場所が変わり腰痛となった。ただ、痛みの度合いは比ではなく、日によるし術前より明らかにQOLは上がった。仕事しながら全ての家事も一人でできるようになり、外出で歩く時間も余裕で1日歩けるようになった。主治医に聞いてもエコーでは問題ないため、腰痛の原因は未だに不明。整体で補っている。
相変わらず、ジェノゲストは服薬中。たまに不正出血もあるし、体温は常に36.8℃くらい。これは副作用として仕方ない。
そして性交時痛については改善しなかった。なぜなら、チョコレート嚢胞以外に、細かい病変があり、尿管近くの場所は損傷リスクを考え、表面の病変しか焼けず奥に病変が残っている可能性もあり、切除しきれていないため、圧迫によりひきつれを起こし、痛みが生じる可能性があり、付き合っていくしかないと術後1年弱で説明され事実を知った。ショックだった。
彼に話したが、「辛い話をしてくれてありがとう、辛い話なのに一人で聞かせて一緒に聞いてあげられなくてごめん」とのこと。一緒に乗り越えて考えてほしかったが、まあ、そりゃそう言うしかないよなと納得。
通院は一人で行き、妊婦さんを見かける度に、未だに気持ちはあまり前を向けないでいる。それでも、QOLが下がるほどの痛みを抱えている日常より今の方が良い。子供のことも前向きに考えられたらと思うが、すぐに結婚できない大きな理由もあり、年齢は40代に入っているので焦る日々。この件も別テーマで書けたら投稿します。

ここで学んだことは、退院日に看護師さんが温かく見送ってくれ親がいて一人ではなかったことが心強かった、住み慣れた自宅って良い、術後の傷口にテープは盛り上がる可能性もあるので様子見ながらやめる、術後1年経ってもショックなこともあれば改善されて嬉しいこともある、何事も一人で抱えず話せる人に話すこと、術後の通院も心細いから同伴してくれると心強いけど1人で何でもできるようになったことは改善の証であること。

さて、次回は子宮内膜症の治療体験記の集大成です。また、投稿します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?