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F・ナイチンゲールの「感化力」ー働く人たちすべてに役立つ学び―
近代看護の基礎を築いたフロレンス・ナイチンゲールは『看護婦と見習生への書簡』の中で看護師が他者に与える感化力について述べている。
(1873年書簡、1874年書簡)
このナイチンゲールが説く「感化力」は、今日においても働く人たち全てにとっても学びとなるので、以下のとおり見ていきます。
ナイチンゲールによれば、「私たちは、あたかも聖職者であるかのように、他者に宗教的感化を及ぼそうと考えてはなりません。他者に道徳的あるいは宗教的感化を及ぼすものがあるとすれば、それは内なる自分であり、自分の内面、つまり、自分のあるがままから湧き出るものです。型にはまった決まり文句など役に立ちません。あなたが接する相手は、あなたが言うことと行いが一致しているかどうかをたちまち見抜いてしまうものです。あなたの言動が一致していないかぎり、あなたの言葉は何の役にも立ちません。」(1873年)
「感化力とは、最も眼に見えにくく、しかも強い力である。仕事を始めた1、2年の経験のある人が、1,2か月の経験のある人に及ぼす感化は、たとえその範囲が狭いにしても、その力ははるかに強いのである。」
更に、「良きにせよ悪しきにせよ、一つの組織の品位を高めたり低めたりするのも、この感化力にかかっている」とナイチンゲールは説いている。
それは、あなたの意志があるなしに関わらず、自分の仕事の背景で何かを人々に伝えているからである。たとえ、一言も話さなかったとしてもそうなのである。