通学定期と共通テスト
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共通テストの受験生で、名古屋市営地下鉄の定期券を買っている方(やその親御さん)にぜひ一度は読んでいただきたい節約術。人によっては千円くらい得するかも?
記事にした経緯
時が経つというのは早いもので、もう高校最後の学年末考査も終わってしまった。大学入学共通テスト(通称:共テ)まですらもう1ヶ月もなくて、僕のクラスメイトもだいぶ隈が目立つ生徒が多くなってきた。
そんな中、僕は一人のほほんと考えごとをしている。ある時は休み時間に、ある時は授業中に、ある時は試験問題を解きながら。そして僕は数学演習の試験中に考えたのだ。「来月の通学定期はどういう区間にしようかな……」
僕にとって通学定期とはパズルの解だ。自分の家、学校、習い事、よく行く場所……ある程度の頻度で行くだろう場所をピックアップし、そこをつなぐ最短経路を探し求める。時には「3回しか乗り換えできない」「接続号線指定駅は5回を超えてはならない」などといった名市交独自のルールに苦しめられながら、なんとか安く、なんとか多くの駅を使えるような経路はないかと探す時間は刹那の楽しみを与えてくれる。
僕はそんな無駄なこだわりを高校3年間にも渡って持ち続けてきたからこそ見えてきた意外な事実がある。それを誰かに伝えたいと思った時に、これは140字で済ませたくないなと考えた。そこでこの記事をnoteに上げることにした。
通学定期を使った節約術
要旨
定期区間外の駅に一度でも行く場合、大抵はその駅も定期区間内に入れた方が結局安上がり。
具体例①
天白区野並地区に住んでいるあなたは、車道駅付近の迷門校に通っていて、塾は新瑞橋にあるとしよう。共通テストの受験票を見てみると、受験場は南山大学(八事日赤駅)と書いてある。
まずは試験場を入れずに定期を組んだ場合を考えよう。通学定期は桜通線の車道駅、新瑞橋駅、野並駅を通ればいいので
野並 ←(桜通線)→ 車道
と取ればいいことがわかる。3区9.6kmの定期区間で、高校生なら甲2種だから1ヶ月5,140円のはず。八事日赤駅を2日間利用した場合、御器所から八事日赤までの2区4.1kmを4回(往復×2日)定期外利用することになり、定期券のほかに運賃が960円必要になる。交通費全体で見れば6,100円だ。
それでは南山大学を定期に通してみよう。前述の3駅に八事日赤駅を加えた最安経路は
野並 ←(桜通線)→ 新瑞橋 ←(名城線左回)→
本山 ←(東山線)→ 今池 ←(桜通線)→ 車道
の4区13.2km。甲2種だと5,370円の定期区間だ。券面こそ複雑にはなったけれど八事日赤駅を定期区間に入れた方が730円も安く済ませらせるのだ。
具体例②
先ほどは定期区間距離が3区から4区とほとんど変わっていなかったから、特殊な例だっただけじゃないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれない。そこで、今度は別の例を出してみる。
今度は中村区岩塚地区の家から名城大学附属高校(本陣駅)と駿台丸の内校(丸の内駅)に通っている受験生を考えよう。定期区間は
岩塚 ←(東山線)→ 名古屋 ←(桜通線)→ 丸の内
となり、2区4.6kmだから1ヶ月4,830円になる。
ところが共通テストの試験会場は系列校とはいえ名古屋市の真反対、名城大学天白キャンパス(塩釜口駅)になってしまったとする。塩釜口は丸の内から少なくとも10駅はかかる鶴舞線の駅。ここを定期区間に含めて買おうとすると、最短でも
岩塚 ←(東山線)→ 伏見 ←(鶴舞線)→ 塩釜口
の5区15.4kmとなり、一番高い区分になってしまう。ちなみにどうせ最高区分だからということで最長の定期を組んでみると
高畑 ←(東山線)→ 今池 ←(桜通線)→ 久屋大通
←(名城線右回)→ 八事 ←(鶴舞線)→ 赤池
という区間になり、距離は驚きの5区33.9km。同じ5区でも先ほどの2倍以上になっている。
それでは金額を比べてみよう。前者は定期4,830円に片道270円(丸の内-塩釜口間の3区10.1km)の運賃が4回かかって5,910円となる。一方5区定期はわずか5,530円で、2区から最長の5区に伸ばしたとしても380円お得になってしまう。
さいごに
名古屋市営地下鉄の定期券は伸ばせるなら伸ばしておいた方が良いというのがお分かりいただけただろうか。さすがは公営なだけあって、初乗り料金こそ高い(210円)ものの常連ユーザには相当親切な設計になっている。これを機に、みなさんも地元の交通事情について調べてみてはいかがだろうか。
記事の投稿が遅れてしまって本当に申し訳ありません。私事ではございますが、共テまで1ヶ月を切ったこのタイミングでなんと塾に通うことになってしまいました。それも今週月曜日からだったものですから、こうして土曜日の深夜に投稿させていただいております。この記事がいいなと思った方は、ぜひスキやフォロー、シェアなどで応援していただけると幸いです。