2023年締め:今年プレイしたゲーム、買ったゲーム
はじめに
「今年のゲームは豊作だった」
去年のちょうどこの頃、1年間を振り返ってみてそう思ったわけだが、今年も12月になって全く同じ思いを抱いている。ファイアーエムブレムの新作も出たし、アーマード・コアの十何年ぶりかの新作も、ベセスダの新作も、FFナンバリングの新作も出た。そして何と言ってもあの「ブレワイ」を超えたゼルダの新作が出た。多くのゲーマーにとって今年は間違いなく充実した1年を送ることができたのではないだろうか。
こうも素晴らしいゲームに出会えた豊作の年が続いていると、やはりコンピューターゲームの市場が広がっていること、そしてゲームというコンテンツが「ゲームが好きで、絶対に面白いゲームを作るために努力は惜しまない」というストイックな意志を持った人が集まって作られていること、そして現時点ではそれが評価される世界であることを実感し、そして誇らしく思う。
映画や小説であれば、作り手が面白いと思ったもの、描きたいと思ったことがどれだけ熱意を込めていたとしてもかならずしも万人に評価されるとは限らない。今年公開されたスーパーマリオの映画、或いはディズニーの映画がレビューサイトでの大衆の評価と映画評論家の評価の差が話題となっていたのは記憶に新しい。
また去年放送されたアニメ『チェンソーマン』もリッチな作画や毎週違うエンディングなどとてつもない熱量が込められていることが見て分かる作品だったにも関わらず世間からの評価は芳しくなかった。
他方でゲーマー界隈ではコアゲーマーとライトゲーマーで評価が割れることも、開発者の情熱を注ぎ込んで作ったゲームがユーザーが求めていたものと違うことも、絶対に無いとは言い切れないが稀である。大抵の評価が低い作品は、ゲームをちゃんと遊んだことがない人が作ったゲームか、或いは最適化やバグ修正が期限に間に合わなかったゲームだ。
最近ではカジュアル層が厚いスマホゲームですら、安易に版権や声優のネームバリューを利用してガチャを回させるようなタイトルはもはや相手にされずサ終の道を辿っている一方で、シンプルにゲーム性や映像クオリティを重視したタイトルは評価され生き残り続けている。
今後あと何十年かすると、もしかしたら現在の映画のようにゲームもスポンサーの思惑が入れ乱れ明後日の方向に向かったり、”高尚なもの”を目指した結果多くの人が置き去りにされるような作品が作られ続けるようになることもあるかもしれない。もし将来そうなるとしたら、現在の「共通の価値観を持った人間」の「際限無い熱意と愛情」が込められたゲームをプレイできる時代に居られるのはとても幸せなことである。それを噛み締めていきたいと思える一年だった。
前置きが長くなったが、そんな私が今年買ったゲーム・プレイしたゲームを並べていこうと思う。
今年プレイしたゲーム
■ファイアーエムブレム エンゲージ (Switch)
「僕とエンゲージしてくれ」は個人的今年の流行語大賞ノミネート。今作、FEシリーズで初めて「初見ルナクラ」に挑戦したわけだが、面白すぎて他の難易度では満足できない体質になってしまった。ストーリーのことは全く覚えていないが、変なセリフと悪意に満ちたマップだけはやたら記憶に残っている。
→感想記事
■Splatoon3 (Switch)
今年久しぶりに別のFPSをプレイしてみたところFPS視点に違和感を覚え気持ち悪くなってしまった。これはもうSplatoonと添い遂げる覚悟、と言いたいところだが加齢のせいか敵に目が追いつかない。同年代でVarolantやApex Legendsと言ったFPS、そしてストリートファイター6のような反射神経を求められるゲームに挑み続けるストリーマーの方々を心の底から尊敬する。
■古銭プッシャーフレンズ (Steam)
複数人での暇つぶしには丁度いいタイトル。後継作である2もリリースされているが、ステージが円形で中央塔にコインを当てる角度などプレイヤースキルを発揮する場面が多い無印のほうがゲーム性が高いと言えるかもしれない。
■ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザワイルド (Switch)
実はSwitch購入時に一緒に購入していたものの、オープンワールドに馴染めず放置していた。『ティアキン』に備えて気合を入れてちゃんとプレイ始めたところ、それなりにハマれた。空気感が良いんだ。
■ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1 (Steam)
ついに現代機に蘇った待望のロックマンエグゼ。唯一無二のゲーム性は色褪せず、多くのアラサーを童心に帰らせた。『ティアキン』が控えている都合上『エグゼ3』しかプレイできなかったが、何度プレイしてもやはり面白い。
WindowsXPが発売され、ADSLが急速に普及し「ブロードバンド元年」と呼ばれた2001年に世に放たれたエグゼの世界観は、懐かしくも眩しくもある。
■ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム (Switch)
文句なしの神ゲー。私の中で「人生の中で3本の指に入るゲーム」となった(ちなみにその中には『十三機兵防衛圏』も含まれる)
「ブレワイ」の時点でよくできていて世間からも評価されていたタイトルだったが、それを完全に超えてくるとは思わなかった。本作のゲーム体験が良すぎたせいで『Starfield』も『Cyberpunk2077:仮初めの自由』もいまいち食指が動かなかったのは否めない。
→感想記事
■モンスターハンターライズ:サンブレイク (Steam)
過去最高にスキルインフレが激しく、またそれをいいことにモンスター側も生物の範疇を余裕で超えてくる最高にぶっ飛んだモンハン。おかげさまでプレイ時間は1000時間を越え、私がモンハン史上最もプレイした作品となった。激昂変換伏魔奮闘業鎧冰気の耐性カラメゾクセイマシマシで操虫棍を救いたい。
■BattleBit Remasterd (Steam)
ローポリ調の『BattleField』的なゲーム。変わり果てて誰もやらなくなったBFを尻目に「こういうのでいいんだよ」を体現し人気を博した。ただBFと比べると視認性はあまり良いとは言えないしビークル性能も控えめである。
■FINAL FANTASY XVI (PS5)
「次のFFは現代路線を捨てダークファンタジー風になる」そんな前情報と、PS5を置物にしたくないという一心で購入。シナリオには色々思うところがあったが、それでも映像と演出は圧巻の一言。新しいエリアに入るたびに「実写やん!」と口にしていた。PS5ってすごい。あと米津玄師の作品理解度もすごい
→感想記事
■BLUE PROTOCOL (WindowsPC)
ネトゲには良くも悪くも思い出がありすぎるので敬遠していたが、周りでも話題になっていたのでとりあえず始めてみることにした。これはひどい。まさしく「ゲームをちゃんと遊んだことがない人が作ったゲーム」だった。
→感想記事
■PowerWash Simulator (Steam)
現実の掃除は苦手なのにゲームの掃除は何故かできてしまう。無心でプレイすることで心が洗われるゲーム。
■FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレ (Steam)
『FF16』で”FFの良さ”を浴び、『ブルプロ』でMMOに対するもどかしさを覚えついに辿り着いた超大作。「新生10周年」は伊達ではなく、メインストーリーだけで200~300時間、その他のコンテンツも含めると数千時間遊んでも遊びきれないほどのコンテンツ量を誇る。
MMOであるが故にストーリーの存在感は控えめかというとそんなことはなく、各拡張パックごとに他のFFナンバリングタイトルに引けを取らない魅力的なキャラクターと感動の物語があり、多くのオタクを引き寄せているのも人気の秘訣だろう。開発陣は積極的にメディアに露出しており、皆「FF愛」と「FF14愛」を滲ませる。これぞまさしく「共通の価値観を持った人間」の「際限無い熱意と愛情」が込められたゲームだ。
ちなみに今はヌシ釣りにハマり中。
■スイカゲーム (Switch)
シンプルな割にプレイヤースキルが求められる妙に深いゲーム性、クセになるBGMとともに謎の爆発的ヒットを記録したパズルゲーム。流行り始めた当初は3000点を超えられればプロ級と言われていたが、現在の歴代最高スコアは14000点を越えているらしい。
■ACRES (Steam)
ミニマルな農業シムゲーム。土には窒素やリン・カリウムと言った栄養素のパラメーターが設定されており、それらを注意深く観察しながら客のオーダーに応えて野菜を納品することになる。この手のシミュレーションゲームでは攻略法を確立してしまえば途端に難易度が下がり単調になるきらいがあるが、本作は客のオーダーする野菜の量や種類が徐々に増えていくためだんだんとプレイが苦しくなり、爽やかな見た目に反して終盤にはRTSのような操作量となる。シミュレーションゲームでヒリつく体験をしたい人におすすめ。
■Cities:SkylinesⅡ (Steam)
『SimCity』に代わって都市開発ゲーの金字塔となった『Cities:Skylines』の後継作。前作より出来ることが増えバランス調整がなされているためゲーム性が増しているかと思いきや、黒字化するのはそんなに難しくなく結局は渋滞を解決するだけになりがち。しかしその点だけを見ると前作から出来なくなった事が多いのが気になる。
加えて最適化不足やバグの多さが目立ち、『SimCity(2013)』の失敗を見ているはずなのに同じ轍を踏んでいるのがただただ残念。円安の影響もあり前作の倍以上の販売価格となっていることも、足元を見られているようで悪印象。
買ったけどプレイしていないゲーム
今年も「宿題をやったけど家に忘れた」を報告するかのように積んだゲームを並べる。
■ペルソナ5 ザ・ロイヤル (Steam)
言わずと知れた大人気JRPG。やっと買ってもいいと思える価格になったのでセール時に購入。ペルソナというかアトラス作品はプレイした事がないしやりごたえがありそうなので、手をつけるのに気力が要る。
■A Space for the Unbound 心に咲く花 (Steam)
90年代後半のインドネシアを舞台にした青春ADV。起動テストも兼ねて一瞬だけプレイしたが、東南アジアらしい服装や空と言った爽やかな空気感、それと同居する独裁政権末期の退廃感が新鮮で良い。そこまで長くないと思うのでいつか近いうちにちゃんとプレイしたい。
■OMORI (Steam)
英語版リリース前から注目していたものの「サイコホラー」のタグ付けに躊躇しなかなか手が出せなかったタイトル。日本語圏でもファンが多くつい先日コミック化も発表されたらしい。なお私は今も手を出せていない。
■ENDER LILIES (Steam)
「雰囲気ゲー×メトロイドヴァニア」という組み合わせは数え切れないほど存在するため発売当初はあまり注目していなかったが、このゲームの開発元であるadglobeという会社が日本の会社であること、そしてこの会社から『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』のディレクターを務めた堀川将之氏が開発に参加し、そして音楽は私がファンであり『ファイアーエムブレム if』を始めとしたFEシリーズ作品や『大神』のBGMを手掛けた近藤氏が担当する作品がリリースされるとのことから、メーカーのことをよく知ろうとして買った作品。なお当の『Redemption Reapers』は発売直後評価が悪かったため未だに購入していない。
■英雄伝説Ⅲ 白き魔女 / 英雄伝説Ⅳ 朱紅い雫 / 英雄伝説Ⅴ 海の檻歌 (WindowsPC)
所謂「ガガーブトリロジー三部作」
アレになってしまった軌跡シリーズの原点を探りたくて購入。一応リメイク版ではあるしSFCと同時期のゲームならプレイに耐えうるUIをしているだろうとタカを括っていたが、とてもプレイできるものじゃなかった。韓国では同シリーズをテーマにしたスマホゲーがリリースされるらしいが、リメイクして現行機で遊べるようにする予定はないのだろうか。いや、しないほうが良いのかもしれない。
おわり
昨年、今年と豊作の年が続いたが、さすがに来年は落ち着くと思われる。Switchでは予定されている有名タイトルの新作は既にほとんどリリースされてしまっているし、巷では発売から7年を迎え後継機が発表されるという噂もあるので当面は移植作品などが発売されるのかもしれない。
とはいえ、来年はあのヴァニラウェアの新作、『ユニコーンオーバーロード』が発売される予定もあるし、更に私がずっと(惰性で)追い続けている軌跡シリーズの最新作『黎の軌跡Ⅲ』も恐らく発売され、過去作のような先延ばしが発動しなければ「共和国編」は完結を迎えるだろう(追記:次回作は『界の軌跡』というタイトルになるらしい)
またあくまで拡張版に過ぎないが、FF14の大型拡張パック『黄金のレガシー』も発売される。私は「暁月」の終盤から入ったプレイヤーなので新パッチのお祭り感を体験できるのは楽しみかもしれない。
色々と先は気になるところだが、私のパソコンは今年で6年目、そろそろ故障の不安が常に付き纏う。無い袖は振れないので、今後もゲーマーライフを楽しむためにもPCやデバイスが長持ちしてくれるのが一番だ。
最後に、余談ではあるが今年からメインのSNSアカウントをイーロン・マスクのおもちゃと化したXからFedibird.com(mastodon)へと移行した。去年の末から雲行きは怪しくなっていたが、今年になってからは酷い有様だったので今のうちから「いつ潰れても良いように」という備えの意味合いで移行を決意した。
今年は何度か「脱Twitterムーブメント」が生まれたが、所謂インプレゾンビだらけになってもなお落ち着いてしまったので先は長そうに思える。個人的にはちゃんと使えればXでもmiskkeyでもmastodonでもなんでも構わないが、互換性があるfediverse、出来ればサードパーティクライアントの選択肢が多いmastodonがもっと流行ってくれたら嬉しい。