20年7月に読んだ本の一言感想メモ
◆20年6月はコチラ
・『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』ジェームズ・ブラッドワース★★★☆☆
英国記者が身分を隠してブラック企業の実態を暴く身体を張った潜入ルポ。労働環境は日本もだいぶ前から似たような感じなのでさほど驚かなかったが、東欧の移民が多いのと米国IT企業の影響力が強いのが特徴ですね。
・『言ってはいけない』橘玲★★★★☆
世間では「報われない努力はない」と言うことになっているが、頭の出来もうつ病も肥満も実は本人の怠慢ではなく、ほとんどの要因が遺伝によって決まっているよという身も蓋もない話。
・『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』森岡毅★★☆☆☆
作者は赤字続きだった「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」の経営を立て直した実力者。日本企業に足りないのはマーケティング力という論旨には納得したが、もう少し具体的なノウハウが知りたかったかな。
・『セーラー服と機関銃』赤川次郎★★★☆☆
1980年台に薬師丸ひろ子・原田知世・長澤まさみなどの大物女優らが演じて一大ムーブメントとなった原作。いやぁ、赤川先生の文章は相変わらず垢ぬけていて読みやすく、古さを感じさせないっすね。
・『危機の時代』ジム・ロジャーズ★★★☆☆
世界三大投資家の一人・ロジャーズがコロナで揺れる危機の時代を日本人がいかに乗り越えるべきかを語る。正直、政治の話は賛同しかねる部分が多々あったけど投資のアドバイスはさすがに本職だけあって傾聴に値する。
・『斜陽』太宰治★★★☆☆
戦後、しずかに没落していく旧華族の母娘の日常を描いた小説。全体的に暗くて救いのない話だけど、不思議に読後感は悪くなく僕は嫌いじゃない。
・『父 吉田茂』麻生和子★★★☆☆
吉田茂の長女が知られざる父の素顔を語る。名前でお察しの通り、彼女は九州の麻生家に嫁ぎ、生まれた長男が麻生太郎財務大臣なんですよねー。
・『ミャンマーの柳生一族』高野秀行★★★★☆
アウンサンスーチー政権以前のミャンマー(ビルマ)は日本人にとって得体のしれない独裁国家だったが、意外にも江戸幕府に似ていた?!2003年の本だけど、この頃からすでにチャイナマネーが流入していたんだなぁ。
・『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか』堀新一郎、琴坂将広 他★★★☆☆
メルカリ、クラシルなど日本発の若手IT起業家15人に多角的な取材をした貴重な一冊。個人的に一番印象に残ったのはグノシー創業者・福島氏の「確実にくる未来までなんとかする力」のお話。
・『コンビニ人間』村田沙耶★★★★☆
芥川賞受賞作。若干サイコパス気味な女性がコンビニで働き続け、気づけば一度も恋愛をしないまま36歳に。周囲の結婚を急かす「同調圧力」にいささか辟易していたある日、ダメ男と同棲することになるが……。
・『豊田章男』片山修★★★☆☆
国内最大の時価総額を誇るトヨタの豊田家三代目のカリスマ社長。"知的な体育会系"でITの造詣も深く、就任早々リーマンショックや大規模リコールの難局に見舞われるも見事にV字回復を果たす。今コロナで大変だけど彼がいる間はたぶん大丈夫だろう。
《今月の私的TOP3》
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