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24年8月に読んだ本の一言感想メモ

◆24年7月はコチラ

・『株式投資の未来』ジェレミー・シーゲル★★★★☆

人間は新しい技術や話題に目を奪われがちだが、昔からある地味な銘柄のほうが長期の運用成績が高いという逆説のロジックを筆者は「成長の罠」と呼ぶ。バフェット翁の正しさがデータによって証明されたという点で非常に意義深い本だろう。

・『暇と退屈の倫理学』國分功一郎★★★★☆

いま東大&京大で最も読まれている哲学書らしい。本書の定義にならうと、ひきこもりオタクの僕は暇だけど退屈ではないってことかな。浪費を賛美する理屈がイマイチよくわかんなかったのと、論理展開が素晴らしかったわりにオチが少し弱い点を除けば申し分ない一冊です。

・『硝子の塔の殺人』知念実希人★★★☆☆

犯人視点で語られる一風変わった推理小説。前半はミステリのお約束だらけで退屈だったが、後半から俄然面白くなって一気にむさぼり読んだ。島田荘司や綾辻行人のような本格が好きな人は絶対ハマると思うなー。

・『超訳 自省録』マルクス・アウレリウス★★☆☆☆

ローマの「五賢帝」最後の人。皇帝でありながら哲学の素養が高く、まさにプラトンが理想とするところの「哲人政治」ではないか。

・『第三世界の主役「中東」』石田和靖★★★☆☆

中東はアジア・ヨーロッパ・アフリカの3つの大陸をつなぐ地理の要所で、歴史的にビジネス・金融・貿易のハブとしての役割が大きかった。近年ドバイを筆頭に脱石油依存に舵を切りはじめ、本来のアラブ商人としての強みを取り戻しているようだ。

・『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』藤本茂★★☆☆☆

株で資産18億円を稼いだおじいちゃん。信用取引とデイトレードが中心で、この本を1冊目に読んで投資を始めるのは正直おすすめできません。ていうかデイトレで長期的に勝ってる人って実在するんですね…(失礼)。

・『プロ投資家の先の先を読む思考法』藤野英人★★★☆☆

ひふみ投信の人。著者の本は過去に何冊も読んでて「僕の考え方に近いなー」と親近感を覚えていたんですが、将棋高段者だと知ってびっくり。トレンドの予測と、将棋の読みって思考プロセスがけっこう似てるのかも。

・『キラッキラの君になるために』小林さやか★★☆☆☆

学年ビリから慶應に合格したビリギャルの自伝。コミュ力MAXの彼女と人間嫌いの僕では価値観が何もかも反対すぎて逆に新鮮でした(褒めてる)。

・『極楽征夷大将軍』垣根涼介★★★★☆

足利尊氏の一代記。彼は得体のしれない男なんですけど「逃げ若」とはまた違った人物像で描かれていて、なるほどそういう解釈もありやなと。僕が思うに本書の主眼は「高師直の名誉挽回」で、彼を討伐したのは室町幕府の寿命を縮めた悪手だった気がしますね。赤松円心もいい味出してます。

《今月の私的トップ3》

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