21年9月に読んだ本の一言感想メモ
◆21年8月はコチラ
・『リー・クアンユー、世界を語る』★★☆☆☆
「シンガポール建国の父」リー・クアンユー氏へのインタビュー。取材は90年代のものだが現在も十分に通じる内容で、おそるべき先見の明である。ただ日本についての言及はネガティブでややそっけない印象。
・『ボクはやっと認知症のことがわかった』長谷川和夫★★★☆☆
長谷川式簡易知能評価スケールで有名な長谷川医師が90歳を目前に自らも認知症に罹ってしまう。「患者をぞんざいに扱わず傾聴してほしい」という著者の主張はもっともなのだけど、超高齢社会を支えている若い世代に向けてのご意見もうかがいたかったです。
・『なまけもの時間術』ひろゆき★★★☆☆
「日本には無駄な慣習やルールが多すぎる。もっと自分の時間を生きようよ」という本書の主旨にはおおむね同意。でもちこくはひとにめいわくがかかるのでいけないとおもいます(小並感)
・『死神の棋譜』奥泉光★★★☆☆
芥川賞作家による将棋ミステリ。格調高い名人戦の観戦記の出だしから次第に現実が溶け出し、狂気との境が曖昧になるような不思議な作品でした。
・『小説8050』林真理子★★★★☆
80代の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」をモチーフとした社会小説。読み物としてはふつうに楽しめたが、引きこもり歴〇〇年のわいも明日は我が身、全然他人事じゃないんだよねー。どうしよう(汗)
・『人工知能と経済の未来』井上智洋★★★☆☆
著者はBI(ベーシックインカム)推進論者で「BIなきAIはディストピアをもたらす」と警鐘を鳴らす。今までの歴史上、貧富の格差は戦争によってしか解消されていないのでぜひとも穏便にいきたいものですね。
・『もしも徳川家康が総理大臣になったら』眞邊明人★★★★★
歴史上の偉人たちを現代に(ホログラムで)蘇らせて最強内閣を組織し、コロナをどう切り抜けるかというぶっとんだ設定。幕府を興した徳川家康と、幕府を終わらせた坂本龍馬の夢のコラボ。欲をいえば信長の活躍をもっと見たかったけど時事ネタをこの短期間で練り上げたのはただただすごい。
・『夜市』恒川光太郎★★★☆☆
何気ない日常からふとした拍子に妖怪の棲む異世界に迷い込む中編2作。日本ホラー大賞受賞作だが、幻想小説に近い内容でホラーとはちょっと違うかなー。「千と千尋」を若干おどろおどろしくした感じ。
《今月の私的TOP3》
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