9/13「新宿野戦病院」を見終えて&ネクストブレイク女優
「新宿野戦病院」終わってしまいました
毎週送り出される濃密でスピーディな展開に圧倒され
クドカンの選びだした言葉のチョイスに大笑いした
”聖まごころ病院”劇場ともいえる寸劇ももう終わりです
まずは感想…
第1回放送時からとても演劇チックな作りだなと感じていたのですが、それは浅はかな感想でございました
”クドカン”の脚本はやはり素晴らしい
TVドラマ的な部分と演劇的な部分をハイブリッドさせ、さらに上を行くような素晴らしい作品だった(個人的には「ふてほど」より好きです)
ドラマ内容については、オープニングナレーションに代表される多様化する人種、セクシュアリティ、仕事、人間関係の中、東洋一の歓楽街・歌舞伎町に生きる人々の生き様を極上のエンタテインメントで描きながら、一貫して語られるのは”平等”
そのくせ第1話早々に南 舞(橋本愛)が「私にとってこの社会は平等じゃないから虚しくないんです」なんて言ったりもする
命の平等はもとより、社会における平等、平等じゃないことも平等であるとか、手を変え品を変え声高にテーマを叫び続ける
そしてラスト2週にブッ込んできたのは”コロナ騒動”
コロナ禍での命の平等はもとより、コロナを経験した社会が再び未知のウイルスに出会った時にどう対応するのか
世界はコロナから何を学んだのか?学ばなかったのか?
考えさせられます
今後”ルミナ”みたいな新ウイルスが出たら、マスコミは今までみたいな偏向報道はしないのかい
保養施設としてラブホテルを使っても、苦情を入れるような人はまだいるのかい
入院するための忖度はまだ存在するのかい
医療従事者への待遇は変わったのかい
マスク警察はまた復活するのかい
相変わらずネットで誹謗中傷する人はいるのかい
などなど
そして今後の”まごころ病院”に足らないものとして心療内科、カウンセラーなどの心のケアをする役割が重要であると予言めいた言葉
たまたま同時期にNHKで放送されたドラマ「Shrink〜精神科医ヨワイ〜」(主演:中村倫也)でも、日本は精神科に対する偏見がまだまだ無くならない”隠れ精神疾患大国”だと語られていました
(こちらも良いドラマでした。もう終わってしまったけど)
まぁいろいろ深刻なテーマを内包しつつ、表向きはエンターテイメントに徹した良質なドラマ「新宿野戦病院」
私の好きだったシーンは
第1話の院長室?の一コマ
生瀬勝久の「診察室を貸したんです、アダルドビデオの撮影に」から始まる最高な会話のテンポで繰り広げられるひとくだり
「何故、黙ってた」
「S・O・Dかぁ〜!ちっくしょー!」からの
「兄貴、立っちゃってるよ」
「立てないとは言ってない」
絶妙な構図で、椅子の背もたれで股間が隠れている所が秀逸ですw
(これから観る人の為に詳細省いてます)
あとは第6話のSMクラブのくだりなども大好き
中井千聖さん、大活躍の回ですね
仲野太賀と中井千聖
生瀬勝久と小池栄子(&仲野太賀、橋本愛、中井千聖)
それぞれ息のあった絶妙な掛け合いの応酬
「やっちもねぇ」
「サンキュー!」
最高ですw
からの〜舞台裏
結局、芸達者なメンバーが揃って、脚本はクドカン
面白くないわけが無い!
最終回では大人計画の主宰者・松尾スズキさんも歌舞伎町の風俗王として登場!
「ナチュラルローション、天下いっぴんぴん、マットMAX、聖したごころ女学院、鬼滅のヤバーイ…」
笑ってしまっていたんですが、なんかクドカンとしてはヌルいな、こんなもんかとも思ってしまいましたが、これは民放TV、夜10時台と考えればしかたのないことかw
コレは面白いけど放送出来ないなとか、コレはさすがに訴えられるとか打ち合わせで盛り上がっている様子が目に浮かびます
ヨーコの入院時の”エマニュエル婦人”椅子なども明らかに内輪ウケ&高齢者受けのネタでした
まぁ第1話でも「住めばミヤコ…蝶々」なんて若者には全く伝わらないギャグをぶっこんでましたしね
第6話の「ケーシー高峰」とかw
まぁこういう自分たちが楽しいものが面白い!と考えるのもクドカンっぽいところですかね
クドカンは最近の作品で特にというわけでも無いですが、世界的な災害を物語に溶け込ませることが多い作家さん
「不適切にもほどがある」では阪神・淡路大震災が後半の物語のキーポイントとして描かれ
山本周五郎の小説が原作の「季節のない街」や「あまちゃん」では東日本大震災を描いていた。
また社会的に影響・反響があった事件や事故、出来事をベースや小ネタにすることも多い
このリアクションの早さ、題材の忍ばせ方をみるとクドカンって”舞台人”なんだなと勝手に妄想してしまう
(コレに関しては、舞台人に対するワタシ個人の偏見ですw)
そしてテーマを声高に叫ぶが、だからどうしろ!と扇動すること無く、どうです、ちょっとみんなも考えてみませんか?的に迫ってくる
作品によっては
みんなで考えてみて
でもボクはこっちへ行くからさ!
ってパターンもあったりする
この辺がワタシ的には演劇的な表現だなと感じてしまう理由なのでしょうか
おそらくスピンオフ作品とかいって舞台化したらメチャクチャ面白い舞台も出来そうな気がします
そういえば、最終回のラスト
サザンオールスターズが”まごころ病院”に出張出演しての大エンディング
桑田さんの唄の合間の
「ヨーコ先生、最高!」
「おっぱいでかい!」
見ている人にとってはセクハラ発言に感じるけどオンエアしてしまう
そしてそれが許される
そんな気分が満ち溢れたようなドラマだった気がします
そしてこのドラマがきっかけで知った俳優さんたち
中井千聖、夏目透羽、後藤剛範…
中井千聖さんは、大人計画に所属しており舞台経験、ドラマ経験も豊富な女優さん
最終回では、NPO法人「Not Alone」が無くなりパリピ化!崩落事故に巻き込まれて血だらけで出演(このシーンで彼女はクランクアップとなり、血まみれで花束受け取ってました)
最近はゴールデン帯のドラマにもちょい役ではあるが出演も多く
今回のドラマがヒットしたことで今後ちょっとずつ出番の多い役にステップアップ出来そう
若手のバイプレイヤーとして今後も注目です
夏目透羽さんは、トー横キッズとして準レギュラー出演していた2人組の金髪ショートの女の子の方
最終回にもヨーコが警察に連行されるシーンでちょろっと出演してました
まだ芸能界に入って3年ほどで経験はそれほど無いものの、表情や動きが気に入りました
まだ演技は未知数な部分が多いものの、今後の出演が増えればいいなと感じてます
後藤剛範さんは、塚地さんのお母さん(藤田弓子)のマッチョなヘルパー・甲斐役で出演
熟女好きなことが最終回で判明してましたねw
後藤さんはこのドラマで知ったわけでは無いですが、私の好きなタイプの役者さん
いろいろなドラマで重要な役どころでの出演も増えてます
私の印象に残っているのは「来世ではちゃんとします」シリーズの処女厨のセカンド童貞・林勝役
好きになった女性の本当の姿に翻弄されたり、男に走りそうになったりと活躍しておりました
こちらも今後に期待です
それ以外にも最後は看護師になった伊東蒼さんとかトー横キッズの相方・
安達木乃さん、まごころ病院のレギュラー看護師・石川萌香さんや萩原護さん、駒井蓮さん、田中美久さんなども今後に注目するべき俳優さんたちですね
物語の展開から続編などは作りづらいと思いますが、スピンオフ作品なら!と思ってしまうほど、また観たい作品でした