高校2年生、開放病棟入院②
入院して恐怖感は和らいだけど
不安や希死念慮はずっとあって
文具で自傷行為をして一晩処置室で過ごしたり
落ち着かずに筋肉注射をすることも何度か経験した。
そんな生活でも慣れてくると
ほかの患者さんとも会話したり
お菓子の売買をしたり(本当は禁止)
特に20代のお姉さん方とは
おかずの交換をしたり(これも禁止)
食後に一緒にウォーキングとして
院内を一緒に歩いたりして仲良くさせてもらった。
お姉さん方もそれぞれ複数回入院歴があり
その繋がりで、他病棟の若い方とも仲良くなることができた。
その日の調子や、面会、作業療法などで
各々、予定や都合はあったけど
だいたいいつも5人でウォーキングしていて
他愛のない話をしながら歩く毎日がとても楽しかった。
ある日の診察で作業療法の提案をされた。
ウォーキングの中で作業療法の話を聞いていて
興味があったので、喜んで参加を決めた。
嬉しくて、看護師さんはもちろん
同じ病棟の作業療法に参加しているおじいちゃん達にも
"私も作業療法行けるんだよー!"と報告した。
曜日ごとに内容が違っていて
大体の人は主治医と担当作業療法士さんと
出席する曜日を決めているようだったが、
何故か私は主治医から
"特に曜日指定はしないから、出たい日に出なさい"
と、なんとも甘い指示をいただいて、
その日の調子と内容をみて出席させてもらっていた。
塗り絵や絵葉書、畑作業や創作。
中でも創作活動が1番楽しくて
革細工やビーズ、裁縫など
好きなものを作ってよかった。
作ったものは持ち帰ることができ
病棟に飾ってもらったりした。
革細工の小銭入れを祖父に
ビーズのブレスレットを祖母にプレゼントすると
2人ともずっと使ってくれていて
祖母は面会の時は欠かさず着けてくれていた。
ちなみに祖母に渡したのと色違いを
母にプレゼントしたが、
さっさと処分されていたのは苦い思い出。
作業療法を受けることで生活にメリハリがつき
自分のしたいことや楽しいこと、できることに
目を向けることができて
負の感情をたくさん持ちすぎていた私にとって
とても新鮮でキラキラした時間だった。
つづく