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ヒビの入った家庭

某スポーツ選手の父、専業主婦の母、
2人の兄と私、妹の6人家族だった我が家。

ごく普通の、どこにでもある家庭だと思っていて
おかしいことに気付いたのは自分が結婚し家庭を持ってから。

子どもの頃は家庭と学校が全てで
その世界がおかしいなんて感じる余地もなかった。

そこそこ収入もあり幼い頃はそれなりに
楽しく過ごしていたのだと思う
何せ、記憶がないのです。

私が小学生高学年になると
父は年齢に伴い試合の成績も落ちてきて
今までより収入が減ったことにより
母との関係が悪化。
夫婦間のいざこざは絶えず、
母は父の存在を完全無視。
父の食事だけ用意されていないなんて日常茶飯事。父が話しかけても返答はなし。

当時、学校の成績がよかった私は4人兄妹の中でも母のお気に入り。
1人だけお出掛けに連れて行ってもらったり
1人だけ自分の部屋を与えられたりしていた。
もちろん、他の兄妹への申し訳なさはあったけど、それを拒否することは 母によって
家庭内での存在を消されることを意味するのでできなかった。

父からすると"母側についた娘"
所謂 敵だったため、
気に入らない言動があると大声で罵倒されたり
殴られるようになった。
仕方ないと思った。
私のせいだと受け入れるしかなかった。
物腰柔らかく、人当たりのいい父はもういなかった。

必死だった。
母の思うようにならないと
1ヶ月近く無視されるのは当たり前。
会話は勿論、存在を無視されるので
食事や洗濯も何もかもなし。
自分の手が痛いからと
スリッパで叩く(素手より痛い!)
後ろから不意に蹴られる。
私は無視などの精神的な攻撃が
耐えられなかったので
まだ父の暴言暴力の方がマシだと思った。

不思議なことに贔屓や差別がありながらも
兄妹仲だけはよくて
それだけが当時は救いだったかもしれない。

そんな家庭環境の中、中学へ進学した。

          つづく

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