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*2【間取り映画】キーワードから新しい映画ジャンルをつけてやる

2回目は【間取り映画】です。
間取りは家探しや住宅を建てる際に用いられる図で、その部屋に家具をどう配置するか、部屋と部屋のつながりはどうなっているのかをイメージしやすく作られており、より詳細な寸法などが記載される平面図よりも目にする機会が多いかもしれません。そんな間取りは、近年『事故物件〜怖い間取り〜』『変な家』が映画化されて少しブームになりました。昔は『呪怨』を筆頭に、呪われた家そのものが題材になることがありましたが、今は間取りも重要なようです。

しかし、変な間取りはネタにもなりますが、怖い間取りとはなんでしょうか?入り口がないとか、リビングの真ん中に便器がある家でしょうか?不自然な壁や、必要のない通路は確かに奇妙ですが、下手な建築士の設計や施工ミスなど明確な理由があれば大したことはありません。
恐らく、怖いという感覚は事故物件につく心理的瑕疵がある家のことでしょう。孤独死した人が寝ていた畳が黒ずんだままであったり、なんらかの目に見える形で残っていれば確かに気味が悪いかもしれません。それに、心理的瑕疵は、その家に最初に入る人には告知されますが、その方が長く住んだ後や、周囲に噂する人がいない場合などは告知しない場合もあると聞きます。知らず知らずのうちに、自分のアパートの部屋がそうした物件なのかもしれません。それは潜在的な恐怖ですが、結局のところ間取りとは関係ない気がします。

ウィンチェスター・ミステリー・ハウスという実存する家こそが、変な間取りと言うに相応しいでしょう。これにちなんだ映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』。この家なんかはなかなかに強烈です。ですが、やはり潜在的な恐怖というものは、住んでいる人にしか分からない。面白がって観光に訪れる人の数だけ、"結局は他人事"という事実の方が、よほど恐いと思いませんか?…


ところで、私は間取りも含めてもっと恐ろしい家がある事を知っています。名を欠陥住宅や、耐震偽装物件と言います。家が倒壊する危険に身を晒して生活することの方がよほど恐怖です。なんせどんな幽霊も、家が倒壊してなくなってしまっては困りますからね。というよりも、すでに事件です。


閑話休題
さて、私が知る限りで究極の間取り映画とは一択です。『ドッグウィル』です。黒い床に描かれた原寸大の間取り図というよりも家そのものに加えて、最低限の家具等が配置されている中で、壁や天井があるかのように物語が展開する舞台劇のようでもあります。部屋だけではありません。一つの閉鎖的な村そのものがそうなっています。ここまで空間的に無駄なものを削ぎ落とした映画はなかなかありません。
映画もなかなか衝撃的ですので、観ていない人にはお勧めします。
この頃のニコール.キッドマン美しいです。


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