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リバウンドを繰り返すあなたへ無理せず続く心理学的ダイエット法のススメ ①

痩せなきゃいけないのは分かっているんですけど・・
これまでこの訴えを無量大数回聞いてきました。
なぜ人は痩せなきゃいけないとわかっているのに
痩せられないのでしょうか。

それには紀元前、人類が誕生したころにさかのぼる必要があります。
当時人類は命がけでした。毎日命を削って狩りをして、そして食べられるものを搔き集め、その日暮らしをすること数十万年・・
そうして人類は発展させてきました。わずかなカロリーでも無駄にしないその生物学的本能を

人間には理性がありますから、多少は我慢できます。
目の前にデザートがあっても美味しそうなステーキがあっても
今はダイエット中だから・・・と我慢することはできます。少しは。
けれど我慢は続きません。
そうして我慢が破綻した結果私たちはリバウンドを繰り返します。
そもそもダイエットというのは生物学的本能に反した行いなのです。
食べられるときに食べる。それが生物の本能です。明日も食べられる保証のない野生の世界ならなおさらです。
ウチにはモルモットが3匹いますが、連中はダイエットの事など一切考えてはいません。目の前にあるエサを食らいつくすのみです。自制もクソもありません。
また昔私は犬を飼っていましたが、犬も待ては多少は覚えましたが私が眼を背けたらすぐに貪りつくしていました。それが生物ってもんです。
あったら食べるんですよ、なんでも。

じゃあそうじゃなかったら??
その生物の本能を逆手にとって食べる量を減らすことはできないのでしょうか。
これを実際に研究したところがあります。
なんと天下のGoogleです。Googleは研究機関さながらに社内で様々な実験を行っていますが、社内で行われた実験の一つがこちらでした。
2016年のニューヨークオフィスで行われた実験です。1)
グーグル社内には無料で使えるドリンクバー、そしてお菓子のスナックバーがあるようですが、その二つの距離を変えてそれぞれの消費量がどうなるかを調査したのでした。

まずドリンクバーに近い方です。
こちらはドリングバーからおよそ1.8mの所にお菓子のスナックバーを設置しました。
こちらでは平均してドリンクバーを使った人のうち20%がスナックも口にしていました。
一方でドリンクバーから5.5m離れたところにもスナックバーを置いて検証してみたところ、こちらではスナックを口にしていたのは12%ほどでした。
つまり距離が近い方は、遠い方に比べて約2倍ほどスナックを口にする頻度が高くなるという事です。
研究者はこの差は、少なく見積もっても年間で1.5kgほど余分に体重を増加させる位の差と見積もっています。

これは大きな違いではありませんか??
ちなみに参加者はこの状況に関して何も違和感を感じなかったそうです。
彼らにはスナックを食べすぎたという感覚も我慢したという感覚もありませんでした。
彼らは無意識の内にそれらを口にしていました。

ここにこそダイエットのヒントがあると思いませんか??

さて、同じことを我が家でもやってみました。
被験者は嫁と娘(4才)です。
彼女らは何も知りません。
私が密かに細工しているとも知らず、まんまと実験に協力してくれていました。

まず1番目の実験です。
Googleの研究の例でわかるのは
人間は無意識のウチに食べやすいものを口にするという事です。

さてここでは机の上にお菓子を置きっぱなしにしたらどれくらい消費されるのかを試してみました。
ちなみに戸棚の中にも全く同じお菓子が入っています。
初日がこちらです。

0日目
アポロ×2、ホームパイ×5、パイのみ×2

さてこれがこれからどれくらいのペースで消費されていくかが見ものです。
2日後また結果を撮ってみました。それがこちらです。

2日目
アポロ×0、ホームパイ×5、パイのみ×1

どうやら我が家はアポロが好きなようです。
が、そんなことはどうでもいいですね。
2日経ちましたが思ったほど減ってないなというのが正直な感想です。
ちなみに戸棚のお菓子は一つも減っていませんでした。
もう少し見てみましょう。翌日の結果です。

3日目、この日は7月7日だが日曜日と表示されて紛らわしい。
アポロ×0、ホームパイ×4、パイのみ×0

順調になくなっていますが、こんな感じです。
我が家はホームパイはあまり好きではなさそうという事もわかりました。
が、それもどうでもいいですね。

さて、ここからは比較実験です。
少しだけ条件を変えてみました。
それがこちらです。

0日目
アポロ×2袋、ホームパイ×5袋、パイの実×2袋

さて、違いに気が付きましたか??
ちなみに中身は全く一緒です。
お気づきの通りそれを全部空けて外に出しました。
スナックバーの研究を見てもらった通り、人間は楽な方で生きていく傾向があります。ここでもそうです。
え??たかが袋を空けるくらいの手間で食べる量は変わらないって??
では結果についてみていきましょう。翌日の写真がこちらです。

1日目
アポロはもうない。パイの実も。不人気だったホームパイも食べられている。

どうでしょう。
びっくりじゃありませんか???
私自身この写真を撮った時ちょっと震えました。
袋詰めの時には3~4日経っても食べきらなかった量が1日でこれです。
ちなみに細かいことを言えばこういった実験には交絡因子というものが
必ず存在します。結果に影響を及ぼす可能性のことです。
この場合は例えば曜日の違いが考えやすいです。
休みの日の方がお菓子は食べやすいのでは??とか
家にいる時間が長ければそれだけ消費量に影響が出るとか、、

それらの指摘は最もです。
もっと言えば私が結果改ざんの為に食べた可能性だってあります。
まあここは別に正式な研究成果を出す場面ではないので
多少大目に見てください。大事なのはここから示唆される事実です。

さてついでにもう一回実験を行ってみました。
もう1ケースのパターンです。それがこちらです。

0日目
アポロがなくなってしまったので、残った奴だけで比較。

いやアポロもちゃんと用意しろよと思った貴方。
貴方には研究の才能があります。
研究は比較対象は厳密でなければなりません。
この場合本来最初と同じようにアポロ2袋、パイの実2袋を用意すべきだったんですが、食べつくされてしまいました。
ここでも我が家がいかにアポロが好きかという事が分かります。

が、まあ厳密な場じゃないので、とりあえずこれでやってみます。
ここでの実験はタッパーに入れて視覚的に見えなくしたら、またタッパーの蓋を開けるという手間をはさんだら消費量はどうなるのか
という実験です。さて、後日の結果がこちらです。

2日目
ホームパイが2枚とパイの実が1個消費されている

あまり変わっていませんね
アポロがあればどうなっていたのでしょうね
やはり厳密に再現をすべきでした。まあどこかで追試をしたいところです。

ただ不完全ながらここから読み取れる結果があります。すなわち
・袋から出した状態でもタッパーの中で視覚的に見えない場所ならあまり消費されない
という事実です。

さて、ここまでの一連の結果を踏まえて、考察してみましょう。
そもそもオリジナルで参照していた論文が示唆していた事実は
・人は近くにあればあるほど(≒利用しやすければしやすいほど?)
食料の消費が増える傾向があるというものでした。

さてその前提を踏まえて今回の実験の結果を見てみましょう。
まず消費量が圧倒的だったのは机の上にむき出しの状態で置かれていたものでした。
袋に入れたものと比べると実に3倍以上の消費速度でした。
しかし興味深いのが
むきだしにしたとしてもタッパーにいれて視覚的に見えにくい状態にすると消費量はがくっと下がる。
という事実です。

さて、重ねてのポイントですが
私が今回実験を行っていた事は被験者こと嫁、娘は知りません
そして彼女たちは自分たちのこの消費量の違いには一切違和感を持っていませんでした。
ここが最大のポイントです。
つまり人間は、環境次第で摂取カロリーを如何様にもコントロールできる可能性があるという事です。こここそが最も強調したかったポイントでした。

中々痩せられないと思っているあなた。
常に見える位置におかしなどおかれていませんか??
それも食べやすい形で。
もしそうだとしたら、それを戸棚の奥にしまうだけであなたの体重は変わるはずです。しかもあなたには我慢している感覚はきっとない筈です。
自然にそうなるのです。

またダイエットをしたいと思っているあなた。
ぜひまず目の前から食べ物を取り除く事から始めてみてください。
きっと無意識のうちに自然に痩せられる・・かもしれませんよ。

※参考文献
1)ErnestBaskin et al. (2016)Proximity of snacks to beverages increases food consumption in the workplace: A field study
2)そのひとクチがブタのもと ブライアン・ワンシング著


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