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『「変化を嫌う人」を動かす』に学ぶ、マインドフルネスの新たなコミュニケーション戦略
先日、とある書店で久しぶりにジャケ買いした本はこちら。
サブタイトルにある「魅力的な提案が受け入れられない4つの理由」に惹かれたのは、EQ×マインドフルネスでキャズムを超える、ティッピングポイントにもっていくまでのヒントになりそうと思えたからです。
このnoteにも書いたように、第一次ムーブメント、第二次ムーブメントでは
「生産性高まります!」
「ストレス下がります!!」
「メリットしかありません!!!」
ひたすら魅力的な提案ばかり、メリット尽くしでした。
もちろん、この魅力たっぷりアプローチで興味関心をもった方、実践されている方がいらっしゃるのですが、キャズムを超えた先にいる大多数のマジョリティには通用しないのではないかと、薄々おもってたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1738630022-D5NO60ojefadQg3Ju1sLtSZX.png?width=1200)
そうしたとき、この本に出会えたことは偶然ではなかったかもしれません。
4つ抵抗とは何か、それぞれに解消する具体的なアプローチの数々が書かれており、いま必要なことがすべて書かれていたからです。
変化を嫌う人といっても、あえて嫌いになろうとしているわけではない。
知らぬ間に抵抗していた、気づいたら反発していた、という人たちがメインストリームにいる、マジョリティを構成しているにすぎません。
「抵抗レポート」というワークシートを用いて、「マインドフルネス界隈の現状」を考えてみました。少し書き出しただけでも、変化に対する抵抗が多くありました。そりゃー、無理ゲーですよね。
抵抗レポート:マインドフルネス界隈の現状
アイデア:いつでもどこでもマインドフルネスを実践する
オーディエンス:ビジネスパーソン
惰性(inertia):自分が馴染みあることに留まろうとする欲求
・このアイデアは現状を打破するタイプのアイデアか?
・このアイデアに慣れる時間を人々に与えたか?
・提案している変化は徐々に起きるものだろうか。
それとも1回で大々的に起こるものだろうか?
・現状:オートパイロット(無意識、心ここにあらず)の状態で、
仕事や日常生活を送っている
・抵抗:確立されているルーティンを否定するのは、強い抵抗になる
・解消:「私がていねいに行っていることがマインドフルネスなんだ」と
関連づける。生活に馴染みあることと結びつくことで、
自分事と捉えることができる
労力(effort):変化を実行するために必要な努力やコスト
・変化を取り入れるためにどの程度の肉体的・精神的な苦労が必要か?
・望まれているとおりに変化する方法を人々は知っているだろうか、
それとも取るべき道が茫漠としているだろうか?
・現状:つねに仕事や家事に追われて、毎日忙しい日々を送っている
・抵抗:落ち着いて瞑想できる時間や場所を探すのも、相当大変。
・解消:「1分でもできる、落ち着いていない場所でもできる」と
ハードルを低くする
感情(emotion):提示された変化に対する否定的感情、アイデアそのものに対する反応
・提案している変化についてオーディエンスはどの程度の脅威や不安を感じそうか?
・このアイデアが人々の多様なニーズを損なう可能性はあるか?
現状:マインドフルネスを聞いたことない、聞いたことある
抵抗:「マインドフルネス」というカタカナだとイメージがわかない
「瞑想」には、何となく怪しいというイメージがある
解消:「マインドフルネス」を日本語で表現してイメージしやすくする
瞑想に対するネガティブな印象をポジティブに上書きする
心理的反発(reactance):変化させられることに対する反発、提示する人や方法に対する反応
・変化を迫るようなアプローチをしていないだろうか?
・アイデアづくりや企画のプロセスからオーディエンスを締め出さなかったか?
現状:つねに「パフォーマンス発揮せよ」と求められる
抵抗:上司から押し付けられると余計にやりたくなくなる(必須研修)
解消:自分が必要だと思うものならやりたい(任意研修)
このように、惰性、労力、感情、心理的反発という4つの抵抗と解消をみていくと、『1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス』というタイトルには「1分で」「いつでもどこでも」という、少しでも抵抗(労力)を下げるようなメッセージが込められていることにも気づくことができました(ホッ)
さらに抵抗を下げられるよう、
・惰性:「ていねいに行っていることがマインドフルネス」と関連付け
・感情:「マインドフルネス」の日本語化、イメージ上書き
・心理的反発:その人にとって、必要なタイミングで手に取れるように
など、心掛けていきたいポイントも明確になりました。
一言でまとめますと、マインドフルネスの新たなコミュニケーション戦略は、大多数の「抵抗を解消する」メッセージをしていくことです。