マガジンのカバー画像

読書

105
読書感想文
運営しているクリエイター

記事一覧

みかげが運んだカツ丼と微熱さんのカツサンド

吉本ばななの『キッチン』『満月——キッチン2』のみかげが伊豆から伊勢原市(小説の中ではI…

かなこ
5日前
91

いいところも悪いところも恥ずかしいことも知っているから #文学フリマで買った本

はじめに 親指骨折、体調不良、トライアスロンレース前でナーバスになっていたのでコメント欄…

かなこ
3週間前
79

ひとりはかなしくうれしいこと #文学フリマで買った本

大島に向かうジェット船、大型客船、インバウンド船と呼んでいる観光客をたくさんのせた松本零…

かなこ
1か月前
100

争いごとは自分にかえってくる #文学フリマで買った本

フィリピン人はフレンドリーで明るい。学校の掃除、洗濯をしてくれる方々や食堂のスタッフ、ジ…

かなこ
1か月前
101

水になじめないけど跳び込んでしまう

僕は弱くない。強いはず。そういう夫は、いわゆる「口が立つやつ」でその口で貧乏を踏み台にし…

かなこ
1か月前
72

おだんごは別腹#文学フリマで買った本

かなこの人生が豊かになるよ、と夫に騙されて義母の介護に関わったときは今より18歳も若く、や…

かなこ
3か月前
95

教えてない教え

『ハリー・ポッターと賢者の石』の賢者の石は、どんな金属も黄金に変え、飲めば不老不死になる「命の水」をつくりだす、というものでした。ヴォルデモートが復活のため手に入れようとしますが、ハリーのもとに石がきます。 賢者の石を使いたい者でなく、見つけたい者の手に入るようになっていたのです。 賢者の石でなくっても見つけたい、そうなりたいと強く願う人のポケットに入り込むようなやさしく力強い書です。 賢者の書 喜多川泰 自己啓発書って苦手なのだけど、これはハリー・ポッターのような冒

日をつなぐということはキズの連鎖かもしれない

誰もが誰かを傷つけて、傷つけあって石の形ができていきます。 故意で、意図して相手をやっつ…

かなこ
4か月前
77

家が好きな人は自分のスキを大事にする人

色々な家に住んできました。風呂なし四畳半トイレ共同、当時23000円の家賃のアパート。2LDKの…

かなこ
4か月前
99

サクリファイス(犠牲)は生き残るため 未来のため誰かのため

東京オリンピック2020自転車ロードレースで入賞圏外の集団が、234kmの戦いを終えてのゴールに…

かなこ
4か月前
73

見栄でなく矜持があった時代

NHK朝ドラ『ブギウギ』に有楽町ガード下の靴磨きの少年が病気のお母さんのため、お金を稼ぐた…

かなこ
4か月前
73

言葉をもたないから話したくなる

アニマルライド。公園にある石でできた動物の遊具。動かないし、ちょっと怖い。3歳児、4歳児は…

かなこ
5か月前
68

自分以外の命を守ることでどうにか道に迷わずにいられた

ダックスフント(ミニチュアでない)とふたりで暮らしていたとき、一緒のベットで寝ていたのだ…

かなこ
5か月前
63

嫉妬と偏見

若い頃の恋愛は、嫉妬して泣いたり喚いたり、喧嘩したりとエネルギーに満ちていた。いつから嫉妬しなくなったんだろう。自分に自信ができたというわけでもない。もう若くない、ということだろうか。 嫉妬は、恋愛だけではない。他者が自分より輝いていたり成功したり、能力が優れていたり、仕事ができたり、幸せだったり。 嫉妬に狂う双子の兄弟の兄と、その弟と、偏見と戦う少女の物語です。 愛の妖精(プチット・ファデット) ジョルジュ・サンド 双子の兄のシルヴィネは、弟のランドリーへの愛情が強