わたしに無害なひと【読書感想】
nicoです。
今回は、韓国小説「わたしに無害なひと」の感想を綴ります。
わたしに無害なひと
チェ・ウニョン著
7編の短編集です。
タイトルが気になり手にしました。
冒頭で著者は
「みなさんがこの本を読むことで、私たちのあいだに存在する普遍的な何かに触れると同時に、私たちの違いについても具体的に経験してくれればと思っている」
と書いている。
私が小説を読む動機、本を読む動機は色々ある中で、
自分が体験しなくても他人の体験が知識になることがある
ということがあります。
ここでの体験は、女性が女性を好きになる。家父長制度。1人親の家族。人の愛し方と愛され方がわからない。友人の自殺等。
どの作品も、大切にしたい存在であるにもかかわらず、理解が及ばず傷つけてしまった後悔や出来事などが書かれています。
私は、早くに自立したかったけれど、多少なりとも給料の良い制度が整っている仕事に就きたくて、大学進学をしたものの、家庭の都合により退学しなければいけない状態にありました。進学するときも、「女だから、国立でなければ、私立の短大」退学をしなければならないというときも「女なんだから、大学行っても仕方ない」と言われました。まぁ、完全無視ですけれど…
私の恵まれていたところは、人の話は話半分と子どもの頃から感じていたことだと思います。人に嫌なことをする人は、理由があっても嫌でしたし、大人にもおかしいと思うような子でしたので、随分可愛くない子どもだったと思います。
理解できるように話してくれる大人がいたら、とそれだけは少しばかり悲しさはありますが、知りたいことを自分で知ろうとする人になれたのも、その経験からと思っています。
この本を読んで、今まで私は被害を受ける側と思っていたけれど、果たしてそうなのか?という疑問がむくむくと湧いてきました。
まだまだ知らない人の感情や体験があり、もしかしたら、知らずに傷つけるようなこともあったかもしれません。
私は不完全な人間です。
でも、今より少しだけ知識のある人になりたい。
そうすることでしか、周囲も自分も幸せになれない気がするから。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ほぼほぼ、自分の感情を書いた感想となっています。
でも、本来読書感想ってこんなものなのでは、と個人的には思います。
あなたにも、気持ちが揺さぶられる作品に出会う時がありますように。
nico