研修講師は寄席の落語を聴くか?③寄席(落語定席)という世界
nicoと申します。
よかったら下記からプロフィール記事も読んでやってください。
一昨日は、我が社の素敵講師は皆、志ん朝師匠と小三治師匠を聴いているという話、昨日は研修のために今ライブで落語を聴くなら!という話をさせていただきました。
今日は研修の参考にするには寄席で落語を聴いてもらいたい理由を書いてみたいと思います。
寄席(落語定席)とは何か?
「寄席」とは講談、浪曲、落語、漫才などをお客さまに見せる演芸場のことです。
毎日落語を演っている場所を「落語定席」といいます。年末の数日を除き、毎日開いています。
東京には、鈴本演芸場(上野)、末廣亭(新宿)、浅草演芸ホール、池袋演芸場の4軒があります。
1.寄席落語と対になるのは「ホール落語」
ホール落語はその名のとおり、〇〇ホールといった名の会場で、決まった日時に行われます。独演会、二人会、三人会、親子会(師匠と弟子)、兄弟会(同じ師匠の兄弟弟子同士)、などがあります。
何という噺をやるか、あらかじめ告知されている(ネタ出し)ことも多いです。
寄席に比べて出演者が少なく、一人あたりの時間も長いので、傾向としてはじっくり聴かせる噺がかかります。
お客さまも圧倒的に出演者のファンが多いので、温かい雰囲気で進行されます。
2.寄席の特徴
前項で書いた「出演者のファンが多いので」というフレーズ、あたりまえでしょ?と思われましたか。
寄席には特定の出演者のファンではなく、「落語」そのものが好きな方も多く来ています。眼も耳も肥えている方がたくさんいらっしゃいます。
また、寄席の大きな特徴は上演時間が長いこと。鈴本と、池袋の下席を除き、昼の部から夜の部まで通しで見ることができます。(現在の状況は各席のwebサイトなどで必ずご確認くださいね)
なお、寄席興行は10日間が一区切りで、毎月1〜10日を上席(かみせき)、11〜20日を中席(なかせき)、21〜30日を下席(しもせき)といいます。大の月の31日は余一会として特別企画興行が行われます。
今は会場内で食事ができないのですが、以前末廣に行くときは、昼夜2食分のお弁当とおやつを持って一日中浸ったものでした。
そういう場合、昼の部で10数人、夜の部で10数人の出演があります。ということは場内にはいろいろな落語家さんのファンがいて、ホール落語のように一丸とはなってない場合もあるのです。(というかそれが寄席の普通です)
なので、別に受けたくないのに出席させられちゃった研修受講者が揃っているような、落語家さんにとってアウェイな場面がままあります。
3.寄席のルール
昼の部、夜の部それぞれの最後に出る落語家さんを主任といいます。
寄席はこの主任の噺までをいかに盛り上げるかのチームプレイです。
自分の出番が番組のこの位置にあるのはどんな役割が期待されているのか、今日はここまでにどんな噺が出て自分の出番ではどのようにやるのが適切なのかを考えながら高座に上がるそうです。
重い噺が続いたら自分の番は軽く、ここまでが軽めならちょっと重たく。前に出た噺や落語家さんと関連する話をマクラでしたり、後の振りになるようなことを言ったり。
落語家さんにとって寄席は修行になる、と言われるのはそういうところなのだろうなと思います。
研修目的に向けて緩急をつけるために、講師が参考にできる点は多くあると思っています。
また、前の出番が大受けした時の空気の変え方や沈黙の使い方などは、実際に自分がその場にいてこそわかるものだと思います。そこは映像や音源では決して感じ取れないものです。
まとめ
だからみんな寄席にきてね!そして寄席にいる間は頭空っぽにして楽しんでね!
空気感とかは、後からでも結構思い出せるから心配しないでね!!
連携プレイとかも最初は気づきにくいと思うけど、見続けると見えてくるので、見る側としての自分自身の変化も楽しんでいただけたらと思います。
お読みいただきありがとうございました。
ではでは。
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