【音楽付き小説】 『夏の夜の夢』
以下の文章は、私の目という特殊なフィルターを通して出てきた言葉である。あしからず。
少し歩いているだけで汗ばんでくるほどの夏の最中.導かれるように近所の神社に歩を進めた.カラスが2羽鳴きながら帰ってくるのが聞こえていた.
鳥居をくぐり,脇の方を抜けて,奥の森の方へ抜ける.雨の匂いがする.本降りになるかもしれない.その間も僕は歩みを止めなかった.
すると,突然視界が開ける場所に来た.すでに雨は止んでいるようだった.
まだ,ぬかるんでいる足元には小さな川が流れていた.向こう岸には,小さな少女が地面に咲いた小さな白い花を,まじまじと観察しているのが見えた.
少女はこちらに気づいたようで,飛び石を渡ってこちらに来た.手には先ほどの白い小さな花が握られていた.
辺りは曇っていたはずなのに,なぜかよく見えた星空を見ながら,僕らは少しお話をした.
満足したのか,少女はこちらを見てにこりと微笑むと,また飛び石を渡って,向こう側までいってしまった.
もう一度空を見上げると,少女がどこか遠くへいくのが見えた気がした.
僕は,また森の方へ引き返し,神社の方へと戻ることにした.道中ではまた雨が降っていた.
雨の止む様子も見られなかったので,傘を差しながら帰路に着くことにした.
家に帰ってからわかったことなのだが,洋服のポケットには白い小さな花が一輪入っていた.
子どもの頃,今は亡き彼女と夏祭りによくこの神社に訪れていた気がする.
小説に音楽をつけてみました.
では,またの機会に.