「インクルーシブ教育システム」とはどういう仕組みですか?
国連の障害者権利委員会は9月9日に発表した日本政府への勧告でそう指摘し、障害児を分離している現状の特別支援教育をやめるように強く要請しました。
要するに、日本のインクルーシブ教育にダメ出ししたということでしょう。
インクルーシブ教育システムとは、障害のある子どもとない子どもが共に学び、障害のある子どもに必要な合理的配慮が提供されるものとしている。
インクルーシブ教育システムの話が出たときに、県主催で研修会が行われたことを記憶しているが、そのときに大きな違和感をもった。
システムとは、単語で言うならば 「組織、制度、機構、仕組み」のことを指す。
では、障害のある子どもとない子どもが共に学ぶ仕組みがどうやったらできるのだろうか。今の40人学級(もうすぐ35人学級になるが)で、障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶなんてできるのだろうか。もちろん技量のある教員はできるであろう。「インクルーシブ教育システム」について著書を出している方々にはできるのであろう。
私は校長として学校で様々なトラブル(というか不平不満)が起きた時にはシステムをつくって解消に導かねばならないと常々言っています。そのトラブルが起きないように意識を高くもてば解消に向かうでしょうが、それはある一時です。「喉元過ぎればなんとやら」でまた同じ状況が繰り返させるのです。
システムをつくるというのは、みんながさほど意識しなくとも、自ずと思い描く方向に動くというものでなければなりません。
つまり、「インクルーシブ教育”システム”」なのだから、教員の力量等に左右されず、自ずと障害のある子どもとない子どもが同じように学べるようになっていなければならないのである。
具体的な教室の風景を思い浮かべると、教室全体をコーディネートする教員と特別な教育的ニーズに応える教員が常にいて、お互いに連携しながら役割を果たすということが容易に想像できます。二つの役割を一人の教員がこなすというのは技量が高ければできるのかもしれないが、技量に頼っているのではシステムとは言いません。
国連の障害者権利委員会は9月9日に発表した日本政府への勧告でそう指摘し、障害児を分離している現状の特別支援教育をやめるように強く要請した。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_631bf906e4b082746bdfe371