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文部科学省が通知したからといって、簡単に「黙食解除」にしてはいけません。
文部科学省が11月29日、全国の教育委員会に学校給食での会話は可能とする通知を出し、その際「従来も黙食は求めていなかった」などと弁解しています。
まあ、文部科学省のこの言い草、何でしょうかね。はっきり言って情けないです。これがこの国の教育行政のトップなのです。
教育行政がどうであっても、校長としてしっかりと学校経営しなければなりません。
では、この黙食解除の通知を校長としてどうするか。
学校を経営しているのは校長です。
最終的に責任をとらなければならないのは校長なのです。
文部科学省の言うことをまっとうに聞く必要はありません。
先程から文部科学省が情けないと言っていますが、どこが情けないかというと子どもの特質を理解していないところです。
黙食を解除しました。しかし、感染者が増加して、学級閉鎖や学年閉鎖がどんどん起きるようになってしまいました。もう一度黙食に戻します。
この言葉通りに行けばいいですが、一旦黙食を解除して、会話しながら給食を始めたら、会話して食べることの楽しさを味わうわけですから、もう一度黙食に戻そうとしても、なかなか元通りには戻りません。
特に、低学年はとても難しいです。
文部科学省は、子どもの指導についてははっきり言って素人ですから、ある意味仕方ありません。
ですから、学校が、校長がしっかり行動指針を示さなければなりません。
私としては、今すぐに黙食を解除することはしません。感染がもっと爆発し始めたらもう一度黙食に戻さなければならない事態になりそうだからです。
しかし、「黙食を解除しない」とするだけではあまりにも無策です。
ワールドカップを見れば外国ではマスクを外して密になって叫んでいるのです。この姿を見て、自分たちはなぜ黙食しなければならないのか、疑問に感じるでしょう。
そこで、黙食について一定の基準を設けます。
「自分たちの都道府県の感染者が◯◯人を切ったら黙食を解除します」
◯◯人という数値も、いわゆる感染者の第7波のグラフの谷の数字が基準になるかと思います。
同時に、「△△人を上回ったら黙食に再度戻します」ということも宣言しておきます。
△△人という数値は第7波の谷と山の中間の数値に設定します。上り調子になったときにはストップするというイメージです。
このように、感染者のグラフという根拠をもとに、しっかりした基準を子どもにも保護者にも教職員に示しておけばわかりやすいですし、見通しもつきます。
「ようやく黙食が解除されるな」
「そろそろ黙食が始まるかな」
といった見通しが付くことで、ルールの変更にもきちんと対応できると思います。