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#7 江戸東京たてもの園へ-高橋是清の最後を知りにいく-

 今回は東京の小金井市にある江戸東京たてもの園へ!
 二・二六事件に関して少し調べ物をしている最中、高橋是清邸が展示されていると知って行きたくなりました。この高橋是清邸はもちろん移築されたものですが、当時の様子がありありとわかりました。

高橋是清邸の入口

 高橋是清は周知のように、帝国日本時代の原・犬養・斎藤・岡田内閣で大蔵大臣を歴任し、昭和恐慌以降に「高橋財政」と呼ばれる積極財政政策を展開しました。他にもアメリカ留学をした際、まだ英語がよくわからず現地の人に騙されて奴隷契約を結んでしまったり、日本帰国後は日銀総裁や総理大臣を経験したりと興味深い人物です。
 そんな政財界の大物は二・二六事件で陸軍将校によって自宅寝室で襲われて殺害されます。

高橋是清邸寝室

 展示には、「兵士10数名が寝室になだれ込み、白の寝巻き姿で布団に座っていた是清に銃弾をあびせ、軍刀で切りつけた。即死であった」と説明がありました。この場面を想像し、なにか悲しくなりました。二・二六事件の数年前までは、大正デモクラシーの風潮の中、対話をしようとする力は鍛えられてきたはずでしたが、恐慌という時代の中、問答無用の暴力で訴えかけることが公然とやってのけられるようになった。こんな時代の移り変わりを象徴する事件が(移転されたものですが)ここで繰り広げられたのでした。

高橋是清邸
庭の景色

 ご紹介はしませんが、江戸東京たてもの園にはここだけではない見どころがたくさんありました。もう一度行きたい場所です。

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