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Photo by
lalakoora
散文詩「書く以上は皆、親になる」
芸術作品を創る人は親になる
作者が親で 作品がコドモ
ただ孫は存在しない
一期一会の親子関係
唯一無二の血族関係
例えどんな短文でも 長編作品でも
自らの意志と言う名の息を
強く吹き込んだ自らの分身
側面的には自分そのものに違いない
形は違えど
空想行為を経て 現実行為
子供を一人で作り上げる行為
片親だから不安で 恐ろしくて おぞましい
誰も「その行為」には付き合ってくれない
孤独感と恐怖感と寂寥感に苛まれる
「アイディア浮かんだ」は「妊娠しました」
「作品完成」は「産まれた」
脱稿で抱っこする
最後とばかりに自己満足感に浸る
作品が世に出る幸せは同時に責任感
批判上等で受けて立つ コドモを守るために
一人寂しく世に放つ
だから「読んでくれて、ありがとう」
【了】