瀬尾まいこさん作『夜明けのすべて』を読んで
この世の中のすべての人が、この小説に出てくる人みたいであればいいのに、と思った。立場や見方によって、何が優しさで、何が正しくて、何が配慮なのか、それは変わってくるけど。でもこの中に出てくる人に、悪意を持って誰かを傷つけようとする人はいない。
たぶん傷のない人間はいない。弱点のない人間もいないし、欠点のない人間もいない。どのくらい表面に見えているどうか、違いはそれだけ。傷の大きさも深さも、誰にもはかれるものではない。たぶん、自分にも。そして比べられるものでもない。話したところ