見出し画像

星が降る

『星が降る』
星が降ると聞いて、どんな景色が浮かんできますか?
私には「星が降る」と聞くと、いくつかの光景が浮かんできます。

「流星群が来るらしい」と聞き、急に思い立ち、車で小高い丘の上に向かいました。
車で30分ほど走り、まわりには何もなくだだっ広い畑に到着。
車のライトを消すと、今まで遠かった空が手に届くような近さにかわり、降ってきた星をつかめるのではと思うほど。

研修のために行ったオーストラリアで、夜の観光ツアーに参加した。
コアラやカンガルーを見学し、街の明かりも届かないような場所でマングローブを観た。
暗くてマングローブはあまり見えなかったけれど、頭の上を見上げると、「こんなに星があるのか」というくらい、空を埋めつくすほどの星の数。
地球と空の境目、ギリギリまで星があるようだった。
空いっぱいの星が半円を描いているようで、「地球の輪郭って丸だね」と思ったのもその時だ。


こんな時の星も忘れない。
北海道胆振東部地震で、北海道全域が大規模停電にあい、「ブラックアウト」と言う状態になった。
夜になっても電気は回復せず、家に入っても食事の支度もできないため、外で火を熾して食事をした。
いつ復旧するのか目途も立たず。
家庭の電気はもちろん、いつもは街を照らしている外灯も、スーパーなどの看板の電気も、もちろん信号も全ての電気がつかない状態だった。
街から光りが消えた。
全ての光が失われた中、見上げた空。
いつも見ている空よりも広く、そして近くにたくさんの星があった。

楽しくても、不安な中でも星は変わらず瞬いている。
電気がない頃を過ごした先人たちは、夜ごと空をみて星に願い、星を詠み、星で語っていたのかもしれない。




お遊び企画「星が降る」をテーマに書きました。


いいなと思ったら応援しよう!

はし
いただいたサポートは、車いすフェンシングの活動費に使わせていただきます。

この記事が参加している募集