日本一早い紅葉
日本一早く紅葉が見られるのは、北海道の大雪山国立公園 旭岳です。
9月中旬「旭岳の木々が色づき始めました」と、秋の訪れを告げるニュースを毎年聞く。
市街地では、まだ夏日も続く日々でも、一足先に山の季節はすすんでいるのを実感する。
いつも街を見守るようにそびえたつ山、旭岳まで足を延ばしてみた。
標高2291mの旭岳。1600mまでは、ロープウェイで昇ることができる。
標高が高く寒いことが予想されるので、セーターに綿入りのアウター、手袋、冬のアウトドア用の靴を履いて出発した。
曇り空で、時々晴れ間が射す程度。
冬支度で来たが想像以上に寒い。
旭岳の標高1400m以上は、森林限界となる。その上をロープウェイで走っていく。
眼下には、高い木がなくなり森林限界の境界を見ることができる。
森林限界を目にすると、「木も育たない場所」と考えると自然の厳しさを感じる。
ロープウェイを下りて、山道を歩きます。
繰り返された噴火によりできた池、夫婦池、姿見の池を目指して山道をすすみます。
大きな石がゴロゴロしていたり、雨が降ったあとでぬかるんだり、急こう配もあり。
少し離れたところからは、噴気孔から煙(水蒸気)があがり、山が生きていることを感じます。
山の季節は思っていた以上に早くすすみ、葉は落ちたあとだった。
下山後は、同じく大雪山国立公園の一部である天人峡へ向かいました。
約3万年前に起きた巨大噴火の影響と長い年月で形成された柱状節理がシンボルの場所で、岩と木々、川が作りだす景色が見れる。
山の中を帰宅にむけて車を走らせると、忠別湖がある。
周囲はぐるっと森林で囲まれ、風も弱く湖も穏やかな表情をしています。
旭岳への通過点くらいにしか認識されていない部分もあり、あまり人もいず静かな場所でした。
周辺の街を見守る大きなこの山には、数年に一度紅葉をみたり、スキーに来たりする程度。
山や自然に対して、よその庭を勝手に歩いているような「ちょっと、お邪魔してすみません」という気持ちになる。
反面、紅葉を観て、自然の厳しさと景色が織りなす美しさ、季節の移ろいを目からも吸う息からも感じた。
そして、この穏やかで過ごしやすい秋という季節があっという間に過ぎてしまい、寒い冬が来ると思うと淋しく、身が引き締まる。
森林や自然への人間への効果や畏怖について、記事にされています。
自然の恩恵と厳しさを考えるきっかけになりました。