ラスト一ページの衝撃(宮部みゆき編)
小説紹介編第二段。
「火車」 宮部みゆき
1992年発売
現在も大活躍する日本を代表する作家宮部みゆきさん。
出す本総てがベストセラーになると言っても過言ではない安定感抜群の一人。
私は母子家庭という家庭環境もあり、子供の頃は図書館で無料で借りれる本を貪るように読んでいました。
音楽と出会いバンドを始め、普通に部活や受験勉強をこなす様になったら、本を殆ど読まない学生生活になってしまいました。
その時代を経て大学卒業後今作を読んだ事で、再び本を滅茶苦茶読むようになったんです。
それ位今作の衝撃度は凄かった!
所謂人探しのミステリーなんだけど、最後の一ページまでその人物が出てこないという展開には驚かされました。
誰が呼んでも名作なので、当然直木賞候補になったのですが、残念ながら受賞できます。
後に(理由)という作品で直木賞受賞するのですが、全然今作の方がレベル高いし、周りの人の証言で一人の人物を浮かび上がらせるという手法は、今作で完成されてました。
前回紹介した(綾辻行人)とデビュー&誕生日が一緒という奇跡的な偶然。
この二人が居なかったら、社会人になってからの読書好きには戻ってなかったと思います。
後世に残したいミステリーベストテンとかで、必ずベスト3に入る傑作です。
それでは全作読んでいる宮部さんの作品で、個人的に読むべき三作を紹介します。
第三位 三島屋変調百物語シリーズ 宮部さんは現代物と時代物を二刀流で書き上げます。時代物中では現在も進行中の三島屋シリーズが安定感抜群で最高です。出来ましたらシリーズ全部読んで欲しいです。
第二位 模倣犯 既に映画化もされている晩年の現代物ミステリーの傑作。劇場型ミステリーの教科書の様な作品です。
第一位 火車 日本のミステリーを読むなら、先ず今作からという程の教科書的傑作。読まずに死ねるか!
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