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女性ならではの内臓までさらけ出す様な文章表現(桐野夏生編)

小説紹介第七弾!

「グロテスク」 桐野夏生

本日紹介するのは現在も書き続ける女性作家(きりの・なつお)。

第19回江戸川乱歩賞を受賞しデビューしました。

それまではジュニア小説やロマンス小説を生業にしていたのですが、一般作家として再デビュー。

そのデビュー作が何と女性が主人公のハードボイルド小説。

驚きました。

その後も女性が主人公のハードな、物語を中心に書き続けています。

(柔らかな頬)で直木賞も受賞しています(これも名作)。

総て読んでますが、私が一押しするのは(グロテスク)という作品。

実際にあった事件(東電OL殺人事件)が元になった作品です。

高学歴で一流企業に勤め地位も名誉もありながら、夜は娼婦として町に立っていた挙句、お客に殺されてしまった事件。

何故そんな仕事を態々していたのか?

当人は亡くなってしまっているので真相は闇。

その闇を桐野さんが想像で書き上げた傑作です。

こういう作品は男では書けない気がする。

内臓感覚というか、総てをさらけ出す感じは女性特有、そして桐野さんの独断場。

沢山良い作品あるけど、個人的には今作を推します。

それでは個人的に桐野作品のベストスリーを。

第三位 OUT 1997年 桐野さんの名を世に知らしめた有名作。パート勤めする女性達が、一つの事件をきっかけにどんどんダークな世界に嵌っていく物語。これもTHE桐野ワールドです。

第二位 顔に降りかかる雨 1993年 江戸川乱歩賞受賞作にして、一般作家としてのデビュー作。女性には書けないと言われていた、ハードボイルドの世界を書ききった初の作品ともいわれてます。主人公の女性がカッコよすぎ!

第一位 グロテスク 2003年 桐野ワールドの到達点。人間、いや女のグロテスクな部分を、これでもか!とさらけ出した問題作です。

70過ぎた今でもペースが落ちる事無く書き続けているのは凄い事ですが、やはりピークは2000年前後の気がします。

女性にこそ読んで貰いたい作家さんです。


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