厚化粧でもないし、演歌が好きでも無かった
56歳の親父が人生で100回以上聞いた100枚のアルバム紹介番外編。
昨夜訃報が届きました。
八代亜紀さんが亡くなったと。
75歳だそうです。
別段演歌をすごく聞くわけではないですが、私たちの世代は子供の頃身近に演歌があった世代。
何かと毎年話題の紅白には半分くらい演歌の人が出てたし、TVの音楽番組にも必ず演歌の人が出演していた。
なので知らず知らずの内に耳に入り、ちゃんと聞いてないので唄える演歌は結構あります。
八代さんもそんな一人。
特に(舟歌)は子供の頃に聞き、歳をとるにつれて深みを増していった曲。
歌詞はこんな感じ。
お酒はぬるめの 燗(かん)がいい
肴(さかな)はあぶった イカでいい
女は無口な ひとがいい
灯りはぼんやり 灯(とも)りゃいい
しみじみ飲めば しみじみと
想い出だけが 行き過ぎる
涙がポロリと こぼれたら
歌いだすのさ 舟唄を
日本酒専門店生業にしている私には、こんなに酒飲みの気持ちを分かった歌は無いと思います。
阿久悠の歌詞は完璧だし、そこに八代さんの情緒に溢れた歌声が重なると、目の前に日本海の小屋でシミジミ飲む男の姿が浮かび上がって来ます。
本当に凄い歌です。
でもそんな八代さんですが、実は演歌歌手ではなくジャズやポップスを歌いたかった。
大人びた容貌もあり、15歳からクラブで唄いだし、大好きなジュリー・ロンドンなどを唄っていたそうです。
しかしあの時代ジャズでメジャーデビューするのは難しい時代。
意に反して演歌歌手としてデビューするのですが大成功。
晩年本当にやりたかったアルバムも出しています。
2017年に出た(夜のアルバム)という一枚。
ピチカート・ファイブの小西康陽のプロデュースです。
大好きなジャズのスタンダードや五木の子守歌や私は泣いています(りりぃ)などを唄っています。
タイトル通りイメージは夜。
ジャケはヘレンメリルの名盤を意識してますね。
ジャズアルバムとして聞くと少し物足りないかもしれないけど、夜に似合う一枚として聞けば面白い一枚です。
大好きなジュリーロンドンの名曲(クライ・ミー・ア・リヴァー)や渋いペギー・リー(ジャニー・ギター)など選曲も最高です。
子供の頃は厚化粧の演歌歌手と勝手に思ってたけど(国民の殆どはそう思ってた)、実は顔の作りが派手なだけで化粧は薄化粧だったのにも驚きました。
ご冥福をお祈りします。
知らず知らずの内の私の音楽のDNAに刷り込まれた人物の一人であります。
皆様にはジュリー・ロンドンの名曲を
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