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日本のコンゲーム小説の傑作(真保裕一編)
小説紹介第10弾!
「奪取」 真保裕一
本日紹介する真保裕一氏は、1991年に江戸川乱歩賞を受賞してデビューしました。
デビュー作含めて初期の何作かは小役人シリーズと呼ばれ、マイナーな役所の一役員が活躍する物語で、派手さこそないけど、じっくり読ませる作品でした。
その後は様々な作風の作品を現在も書き続けてますが、私が一押しなのは1986年に出版された(奪取)です。
どうしようもない三人が完璧な偽札を作り、ヤクザを騙すコンゲーム小説なんですが、偽札造りの詳細や、ドンデン返しの繰り返しにハラハラ&ドキドキが最後まで止まらない傑作だと思います。
真保作品全部読んでますが、比較的初期の作品なんですが、今作を超える作品には出会ってないです。
それでは真保裕一作品のマイベストスリー紹介です。
第三位 誘拐の果実 2002年発売 昔から多くの作家がチャレンジしてきた誘拐物。今作は二つの関係ない事件が絡み合っていく、今までになかった誘拐作品でした。
第二位 ホワイトアウト 1995年発売 織田裕二主演で映画化もされた、ダムを占拠したテロリストとのダム職員のクライムサスペンス。テロリストに加え、襲い来る雪とストームの恐怖が合わさった緊迫感溢れる物語。
第一位 奪取 1996年発売 兎に角面白い。テンポも良く大長編でも最後 まで一気読み出来る傑作。一番勢いに乗っていたこの頃の真保作品は最高です。
先程も言いましたが、現在も沢山の作品を書いてますが、初期の頃の面白さが無いのは残念です。