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「願うと かなわない」という 世にも奇妙な物語(笑)

人は、経験則によって、「こういうときは、だいたい、こうなる」というような、何かのパターン・傾向みたいなものを、うっすらと感じながら生きていたりするものですよね。

わたしが日常で感じる法則は、

「執着する願いは、叶わない」ってこと。


そういうのを、俗に言う「引き寄せの法則」と言うのかどうかよく知りませんが、何かの理想の状況を強く願い、固執することで、逆に遠ざけたり、取り逃がしたりする感じがするのは、わたしだけでしょうか。

実際には、「強く願ったからこそ、叶った」という事例も、巷にはあふれているのですが、どちらにしても、私が物事の因果関係に、それらしい勝手な意味やストーリーをつけて、納得しているだけなのかもしれません。

***

なぜ、こんなことを書いているかと言うと、例のアレですよ(笑)


みなさん、前回は、しょーもない夫婦喧嘩の記事を読んでくださり、ありがとう。

例のケンカの最中、わたしは夫に、自分のnoteを読んでもらうという暴挙に出た模様を書きましたが、そのことを赤裸々に書いた記事さえも、また夫に読ませ、さらには、みなさまのコメント内容も夫に伝えて、大いに盛り上がりました(笑)

(知らない方は、夫との大ゲンカの模様です⤵⤵)


おかげさまで、問題は何ひとつ解決していないにも関わらず、私の気持ちは、随分軽くなりました。

夫との一連のバトルは、みなさんのコメントも手伝って、ふたりの中で整理が進みましたし、なにより、女と男で「感覚」の共有はできなくとも、その「差異」を分かり合うきっかけとなり、とても有益でした。


めでたし、めでたし
チャンチャン……





……って、ならねーのよ(笑)




あのですね。



当初の予定では、この記事を書いている本日こそが、わたしの死刑執行日夫のお母様と妹さんが我が家にいらっしゃる予定日だったのですよ。


なのに、まだ旅行の日程が決まらない!!


どういうことかと言うと、

旅行って、通常は、皆の予定を擦り合わせて「〇日~〇日の間で!」と決まるものなのに、3人ともが「日程はいつでもOK・好きにずらすことも可能」なんですって♡ 

お天気以外に、日程を決める基準がないから、こんなにコロコロ変わるんだね。

あはは♡



超めーわくなんですけどぉ(笑)



……にしても、私は、夫が「天気に異様にこだわり過ぎている」ことがずっと気になっていました。

私としては、「準備があるんだから、さっさと日程を決めてくれ」という単純な気持ちもありましたが、前回の記事にも書いたように

「天気予報なんて日ごとに変わるんだから、気にしてたらキリないよ。それに、気にすればするほど、雨になる確率はあがる気がする」

前回の記事より

このように、夫に伝えてはいたのです。

天気をコントロールすることはできない。
だったら、とりあえず日程を決めちゃって、さいあく雨が降ったら降ったで、それでも楽しむ姿勢でのぞもうよ、逆にその方が、天候に恵まれるような気がするよと。

何の根拠もないけれど、それが、わたしの考えでした。



だが夫は、日に何度も天気予報とにらめっこし、ぶつぶつ言いながら、実家に電話を掛けたりしている。

こんな夫は、見たことがない。

夫よ、いつからあなたは気象予報士になったのだ。


確かに、お母さんは90歳。
夫は「おふくろは1万歩を歩けるくらい元気」と言いながらも、一方で「これが最後の東京観光になるかもしれない」などと言っている。

せっかく観光に来るのに、傘をさすことで視界を遮られ、下向いて歩くなんて。
せっかく上ったスカイツリーから白くぼやけた景色を見るなんて。

「そんなの来た意味ないだろう⁉」と夫が強く訴える。


……というか、夫自身がそうなることに耐えられないんだろう。


私が女(嫁)として「お母さんの来訪」を気にしているのだとしたら、夫は、男(息子)として「天気」を気にしているのだ。母への愛ゆえに。



しかし、ですね。



ここで驚愕の事実を発表しますと、



お母さんは、「そこまで東京に行きたい!」と切望しているわけではないーーー(笑)

わああああああーーー!!


どっちかと言うと、東京旅行を心から切望しているのは、夫の妹さん(50代独身で母親と同居中)なんである。
妹さんが、「親孝行をしたい」という思いから、この旅行計画ははじまっているのだ。

お母さん自身は、「親孝行をしたいと言うんなら、旅行なんて連れてってくれなくていいから、娘にもっと日々の炊事を手伝ってもらいたい」と望んでいるのである(笑)


娘の想いと、お母さんの想いとが、互いに愛し合っているのにすれ違っているという事実。
お二人は同居しているため、しょっちゅうケンカをするそうだ。

このもつれた愛憎を、2人それぞれからの「ボヤきの電話」によって、夫はそれぞれにたしなめ、フォローし続けているのだ。
夫は、今回の旅行計画に際しても、母と妹の、両方の想いを汲もうとし、あれこれと要望を叶えてあげようとしている。
その大前提が「よい天気」なのである。

おつかれ、夫。


そんなわけで、お母さん自身も、東京にそこまで行きたいわけでもないけれど、「娘が言うなら、行こうかな」そして

「どうせ行くんなら、息子たちの家を見てみたい」とおっしゃり、私の死刑執行までの日々がはじまったのである。


よぉく考えてみよう

〇「お母さんのためにと、旅行計画を立てる妹さん」
〇「娘の想いを汲んで、旅行に行こうとするお母さん」
〇「せっかく来るなら、良い天気で観光して欲しいと願う夫」
〇「お母さんの『家がみたい』に応えたい嫁(私)」

この旅行を、本質的に切望している人は、誰ひとり存在しないのではないか?


誰が、誰のために、何をして、何を実現させようとしているのか、もはやカオス。

でも家族の愛情って、こういう感じになりがちですよね(涙)

性別としての女や男だけでなく、役割としての、母や娘や息子や兄や妹、嫁の想いが、複雑に混ざり合う。

糸が絡み合いすぎて、ほどけない。


ただのシンプルな東京旅行が、ここまで難航を極める。


***


だが、そんな連日の「夫の気象予報士ごっこ」も、ついに終わりをむかえるときがきた。

「よし、この日で決まり!」


当初の、日程A案でも、日程B案でもない、新しいC案に決まり、
夫も、ホテルの予約も取り直し、実家とも連絡を取り合っている。
「やっと決まったぞ」とスッキリした様子である。

旅行の予定は、一週間後である。

毎日時間が流れているはずなのに、旅行の予定はずっと「一週間後」。「嫁として準備をするイヤな時間」が、一向に減っていかないというナゾの罰ゲームが続いているが、それはもういい(笑)


今度こそ。


今度こそ、これで決定したのだ!


掃除に買い物に、いよいよ本格的に準備をしなくちゃ!




……で、翌朝。

夫が、私に言った。



夫「旅行の日の予報が、台風直撃に変わった」




ぶっ!!!!

私は噴き出した。

この世はなんて、おもしろおかしくできているんだろう。


あんなに悩んで決めた日程に、ピンポイントで狙い定めるようにして、新たな台風が発生したらしい。
前日まで一切なかった台風勢力である。

そういうことが、「あるある」として、この世界には起こる。

もはや、怒りなど、微塵も湧かない。

力み過ぎて、何かを強く願えば、その願いが、どこまでも果てしなく遠のいてゆく……これを「宇宙の法則」と考える人もおられるだろうし、「たまたまの偶然」と考える人もおられるだろう。


とにかく、旅行の日程がまた白紙に戻った


私は、もう掃除をするのを、すっかりやめた。

台風が去ったらまた予定を立てるそうだが、一体いつになるのか、果たしてこの旅行が実現するのかも、わからない。

もはや、どうでもいい(笑)



期待やコントロールを手放し、「どうでもいい」の境地になれた人が、世界で最も最強なのである。

今このときだけ、私はブッダとなって、静かに目を閉じる。

おしまい


我が家のしょーもない旅行問題におつきあいいただいたみなさま、どうもありがとうございました。皆さまのご家族に幸あれ。


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