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Q.もしも自分のパートナーがウソをついていたとしたら?

メディアやSNSでは、時々「学歴詐称問題」が話題にのぼる。

学歴を詐称した人が、テレビでコメンテーターなどをやっていた場合には降板させられ、おそらく二度と起用されることはないのだろう。

こういう問題が話題にのぼったとき、夫と二人で「もしも~だったら」という仮定の話をすることがよくある。

Q.もしも夫が、私に学歴を偽って伝えていたとしたら?


A.
「(夫は美大を卒業しているのだが)、もしも美大卒だというのがウソで、『別の大学に行っていた』もしくは『高卒・中卒だった』と聞いたら、私はかなり不信感を抱くだろうねーー。なんでウソついたの??って」


はっきり言って、夫が高卒だろうと、中卒だろうと、なんだったら小卒だろうと、私はまったく構わない。

と言うか、もしも小卒だと聞けば「むしろ夫、スゲーじゃん!!」と好材料になるくらいの、鼻くそ程度の話である。

しかし、そのことを私や、周囲に偽って生きてきたのだとしたら、ガックリくる。


なんだよ、ダセーな。

偽らないと生きてこれなかったのかよ。チッ!

せめて私にだけは、言ってほしかったよ……


就職したいがために、履歴書にちょっと嘘を書くくらいなら別にいいけどさぁ。
(あ、よくないか(笑))


そんなことで、あなたへの価値や評価を、私が変えると思ったってこと?? よくも私のことを、見くびってくれたわね!!

……と、かなりブチ切れ、その不信から、私たちふたりの関係に亀裂が入ることは免れ得ないだろう。

だからおそらく、学歴詐称問題は、どこぞの大学を出たとか、出てないとかの、問題じゃないんだろう。


嘘をつき、何かの立場や職業を得たり、人からの評価や尊敬を集めようとしたり、虚勢を張ったり、権威にすがって生きるその姿勢、それらもろもろの人間性に不信を抱かれ、失うものが大きすぎるってことなんだろう。

学歴なんか、あろうとなかろうと、立派な人と、くだらない人が存在する。

これが真実で、みんなそのことを知っている。

でも人は、哀しいウソをつく生き物ですね。

実際に、その大学出身だから、その資格があるから、なんらかの権威を与えられるのが、この社会の実情でもある。
詐称することに「うま味」があるからこそ、人は偽るんだろう。

***

ところで私は、日本のお笑い芸人さんを尊敬してやまないが、お笑い芸人さん達の間では、「中卒です」とか「留年しました」「卒業できませんでした」などと言い合って、ワイワイやっている。

あらゆる人たちが混ざり合って、家柄だの、学歴だの、容姿だの関係なく、ただ一点「おもしろい人間かどうか」だけで、人と競い、人から判断される職業。

いいねぇ!って思う。



そこで繰り広げられる、学歴ディスも、容姿ディスも、今時はコンプライアンス的にできないのだろうが、それらを笑いに変えて、ディスられる方も「おいしい」思いをしている、その対等な関係性が気持ちが良い。

かつてはコンプレックスだったかもしれないことを、自ら突き破り、公の場で人に話し、皆で腹を抱えて笑っている。

その笑いは、その人へのリスペクトに他ならない。
最高にファンキーだと思うし、差別の余地さえない。

かっこいいなぁ

***

私もたいがい、小さなウソはつきながら生きてきたと思うが、「この場面では絶対に嘘はつかない」というプライドくらいは持とうと思っている。
人間性が損なわれるようなウソだけは、自分のためにも絶対につかないようにしているつもり。

「もしも」の話になるが、「私がかつて人を殺した」とか、「実は、過去に子供を3人ほど産んで、それぞれを別々の父親が育てている」とか、そういう重大な案件も、「言わずになかったこと」として、誰かとつきあうことはあまりにも不誠実というものだろう。
その内容というよりは、「隠していることの人間性」が疑われるような気がする。

みんな大なり小なり、すねに傷を抱えて生きているんだけどね。

でも、思う。

重大なウソを隠し続ける人生も、おそらく苦しいよね。

いつか誰かにバレるんじゃないか……なんて恐怖しながら生きるって、指名手配されているような感じですよね。


母が、子供のころ、いいことを教えてくれた。

「自分のことだけは、自分でごまかせないのよ」

自分に対してすがすがしく生きるために、できるだけウソはつかないで生きなさいよってことですかね。

ホント、そうですね。

……とは言え私は、ついていいウソは、適宜つきながら、生きていこうと思っているんだけどね。

母よ、半分だけ言うこと聞くわ。

ごめんね(笑)


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