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サンタさんを、信じてみたかった

子供のころ、我が家には、
サンタさんが存在しなかった。


……などと書くと、やや悲愴な感じがするかもしれないが、そうではない。

子供時代の写真をみると、部屋には小ぶりなクリスマスツリーが飾られていて、脇の食卓テーブルでは、ほっぺにクリームをつけた私が、ショートケーキを夢中で頬張っている。

どうやらクリスマスは存在したようだ!


……だが「サンタさん」がいなかった。


いったい子供というのは、いつの段階で、この世界には「サンタさんってのが、いるんだよ」っていうウソを教えてもらうんだっけ??

あのヒゲのサンタクロースの存在や、そりに乗ってやってきて、煙突なんてないのに、とにかく家の中に入ってきて、プレゼントを届けてくれる……という、あの知識は、少女のわたしにもあった。

絵本ででも知ったのだろうか?
私の中では、最初からそれを「ファンタジー」として受け取っており「自分のところにプレゼントを運んでくれる」と結びつけることはなかった。


どうして、私の両親は、「サンタさん宛てに手紙を書いておくと、そりに乗って、プレゼントを届けてくれるよ」って、私に教えなかったのかなぁ……?


え、まさか、面倒くさかったの?(笑)


サンタさんが存在しないため、
25日の朝起きて、枕元やツリーにプレゼントが置かれ、

「わぁーーー!!」


と狂喜乱舞する
……なんていうステキな体験を、わたしは一度たりとも味わったことがないのだ。しくしく

***


小学生になった頃、クラスメイトが「サンタがいる、いない論争」を巻き起こしていた。

クラスメイトのひとりが、

「サンタを信じてるなんて、子供っぽいなー。プレゼントは、親が買ってきてるんだよ!!」


などと、訳知り顔で言った。

わたしは、

いや、そういう次元の話じゃないんですけど。


……との想いを言語化できないまま、モヤっていた。

サンタからだろうが、親からだろうが、どっちにしろ、プレゼントをもらっているんだから、いいじゃないか!! 
わたしはどちらからも、何ももらっていないんだぞっ!!


中にはツワモノがいて、「サンタさんからもらうプレゼント」と「親からもらうプレゼント」を分けて2通の手紙を書くと言う。

ふたつ もらう作戦!?
本当は「サンタさん=親」って知ってるクセに、んまぁーーなんてズルい子っ!


私のもやもやは、一層ふくれあがった(笑)

***


一方の、夫の実家は、ちゃんとサンタさんがいたタイプである。

夫の家庭では、サンタさんに手紙を書くという習慣はなかったらしいが、お母さんから「今年はサンタさんに何をお願いしたの?」などと、心に秘めた欲しくてたまらないモノを、うまいこと聞き出されていたらしい(笑) 

お母さん……ステキね。


少年の夫は、25日の朝、起きると枕元に、プラモデルやおもちゃの大きな箱が置かれていて、それはそれは大興奮したという。
前日の夜、ワクワクしながら眠って、朝起きて、本当に欲しかったモノが置いてある、その嬉しさよ。

くぅーーー!!

……味わったこともないのに、想像するだけで身悶えするぜ(笑)


わたしはYouTubeなどで
クリスマスの朝、子供がプレゼントもらう姿を撮影している動画が、大好物なのだ(笑) 
「よかったねぇ」と泣きそうになる(笑)

少年の夫も、きっと、大急ぎで包装紙を破って、大きな箱を開けて、おもちゃで遊んだんだろうねぇ……ああ、想像するだにこの世で最も幸福なシーンである。

***

だが、夫のように、サンタさんを信じていた人は、その幻想が打ち破られるときが必ずくるのだ。

それは、夫が小学3年生あたりだったか、
夫の妹さんが「二段ベッドが欲しい」とサンタさんに頼んだ年があったのだそうだ。

二段ベッドて(笑)

妹さんも、すげー大きいもん、欲しがっちゃったよね(笑)

ご両親も、困ったと思うよ(笑)


案の定、25日の朝、二段ベッドは、枕元に置かれていなかった!!
なぜなら、置けないから!!(笑)


しかし午後になって、近所の知っているお店の店員のお兄さんが、ベッドを運んできて、外装のビニールを破いて、組み立て始めたというのである。

夫は、首を傾げた。

あれ……なぜ、お店のお兄さんが?
サンタさんじゃない……の?


もくもくとベッドを組み立てるお兄さん。


なんて、シュールな映像なの(笑)


こうして、夫のサンタさん幻想は、この年に終わったのだった。

でも、家族4人で二間でくらす狭い家で、
ベッドを置くスペースなんてなかったというのに、
叶えてあげたご両親の心意気にほれぼれします。

***


どうしてわたしの実家には、サンタがいなかったのかはよくわからないが、うちの実家は、恐ろしいほどにリアリストというか、ほとんどのイベントごとをスルーする家なのです(笑)

とくに「やらない」とこだわっているわけじゃなく、儀式のようなモノに興味を示さないタイプの両親で、「サプライズ的な要素」が皆無の家だったのですよね。


当然、夫婦ふたりの間でも、誕生日や結婚記念日を祝うなど、贈り物を贈り合ったりする習慣が一切ない。

たまたまカレンダーをみて
「あら今日は結婚記念日だったわねーー、もう何年になる?」などと言葉を交わし合って、それで終わりである。

普通は、豪華ディナーとかさ、なんか贈り合うとかさぁ、そういうの、たまにはするんじゃないの?? 
すいーとてんだいやもんど とかさあ。

そんなわけで、私も儀式にめっぽう興味のない大人になったが、ここ数年は、親の誕生日などに「ステーキ肉」や「すき焼き肉」などを贈ってみたりしている。
高齢者は、肉を食って、長生きせよ……というありきたりな理由である。

贈りモノは、贈った方が嬉しい。
サンタさんとなった世界の親御さんたちは、きっと自然とそれを知っている人たちなのだと思う。

みなさんのクリスマス、どんな思い出がありますか。
うれしい思い出、切ない思い出も、ぜひ教えてください。
大好物なんで(笑)

少し早いですが、メリークリスマス!

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