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ビブリオバトルで知る、好きの愛おしさ


こんにちは、はにかむです。


 先日大学の講義で、ビブリオバトルをする機会がありました。

ビブリオバトル、ご存知でしょうか。周りの友人に知っているか聞いたところ、知っている人と知らない人、それぞれ半々といった印象でした。


「ビブリオ」は書物などを意味するラテン語由来の言葉。
「ビブリオバトル」とは、京都大学大学院情報学研究科の谷口忠大教授が考案した、ゲーム感覚を取り入れた新しいスタイルの「書評合戦」です。
発表参加者(バトラー)たちがおすすめ本を持ち合い、1人5分の持ち時間で書評した後、バトラーと観客が一番読みたくなった本、「チャンプ本」を決定します。


「知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト」
「https://www.bibliobattle.jp/ 」より引用


上記の公式サイトの説明にある通り、参加者が自分のおすすめの本を持ち合い、紹介してバトルするというゲームです。

私は発表者としても、聴講者としても参加しましたが、これがとにかく難しいんです。

まず発表する本選びが第一関門です。

発表しやすい、かつ万人受けしやすい本を選ぶべきですが、どうせだったら自分の好きな本を紹介したいと思い、森絵都さんの『宇宙のみなしご』を紹介しました。

中学生の頃から大好きな本のひとつです。

ちなみに、高校生の時にも授業でビブリオバトルをやった事がありますが、万人受けのしやすさというのを、私はまだよく理解していなかったんでしょうね。

森見登美彦さんの『宵山万華鏡』を紹介しました。

確かに、今も昔も変わらず好きな本ではありますが、まず万人受けはしませんし説明の難しさが段違いです…。あの本の魅力を分かりやすく言語化するのは私の乏しい語彙力では不可能です。

話は戻りまして、続く第二関門。

話す内容を組むことです。

ここがとにかく困りました。自分の好きな本だからこそ、全て伝えたいと思ってしまいます。

けれど紹介に使える時間は5分のみ。あらすじを話すにしても、かなり内容を削らなければいけません。
それに加えて、話しすぎてしまうことも、聞き手の興味を削ぐことに繋がってしまいます。

私はとにかく文字の量で伝えたい、と考えてしまうタイプなので五分以内に収めることに苦戦しました。

自分の好きという熱量を簡潔に伝える難しさが身に染みて分かりました…。



同じく、他のバトルを拝聴する中で、発表者の方のその本への想いがひしひしと感じられました。

この本を読んでから、確実に自分の中の何かが変わった。自分の生きる糧となった。進路を決めるきっかけになった。などなど。

持ち主の愛を一身に受けた本たちは、キラキラと輝いて見えるんです。

きっと普段であれば書店や図書館では手に取らないであろう本であっても、誰かの好きを感じてしまうと不思議と興味が湧いてきます。

この人を動かすほどの力を持った本がどんなものなのか。この人がここまで嬉しそうに語る内容はどんなものなのか。気になって仕方がない。

好きなものを語る人の表情はこんなに愛おしいものなのか、とふわふわした気持ちになりました。

そして、ビブリオバトルの良いところは、自分の好きを押し付けすぎないで済むことです。人は、自分の好きを伝える時にはどうしても熱量が爆発してしまうものですから。私が爆発させたこともありますし、爆発している友人からとてつもない熱量を浴びせられたこともあります。

時間制限もあり、評価されるという状況もあるビブリオバトルは、熱量を調整するのに適した条件が整っています。

ビブリオバトル、全国大会も行われています。YouTubeでも公開されているので、興味があれば、是非見て頂きたいです。

誰かの好き、愛おしさを感じられる動画だと思います。




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