[詩]雨に染められて。
◯雨に染められて
贖罪の旅に出る。
抱えきれない罪悪感。
零さぬように一生懸命に。
荒涼とした大地を踏みしめる。
終点もわからぬまま。
間違いは正せずに。
時は戻らない。
非可塑性の暴力に絶望する。
永遠と足跡のみが続いてゆく。
空気が湿り、雲が出る。
贖罪の旅は孤独。
伽藍とした風景が。
永遠に目を掠める。
だけども、足は止めず。
死者と対話し続ける。
天にいる貴方よ。
答えをくれぬ貴方よ。
その沈黙が心を突き刺す。
ひたすらに天と交信し。
頬に一つ、雫が落ちる。
贖罪の終点は雨。
溢れ降るる長雨が。
罪悪感を溶かし。
全てを洗い流してゆく。
記憶も、罪も、悲しみも。
それは慈悲かもしれない。
慈悲がいつか思い出を作り。
思い出の貴方はいつも笑っている。
貴方の息遣いに染められて。
旅は終わるのだ。
◯ps
自分を許すのって難しいですよね。個人的には、他人の方が許しやすいなと、いつも思ってます。