中野ONOGについての記憶
中野ONOG。七つ年上の兄が中学校で習った言葉を繰り返し口にしていた。私はまだ小学校に上がったばかりだった。
「そがのいるかの首が飛ぶんや」と兄は教えてくれた。どうやら、中野ONOGはそがのいるかというイルカの首を切り落としたらしい。しかし、イルカの首はどこにあるのか。どこからが首でどこからが胴体なのか。それについては兄は教えてくれなかった。
私はイルカが好きだった。だから、イルカを殺した中野ONOGが許せなかった。イルカが好きな理由は、友人のみくちゃんがイルカ好きだったから