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中国グルメ探訪!〜火鍋・小籠包・粥の魅力〜

中国での生活の中で出会った、忘れられない絶品グルメを紹介する。火鍋、小籠包、そして粥。それぞれに奥深い魅力があり、日本の食文化とはまた違った味わいを楽しむことができた。

中国の外食文化といえば火鍋!

中国で大人気の外食といえば、なんといっても火鍋。街を歩けば至るところに火鍋店があり、夏であろうと関係なく、夜には多くの人で賑わっている。日本では鍋料理といえば冬のイメージが強く、暑い季節にはあまり食べないが、中国では一年中火鍋を楽しむ文化が根付いている。

火鍋とは?

最近では、日本にも「海底撈(ハイディラオ)」をはじめとする中国の火鍋チェーンが進出し、知名度が上がってきた。火鍋は、日本のしゃぶしゃぶに似たスタイルの鍋料理だが、その特徴は何といってもスープの強烈な辛さにある。牛脂をベースに唐辛子(辣椒)や山椒(花椒)をたっぷり使った麻辣スープが主流で、口に入れると舌が痺れるような刺激が襲ってくる。

ただし、辛さが苦手な人向けに「白湯(パイタン)」と呼ばれる塩味ベースのスープもあり、辛いスープと白湯スープの両方を楽しめる「鴛鴦鍋(えんおうなべ)」という仕切り付きの鍋も人気だ。私自身は、基本的に白湯派。野菜を麻辣スープに入れると、辛すぎて食べられたものではない。

鴛鴦鍋

火鍋の食材

火鍋ではさまざまな食材をスープに入れて楽しむ。私がよく注文していたのは、牛肉の薄切り、白菜、ジャガイモ、キノコ類、えびのすり身、うずらの卵など、比較的オーソドックスなもの。

しかし、中国人の友人と行くと、牛の胃袋、センマイ、鴨の水かき、鴨の血といった日本ではあまり馴染みのない食材が登場することも。さらに、豚の脳みそが出てきたときはさすがに言葉を失った。

また、火鍋ではスープで煮た食材を自分好みのタレにつけて食べる。私は醤油ベースにみじん切りのネギ、XO醤、沙茶醤を加えたものがお気に入りだった。

火鍋の本場

火鍋の発祥地として有名なのは四川省の成都や重慶。私も旅行中に本場の火鍋を体験したが、その辛さは想像を超えていた。

山椒と唐辛子の刺激が強烈すぎて、翌日には一緒にいた中国人の同僚が胃腸を壊し、部屋から出られなくなるほど。私自身も、上海で麻辣料理を食べた際に二日間苦しんだ経験がある。

進化する火鍋文化

私が住んでいた街にも「海底撈」があり、この店は中国では珍しく、接客サービスが徹底されていることで有名。店員は常に笑顔で迎えてくれ、タッチパネルでスムーズに注文できる清潔な店舗だった。
中国の一般的な飲食店のスタッフは愛想がないことが多いので、海底撈のホスピタリティの高さには驚かされた。

海底撈の火鍋

一方、私がよく通ったローカルな火鍋店は、紙に鉛筆で注文を書き込み、ビールなどの飲み物は冷蔵庫から自分で取り出すという、素朴ながらも居心地の良いスタイルだった。こうしたローカル色の強いお店も、火鍋文化の魅力のひとつだ。

火鍋は単なる食事ではなく、仲間と囲んで楽しむコミュニケーションの場でもある。日本とはまた違った食文化を体験できるので、中国に行く機会があれば、ぜひ本場の火鍋を試してみてほしい。

世界一の小籠包専門店を発見!

私は小籠包が大好きで、三食食べても飽きないほど。台湾発祥の名店「鼎泰豊(ディンタイフォン)」は台北をはじめ、上海や香港、シンガポールの店にも足を運び、台湾旅行では夕食のすべてを小籠包専門店で楽しんだほどだ。
京鼎樓(ジンディンロウ)、點水樓(ディンスイロウ)などの名店はもちろん、地元のローカルな店まで食べ歩いた。

中国では小籠包は主に朝食として食べられる。
有名店は、一日中開いているが、ローカルな店は早朝から昼くらいまでが営業時間。

ある日、中国人の知人から「絶品の小籠包がある」と聞き、土曜の朝にその店を訪れた。市街から離れた郊外にあり、店の前には長蛇の列。一般には知られてないが、知る人ぞ知る名店だった。

メニューはシンプルで小籠包、豆腐湯、饅頭(豚まん)のみ。小籠包は10個入りのセイロで提供され、皮が極薄で汁たっぷり。

一口噛めば、浸した黒酢の風味とともに濃厚な肉汁が口いっぱいに広がり、至福の瞬間を味わえる。臭みは全くなく、深いコクがありながらしつこくない。この小籠包と、あっさりした豆腐湯の組み合わせは絶妙だった。

世界一の小籠包


饅頭(肉まん)も驚くほど大きく、ぎっしり詰まった肉餡がジューシーで、こちらも絶品。

これまで数えきれないほど小籠包を食べてきたが、ここは間違いなく世界一の味。店の情報を公開したくなるが、あえて伏せておく。

感動のあまり、店の大将に「日本で店を開かないか」と打診したが、彼は「今の店だけで十分。手を広げたくない」と即答。残念ながら、日本でこの味を再現するのは難しそうだ。

どうしてこんなに美味しいのか?
中国の料理人とこの店の味を研究した結果、おいしさの秘訣は素材のこだわりにあった。高品質の豚ひき肉、豚皮から作った自家製ゼラチン、丁寧に取った鶏ガラスープを使い、皮は強力粉と薄力粉を絶妙に配合する。市販の材料ではなく、すべて手作りすることが重要なのだ。

この小籠包に出会えたことは、私の食の冒険の中でも特別な経験だった。日本の小籠包好きにも、いつかこの味を味わってもらいたい。

中国の定番朝食 〜粥の魅力〜

中国人の朝食の定番といえば「粥」。同僚に聞くと、多くの人が朝食に粥を食べているという。日本では「お粥=病気の時に食べるもの」というイメージがあるが、中国では日常的な朝食の一つだ。

日本のお粥は米と水のみで炊くが、中国の粥はスープの旨みをしっかりと米に染み込ませているため、あっさりしながらも深い味わいがある。そんな中、私が好きだった日本人好みの絶品粥専門店が「荔粥记(ライジョウジー)」。広東風の粥を提供する店で、休日の昼食や夕食によく利用していた。

海老と貝柱の粥

特にお気に入りは、海老と干し貝柱の旨味が凝縮された「虾干贝粥」。土鍋で提供され、パクチーや特製タレを加えて食べる。私はパクチーが苦手なので入れなかったが、それでも出汁が効いた上品な味わいだった。

さらに、干し魚と野菜の炒め物「豆鼓鳞鱼油麦菜」も絶品で、毎回セットで注文していた。この店には何度も日本からの出張者を連れて行ったが、皆「美味しい!」と感激してくれた。特に、胃腸が疲れている時にぴったりの料理だ。

豆鼓鳞鱼油麦菜

また、中国のデリバリーサービス(外卖)も非常に便利で、この店もデリバリー対応していた。手数料が安く、割引も多いため、多くの中国人が利用していた。

主要アプリ「美団(Meituan)」や「饿了吗(Elema)」で注文すると、地図上で配達の進捗がリアルタイムで確認でき、注文から10分程度で届くこともある。日本に帰国後、同様のサービスを利用したが、手数料の高さに驚かされた。

中国で出会った絶品グルメの数々。火鍋、小籠包、粥、それぞれに個性的な魅力があり、日本とは違った食文化を楽しむことができた。これからも、まだまだ奥深い中国の食文化を紹介していきたい。




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