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【読書記録】猛毒のプリズン 天久鷹央の事件カルテ



猛毒のプリズン 天久鷹央の事件カルテ【あらすじ】

長野県の山奥に聳え立つ洋館・九頭龍邸に招かれた統括診断部の3人。
邸で計算機工学の天才・九頭龍零心朗の妻から、“ある依頼”をされた天久鷹央。
捜査を開始してまもなく、とある“殺人”が起こる。
連鎖する事件と浮かび上がる容疑者たち……。
最後に猜疑がかかったのはまさかの……?

天久鷹央シリーズとの出会い

天久鷹央シリーズと出会ったのは学生時代。
まだ、1巻が発売されて間がなかった気がする。
学校帰りに、いつもの癖で寄った駅中の本屋さんで、平積みされていた1巻が目に入り手に取った。

最初はじめて見る作家さんの名前だったが、あらすじを読み、これは私好みかもと思い購入。

帰りの電車に揺られていた20分間で、第一章である『泡』を読み切り、これは面白い! 買って正解! と続編が出たら購入することに決定。

元々、医療ドラマと推理モノが好きな私にとって、カッパや吸血鬼など、不思議な現象を医学の知識を使って解明していく、この話が当たりじゃない訳なく……。

この約10年、新刊が出るのを毎年楽しみにしている。

特にお気に入りなのは、短編集(推理カルテ)だと、オーダーメイドの毒薬
唯一、自分が持っている知識で謎が解けたということもありお気に入り。

長編(事件カルテ)だと火焔の凶器蘇る殺人者
火焔の凶器はタイトルがかっこよくて、クライマックスの鷹央先生と小鳥先生のやり取りが、お互いの絆の強さを感じられてお気に入り。

蘇る殺人者は、使われているトリックがこれぞ医療ミステリー! という、仕掛で楽しめた。
後にも先にも、この仕掛けを使ったサスペンスを少なくとも私は知らない(ドラマでは登場したかな)。

鷹央先生の魅力

シリーズの魅力はなんと言っても主人公の鷹央先生のキャラクター。

事情はあれど歯に衣着せぬ物言い(口が悪いとも言う)で、あらゆる謎を鮮やかに解いていく。
その知識は、医学だけにはとどまらず、化学や生物学はたまたミイラの作り方(!)まで幅広い。

鷹央先生の、
“あらゆる可能性を検証して、残ったものが真実となる。どれほど残酷でも”
という、信条がなんともカッコイイ。

とある事情で、頭脳明晰で他者とのコミュニケーションや場の空気を読むことは苦手だが、本来は誰よりも医療というものに真っ直ぐで……。
一見、天才で弱点とか無いように見えるが、実は脆い部分もあったり……。

鷹央先生の新たな一面を知れば知るほど、言動が可愛く見えてくる。

毎回、こんなお医者さん居たらいいのに…と思いながら読んでいる。

願うのならば、鷹央先生を手懐けたい(笑)
好物のカレーライスと、甘いものを一緒に食べながら、雑学聞いてみたい。きっと、ひとつの質問に対して、100個ぐらい回答が返ってきそう……。

感想

ネタバレ含むので注意!

読み始めて直ぐに、鷹央先生の“元カノ”が登場して、小鳥先生じゃ無いけどあんぐりしてしまった。
元カノさん確かに真鶴さんに似てる……。
確かにそんなような事、以前読んだ覚えはあるけど、まさか登場するとは……。

大元の犯人はすぐわかったので、残りは事件を起こす方法と、前半の事件の犯人探しに注目。
医学知識の無い私は、ひたすら読みながら鷹央先生が推理してくれるのを持つのみ。

大元の犯人は予想通りだったけど、動機は単なる痴情のもつれとかではなく、自分の大切な人の隣に立ちたかったから、もっと言えば大切な人を自分の所有物にするため……。

愛もここまで行くと重い通り越して、執着や異常さ…いや恐怖さえも感じた。
正直言って、勘弁して欲しい……。
適度に誰かに好かれる方がいいな。

タイトルも犯人の動機を知るとゾッとする。

本編にあまり関係ないけど、九頭龍家のあの莫大な遺産はどうなったのか気になる(笑)
どこかに寄付とかするんだろうか……。

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