全てが雑、それこそがホラー。謎のサメ映画「シャーケンシュタイン」レビュー
もうあらすじだけで具合が悪いわけですが、ちゃんと最後まで見ました。
①雑すぎるCG
お話はまず第二次世界大戦中のナチスドイツが何やら怪しい研究をしているところから始まります。過去話だからか画面はモノクロ。月夜の海(たぶん)面にUボートが 水しぶきと共に姿を現します。不気味です。なにが不気味って海の背景にシールで貼り付けたみたいなUボートと、およそ船体から吹き上がるとは思えない謎の水エフェクト、おまえのことだよ。冒頭からすでに挫かれる緊張感。
ナチスは兵器としてのフランケンシュタイン研究を進めていましたが、実用化する前に敗北。計画はは永久に闇に葬られた……はずでしたが、その技術を用いて世界征服を企む人間がなんと現代アメリカに存在。彼はサメとフランケンシュタインを合体させた「シャーケンシュタイン」を生み出すことに成功します。
シャーケンシュタインはビーチに忍び込み、人知れず人間を襲い始めます。この襲う描写がまた雑で……これはもう実際の映像(実際の映像?)を見るのが一番手っ取り早く理解頂けるんですが、なんかサメの一枚絵が人間の前に突然現れ、咀嚼音とともに突然消える。おわり。何が起きているのかまったくわからねえ……。
サメのビジュアルもまたなんとも言えず、フランケンシュタインらしく継ぎはぎされているのですがなんか裁縫初心者が作ったぬいぐるみ感がすごく、特に見た目は怖くないです。これはもうZ級サメ映画あるあるなのかな。かわいいです。よく言えば……
他にもCGはたくさん使われており、嵐になりそうな曇天(CG)から視線を戻すと快晴とか、ダイナマイトを仕掛けた建物が炎に包まれているのに建物は全然燃えていないとか、CGそのものだけでなく使い方も雑すぎて見ていて具合が悪くなります。
②急に繰り出されるフランケンシュタイン愛
後半はバカンスでこのデンジャラス海岸を訪れた女の子マッジと湾岸警備隊(?)のおじさんが打倒サメに奔走するんですが、話の流れで実はマッジはフランケンシュタイン映画の大変なマニアであることが判明します。フランケン映画のタイトルを延々繰り出すマッジ。急なオタクトークやめろ。
おじさんも「ハマー・プロは?」とマッジに尋ねたりと微妙に知識があり、とにかくフランケンシュタインに対して愛がある映画であることは間違いありません。
③とにかく全てが雑
コレはもうツッコミだしたらキリがないんですけど、海から上がった次の瞬間服が完全に乾いてるとか、どう考えても海底に足がつくロケーションじゃないだろうと思われるところで立ち上がるとか、州の弾薬庫として使われていた廃屋にまだダイナマイトが残っているとか(危なすぎ)、後半二十分くらいで急に登場人物(モブ)が十人くらい増えるとか、意味不明なタイミングで挟まれる意味不明なBGMとか、なんかもうどうでもよくなってきたな。
そんな感じです。いやー元気出るな!(げっそり)