三重県多気町のVISONが凄い
日本の現在地
近年、世界の産業構造が大きく変わり、日本が世界の先頭集団からどんどん遅れをとってきていることは周知のとおりだ。
それは、インターネットや自動車業界だけではなく、気候変動対策のためのカーボンニュートラル・生物多様性等の自然保護という観点から、気候変動パフォーマスインデックス2022にて日本の順位は60カ国中「第45位」という結果となり、産業でも自然保護においても、世界をリードできる立場にはなっていない。
賛否両論はあろうが、SDGsの流れから化石燃料削減、プラスチック削減、バイオ燃料、DX化は加速していくだろう。
そして、現在カーボンニュートラルに関連するあらゆるテクノロジーは海外の方が一歩リードしており、特にスタートアップレベルでは欧州勢から世界が注目するようなテクノロジーが開発されてきている。
日本の強みとは
では、日本はどこで勝てるのか。
日本は、すでに国家として2000年の歴史をもつ。
さらに、日本には、100年以上また200年以上続く老舗と言われるが世界で最も多く存在しているのだ。(周年事業ラボより)
長く継続させることが得意な日本がSDGsが叫ばれているこの時代に、世界をリードできていないのは、自分たちの強みを上手く打ち出せていないからではないのだろうか。
VISONのココが凄い
実はVISONは私の上記の疑問や今後の日本に対する不安を一気に一掃するほどのインパクトだった。その一例をあげる。
コンクリートをできるだけ使わない。伊勢神宮の式年遷宮にならい、20年に1回建て替えることを前提に建てられた木造主体のモール。
現代的なデザインによる老舗のクールな見せ方
もとから生息していた薬草を再生させる農場(ロート製薬出資)が隣接されていて、それがホテルのお風呂に活用される。
すべてのデザインが長く使えることを前提としたシンプルなもの
子供と木を通して、自然環境を学べ、遊べる木育エリアがある(住友林業出資)。
陳列している商品、参加している企業、建築家すべて三重県や近隣エリアに馴染みのある方々。
汎用品は一切おいていない。(自販機もない)
最先端テクノロジーも採用されている(シームレスパーキング)
ゴミはバイオ燃料に転換される
VISONのHPの冒頭にこのような記載がある。
「VISONは、自然と共に生き・生かされていく、
美しい循環をめざす場所。
お客さまをお迎えするスタッフもまた、
この地に生き・生かされていきます。
訪れる人にとって最高の体験をお手伝いしながら、
しあわせな未来とは何か、考える場をつくってまいります。」
言うは易し、行うは難し。
しあわせな日本の未来。そんなものを表現できる場があるとは到底思えなかった。しかし、ここはすべて日本企業による伝統の再興とテクノロジーの融合の場なのだ。
拙文につき、すべてを表現しきれないことは不本意だが、実際に行ってみると筆舌に尽くしがたい感動を覚えることになると思う。
是非、多くの方。特にSDGsに翻弄されている企業人に行って考えてもらいたい。本当に日本が進むべきSDGsとは何かについて。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?