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カツ丼好きは無視できない。ステレオタイプの大阪が集う街、今里にある「お食事処 美登里」に”矜持”を感じた。
どうもどうもカワブチです。
先日なんとなくInstagramを眺めていたら、グルメ情報を発信されているアカウントから美味しそうなカツ丼を出すお店の情報が飛び込んできまして、日々美味しいカツ丼情報をかき集めている者としては無視できないということで昼食に伺うことにしました。
そのお店というのが、今里商店街にある「お食事処 美登里」さん。
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外観は趣と歴史が感じられる佇まいで、長きにわたり地元で愛されている雰囲気がそこはかとなく漂っています。
早速行ってみようと、お店の場所をGoogleマップで調べてみると、自宅から自転車で約35分。地下鉄で行っても約35分と、時間に相違はありません。
「所用時間が同じなら、地下鉄はお金がかかるし、運動にもなるから自転車で行こう」と倹約家の名に恥じぬ決断のもと、勇ましく自転車で向かいました。
とはいえ、日中は30度を超える暑さ。自転車を漕ぐ身体から汗が止まりません。
しかし、汗をかけばかくほど、カロリーを消費すれば消費するほどに、これから食べるカツ丼の美味さは指数関数的に上昇するはずです。
すべてはカツ丼を美味しく食べるため。
その想いだけを胸に抱き、一心不乱にペダルを漕いでいました。
しかし、強すぎる想いというのは時に残酷な現実を突きつけるものです。まるで、想いが強すぎるが故に成就しない恋愛のように。
道中にある大阪を代表する広大な敷地が自慢の大阪城公園を颯爽と自転車で駆け抜けながら、「目的地までおよそ3分の1。よし、もう少しだ!」と段差に乗り上げたその刹那、無惨にもその想いは断ち切られました。
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5年近く乗り続けているのに全くメンテナンスをしてこなかった愛車のチェーンが外れるというまさかの事態。
公園内ですから、当然の如くまわりに自転車屋などありません。
降り注ぐ太陽の下、もはや無用の長物と化した自転車を見つめて途方に暮れる僕。
ムカついたので、いっそのこと乗り捨てていこうかなという想いもよぎりましたが、明日からの生活に欠かせない相棒を無闇に捨てるわけにはいかないと考え直し、Googleマップで最寄りの自転車屋を検索します。
すると、近隣に複数の店舗がヒット。
「これで助かった、、、」
そう思ったのも束の間、追い討ちをかけるかのように、どの店の口コミを見ても評判が最悪に近く、「修理代金をぼったくられた」などの悪評が並びます。
修理費用をぼったくられてしまったらカツ丼を食べるお金がなくなり、それでは地下鉄代をケチった意味がまったくありません。本末転倒です。
仕方なく徒歩で15分近くかかる場所に見つけた全国チェーンのお店へ自転車を押しながら向かいます。他の店よりも多少遠いものの、目的地方面にそのお店があったのはまさに不幸中の幸い。
汗だくになりながらお店に到着後、応急処置的にチェーンをはめてもらいました。外れたチェーンをはめ直しただけだったので、無料で対応してくれました。ありがてぇ。全国チェーン店最高。
ただし、チェーン自体がゆるんでるのでいつ外れてもおかしくないですよと忠告されました。
「いつ外れてもおかしくないチェーン」というスリル満点の愛車に再度またがり、持ち前のドライビングスキルであからさまな段差を避けながら、目的地へ向かいます。
チェーンが外れた時は地下鉄を選ばなかったことを後悔していましたが、お目当ての「お食事処 美登里」さんがある今里エリアに入るやいなや、店先に段ボールを敷いて昼寝する八百屋のオヤジ、パーマキャップを被ったまま美容院の外で喫煙する兄ちゃんなど、大阪のステレオタイプと呼べるような人たちに遭遇できたので、やはり自転車を選んだことは間違っていませんでしたよ。
そんな感傷に浸りながら、無事到着。
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店先には一部メニューのサンプルが価格とともに陳列されています。
そういえば、価格を調べることなく馳せ参じてしまったなと考えながらカツ丼のサンプルを見てみると、650円とあるじゃないですか。
物価高だなんだと言われているこのご時世にカツ丼650円は破格です。
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逆に大丈夫かなと多少不安になりながらも、いざ入店。13時前でしたが、お客さんは5人ほどでした。
みなさん丼をかき込んでいます。やはり丼メニューが人気のようですね。
他にもメニューがずらりとありますが、どれもこれも安い。ほんとに令和5年かよと思いたくなるような価格帯。
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店内も古き良き食堂という感じ。
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昭和にタイムスリップした感覚になりながら着座しましたが、どうやら入店したことに気づいてもらえていない模様。
店の奥で作業されていた、女将さんに目当てのカツ丼を注文します。
女将さんは優しそうなおばあちゃんで、おひとりで切り盛りされているようです。そのため、お茶とお漬物(たくあん)はセルフサービス。
「冷蔵庫からお茶持って行ってね〜」
「お漬物も食べてね〜」
と声をかけてくれます。こういう気取らない感じがまたいい。
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僕よりあとに入店してきた2人の男性も、それぞれ親子丼、カツ丼をオーダーしていました。やはり丼メニューの人気は本物です。
数分後、「お待たせ〜」と女将さんが運んでくれました。
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待ちに待ったカツ丼は、これ以上ない見た目。
SNS映えを意識しているかのように、カツ丼の頂(いただき)には黄金に輝きし黄身が鎮座しています。
このスタイルのカツ丼になったのがいつかは存じませんが、おそらくSNSが流行る前であることは間違いないでしょう。
映えも追求する女将さんの先見の明には感服せざるを得ません。
そして、価格が安いからといって、とんかつが薄いわけでもなく、しっかり分厚く切られています。
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どこか懐かしい、王道のカツ丼の味わい。美味しかったです。また食べたくなりそうな感じですね。
途中で黄身を溶かせば、また違った味わいを楽しめるのも良い。
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ご飯の量もボリュームたっぷりで、他店なら大盛りレベルではないでしょうか。
ランチにここのカツ丼を食べたら糖質をガッツリ補給できるので、数時間後に強烈な眠気に襲われることは言うまでもありません。眠くなるまでがセットと言っても過言ではないでしょう。
眠くなることが分かっていてもつい食べ切ってしまう、お食事処 美登里のカツ丼。ごちそうさまでした。
食べ終わって会計している時に気になったので、女将さんに「このお店は何年やってるんですか?」と聞いてみたんですよ。
すると具体的な年数は答えてもらえず、返ってきたのは「ここはね、、長いよ」のみ。
なんかすごく重みのある一言でした。
世間には聞いてもいないのに年齢を言いたがるご高齢の方も多くいますが、女将さんの無闇に年数を言わない姿勢から長年やっている矜持みたいなものを感じました。
大阪のステレオタイプが集まる街「今里」にあるお食事処 美登里 。そこで食べるカツ丼からは味と値段以外にも魅力が感じられると思います。
ほなまた。
お食事処 美登里
大阪府大阪市東成区大今里2-34-24
※決済は現金のみ