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実戦・日本IBMの経営理念・新聞記事に注目して、ES・面接対策を作成する②

こんにちは、就活モチスキゼミコーチの山内康義(やまうち やすよし)です。本日の新聞クリッピングを解説します。

【本日の新聞から:私たちは「歴史の転換点」にいることを自覚しよう】

防衛費の増額の財源の確保、さらには、23日夕刊、24日朝刊のトップ記事で取り上げた少子化対策の財源の確保について、
どうすべきか。
納得のいく国会での議論が望まれます。
いま、日本は、岸田文雄首相が「歴史の転換点」にいるとして、
その中で「先送りできない課題に正面から愚直に向き合い、一つ一つ答えを出していく」と23日の施政方針演説で述べました。
後世でかえりみた時に2023年は「歴史の転換点」になるかもしれませんね。

●新コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻の影響からエネルギー、食料の供給が不安定になり物価が急激に上がりました。
 また、半導体不足は、ものづくり企業の生産に大きな影響を与えて、売り上げ不振につながります。
 さらに、23日には、電力料金の申請がありました。
 さらに3割値上がりするなど、物価高問題で、政府の補助がどこまで対応できるのか、頭が痛いところです。

●グローバル経済のひずみによって、米中の動向も含めて金利、為替など金融政策のかじ取りも重要です。
 今年3月の日本銀行の黒田総裁の後任人事が注目されます。

●年間出生数が80万人を割ってしまい、将来の労働力、国内消費力が落ちてしまう危機的状況で、少子化対策は待ったなしです。
 子どもを産みやすい、育てやすい「働き方改革」は政府・自治体・民間企業がスクラムを組んで、取り組まなくてはいけませんね。

●隣国のミサイル技術の高度化から、防衛一辺倒だけでは、守り切れなくなりました。
 「発射拠点をたたく反撃能力を保有する」という、戦後の安保政策(専守防衛:相手が攻撃してから迎撃する原則)を転換しました。
 防衛費用の大幅増額は、先端武器への抑止・反撃だけでなく、有事に備えて兵力の整備、武器・弾薬の大幅な調達も必要とされています。
 いままで、防衛予算を抑えようとやり繰りして、部品が足りずに、飛べる戦闘機から部品を取り外して整備せざるを得ない状況だったといいます。
 なんと、現有兵力の30%近くの飛行機が使えないという現実を知り、愕然(がくぜん)としました。

●脱炭素のため、できるだけ化石燃料のエネルギーを抑えながらバランスをとり、風力・太陽光など代替エネルギーに切り替えていきたいところです。
 しかし、現状の風力・太陽光の増設ペースでは、2050年に向けた化石燃料のCO2排出ゼロにむけて、間に合いません。
 そこで、2011年の東日本大震災の立場を変えて、原子力発電を復活させて、建て替えや運転期間延長することに踏み切りました。

●20日には、新型コロナウイルスについて、今春にも感染症法律上の「2類」から「5類」に変更して、非常時から平時へ移行する意向が示されました。
 訪日外国人観光客を積極的に受け入れて、経済とのバランスを取りながら、うまくウイルスとつき合っていきたいところですね。

【「歴史の転換点」にいる私たちは、どう対処すればよいか】 

以上、日本の重要懸案を上げただけでも、問題山積ですね。
では、どうすればよいか?
政策の転換について、問題指摘に終始したり、人に任せるばかりの姿勢は、よくないよね。

まず、一人ひとりが事実は何か、現状把握しましょう。

原因の本質を探求して、問題に至った過程を掘り下げましょう。
歴史・先人の教え・先例などから学ぶなどして、
どう課題解決すればよいか、考え抜きましょう。
皆と議論しながら知恵を出し合い、
さまざまな意見を尊重しながら検討して、解決策を立案しましょう。

そして、本日の記事にもありました
P(Plan:計画)~D(Do:実行)~C(Check:点検)~A(Action:修正・再実行)「PDCA」で行動してみましょう。

これは就活のグループディスカッションの進め方でもありますし、
入社するとチームワークの取り方としても行っています。

つまり「自分事」として考えながら、意見を持って、「何とかしよう!」と覚悟して、もがいて仕事していくことが求められます。
また、生活では、自分たちでできること何か、協力し合いながら行動していく必要がありますね。

さて、就活レッスンしましょう!

【実戦・日本IBMの経営理念から見えてくること】

ではES作成・面接対策に向けて、一緒に考えながらレッスンしていきましょう。IBMの経営理念は、何を意味しているのでしょうか?
深堀思考しましょう。

1.お客様の成功に全力を尽くす
解釈:「誠実」に思考・行動する「やり抜く力」が求められていますね。

2.私たち、そして世界に価値あるイノベーション
➡解釈:価値のある=他には真似できない唯一無二のイノベーション「革新性」の追求こそ、個人・チームで思考・行動の源泉と読めます。

3.あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任
解釈:思考・行動する時には、あらゆる関係(お客様、従業員とその家族、株主、仕入れ先、社会で影響する人々などのステークホルダー)との「信頼」と社員個々の「責任感」「倫理性」やり遂げようとする「チャレンジ」「意志力」が大切であると読むことができます。

この経営理念から「求められる人材像」が理解できますね。
入社試験では、日本IBMと同じ「志・価値観・使命感」を持ち、会社の一員として「経営理念」のもとでやっていきたい!とする志望者を選考しています。日本IBMのESの設問、面接の質問から、以下のような観点で評価することになりますね。

.相手のため、誠実・謙虚な姿勢で、取り組んだ体験
(学業・アルバイト・サークル・学生生活など日々の生活の中で)は何か?

.人と協力し合いながら、何かを実行するとき、目的・目標の達成のため
 に、個人でどのように取り組み、チームにはどのように貢献したか、
 また、目標の達成のために、困難が発生した時にどのように克服したか?

.周囲から信頼を得るためには、個人・チームの責任、社会ルールを意識 
 できているか?
 さらに、「何としてもやり遂げる意志力」を持続するための強い思い、
 決意・覚悟はあるか?
 そして、どのようなことに計画・準備して「チャレンジ」したのか?
 日頃の社会の動向・技術に関する興味や学び直し(読書、語学・ITスキ
 ル・資格の習得など)を行なっているか?

【実戦:新聞の社長インタビューから「求められる人物像」「思考・行動のヒント」を得よう!】

1月23日付け日経新聞で調べよう!日本IBM山口明夫社長のインタビュー記事より

ポイント:変革①
「人口減や環境問題、新型コロナウイルスの感染拡大など世の中がめまぐるしく変化している。日本企業の問題点を挙げるならば、事業環境が大きく変化しているにもかかわらず、従来と同じやり方でビジネスを進めがちなことではないか。前例踏襲で仕事するのではなく、必要に応じて過去を否定しながら企業のかたちを変えていかなければならない。(中略)=

ポイント:多様性①
重要になるのがダイバーシティー(多様性)だ。市場が変わるなかで企業が生き残るには柔軟に体制を変えなければならない。様々な意見を持った人材が必要だ。一人ひとりの個性を尊重し、互いに尊敬し合うことが究極のダイバーシティーだと考える。多様な意見を共有し続けることで成長できる。

ポイント:リスキル(学び直し)①
もう一つ重要なのが、新たな技能を身につける「リスキル」だ。変化する市場に対応するためには従来とは異なるスキルが必要になる。もちろん守るべきスキルもあるが、時代の要請に合わせたスキルを獲得しなければならない。
私自身、社長になってからも学習を続けている。当社では1週間に1回、人工知能(AI)が学習した方がよい項目を推薦する。社内のeラーニングを使い、量子コンピューターなど技術的な内容からエネルギー問題などの世界情勢、リーダーシップスキルなどを学んでいる。」
「多様性とリスキル、成長源 日本IBM社長 山口明夫氏」2022/12/14付日本経済新聞 朝刊より引用)

ポイント:なぜ、「変革」②しなかったのか?
「日本経済は長期停滞が指摘されて久しい。その理由について「従来は市場環境が大きく変わらなかったので、これまでの延長線上で成長できた」と述べた。日本企業に特徴的な「同調意識」や「前例踏襲」もそうした背景があったとする。」
「学び直し・多様性で克服 日本IBM社長 山口明夫氏」2022/11/9付日本経済新聞 朝刊より引用)

ポイント:「信頼」①の条件、倫理①の必要性
「日本IBMの山口明夫社長は7日、世界デジタルサミット(日本経済新聞社・総務省主催)で講演し、「信頼はすべてのイノベーションの土台になるものだ」と語った。「テクノロジーが進化して生活が向上する過程では、倫理が組み込まれた取り組みでなければ本当の目的は達成できない」とデジタル化が進む社会での倫理観の重要性を強調した。」
「日本IBM山口社長「信頼・倫理はイノベーションの土台」デジタルサミット2022/6/7 16:16日本経済新聞 電子版より引用)

ポイント:DX実現①のための営業部門の強化=リスキル②

――分社化のほかにはどんな改革を進めましたか。
「営業体制の強化だ。顧客に最適な提案を出してDXを支援するために営業担当者を再教育している。人工知能(AI)やセキュリティー、利用者目線でサービスや製品を設計するデザイン思考などの専門知識を学ばせている」
「これまでは顧客ごとの担当営業が要件を聞き、後日、関係する技術や製品の専門家を連れて行き、説明させていた。DXではそのやり方では通用しない。顧客の企業自身が何をすればよいのかの答えを持っていないからだ。営業担当者が企業と一緒に考え、どんな技術を使えば要望を満たせるのか導かなければならない。そのためには最新の技術動向を幅広く知っている必要がある」

ポイント:DX(デジタルを用いた抜本的な意識・業務・組織・制度改革)実現②のための体制改革、『共創パートナーシップモデル』①の必要性

――22年は改革をさらに進めますか。
「引き続き改革を進める。営業体制の強化に加えて、DX支援に向く事業の進め方を確立したい。開発作業などを委託する協力会社と新しい関係を築いていく」
「これまでは多段階の請負構造が一般的だった。顧客が当社に発注し、当社が開発作業などを協力会社に発注する。この形式が適したプロジェクトは今後も残るが、DXには不向きだ。何をすればよいか分からず、初期段階で要件を確定しにくいからだ」

――具体的にはどのように変えますか。
「短い周期で機能の変更や改修を繰り返すアジャイル開発を取り入れる。多段階の請負構造ではなく、最初から協力会社と一緒に活動する。顧客と当社、協力会社が1つのチームになり役割分担をしながらシステムを作る。私はこの形式を『共創パートナーシップモデル』と呼んでいる」

■トップの思い伝える
「リモートワークが普及し、この形式で開発がしやすくなった。従来のアジャイル開発は顧客を含めて同じ場所で作業するのが当然だったが、今はITツールが整ったのでその必要はない。加えて、DXという言葉が広く浸透した。顧客のIT部門だけではなく事業部門の協力を得やすくなったのも大きい」

ポイント:DX実現③のため、相手の尊重①、対話①の必要性、『共創パートナーシップモデル』②の重要性

――改革が続いていますが社員はついてきていますか。

「改革を進めるときはトップの思いを伝えることが重要だ。改革の目的と理由を繰り返し説明している。最近、どんな質問にも私が答える『アスク・ミー・エニシング』というオンラインイベントを始めた。改革について社員から賛成も反対も意見が出るが、対話をしながら前進していきたい」

1月23日付け日経新聞で調べよう!日本IBM山口明夫社長のインタビュー記事より

■既存の事業モデルから脱却

<解説>
米IBMは歴史的にIT業界のビジネスモデルを開拓してきた。日本では日本IBMがその役割を担っていた。1970年代、それまでハードウエアの付属物で実質無料だったソフトウエアを商品として切り離したのはIBMだった。
その後、ハードからソフト・サービス事業に軸足を移し、コンサルティング部門を拡大した。「戦略的アウトソーシング」という名称で企業のシステム運用を長期的に請け負うビジネスも始めた。日本IBMが新たなビジネスモデルをつくるたび、国内のIT企業は後を追いかけた。

日本IBMの山口明夫社長は「過去のビジネスモデルを批判されることもあるが、時代の要請に応じて変えてきた」と説明する。
山口社長が今、新たなビジネスモデルとして確立しようとしているのが「共創パートナーシップモデル」だ。顧客や協力会社とともに1つのチームを作り、一緒に考えながらシステムを構築する。日本のIT業界の商習慣である多段階の請負モデルとは大きく異なる。

このやり方は、短い周期で機能の変更や改修を繰り返すアジャイル開発を前提としており、DXと親和性が高いのは確かだ。日本IBMは10年以上前からアジャイル開発を手がけ、ノウハウはある。
ただ、顧客の積極的な関与が必要になることなどからアジャイル開発は日本では普及していない。状況を覆し、かつてのように新たなトレンドをつくることができるか。DXの成功例を一つずつ積み上げていくことが重要だ。」

(「日本IBM社長「DX導入支援へ社内体制を改革」」2022/1/6 2:00日本経済新聞 電子版より引用)

ポイント:多様性②と満足度が高く、変革③が起こせる

「「多様性があるからこそイノベーションが起こせる」と語った。そうした企業は「顧客や社員の満足度も高い」とも述べた。日本IBMは女性の採用比率の引き上げや、育児する社員を支援する制度や体制づくりを進め、多様な人材が働きやすい環境を整えてきた。
山口氏は産休・育休で現場を離れると技術の変化についていけないといった懸念を持つ女性社員がいることに触れ「継続して働きやすい環境づくりが重要だ」と話した。また「多様性を担保している企業では、顧客や社員の満足度が高い」と指摘した。」

(「日本IBM社長「多様性ある企業、顧客満足度も高く」 第23回日経フォーラム世界経営者会議 山口明夫氏」 2021/11/9 15:31 日本経済新聞 電子版より引用)

ポイント:DX実現④のため、人材の拡充

日本IBMは2021年度に前年度比2倍の1000人以上を中途採用する。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む顧客企業が増え、対応人材を拡充する。(中略)

日本IBMが中途採用するのは、顧客企業のDXを推進できる人材だ。情報システムやクラウド、人工知能(AI)などの知識を持ち、事業変革や新サービスを顧客企業と共同で考案していく。(中略)

「DX案件では、顧客企業の課題と事業変革に対する要望を丹念に聞き出す必要があるが、そういった高度人材は全く足りていない」と日本IBMの山口明夫社長は話す。

(「日本IBM、国内最大級の中途採用1000人 DX人材拡充【イブニングスクープ】」2021/3/19 18:00日本経済新聞 電子版より引用)

ポイント:DX実現⑤のためのインフラ整備、自社の強みは「多様性」③

「山口社長は18日から21日にかけて、同社が都内で開くイベント「Think Summit」の基調講演に登壇した。企業のデジタル変革について、従来は非中核システムでの実証実験が中心だったが、ここにきて中核システムを対象にAIなどを本格展開する時期に入ったとした。

デジタル変革を支えるIT(情報技術)インフラについては、「2021年に9割の企業が複数のクラウドサービスを併用してビジネスを推進する」という調査結果に触れて、「プラットフォームに縛られない環境を提供する必要がある。米レッドハットを買収する狙いもそこにある」と力を込めた。」

(「日本IBM山口社長「デジタル変革で攻めに転じる時」 2019/6/19 12:40日本経済新聞 電子版より引用)

ポイント:『何が正しいのか』①を考えながら判断すること、間違っていれば素直に謝り、柔軟に変える

ポイント:私の信条は3つ:リーダーはフェアであること、2つ目は互いを尊敬すること、3つ目はトランスペアレンシー(可視化)

「デジタル時代の最先端である人工知能(AI)やクラウドに力を注ぐ日本IBM。しかし米アマゾン・ドット・コムなど新興勢力が攻勢を強めるなか、売上高は9000億円前後で推移する。
2019年5月、社長に就任した山口明夫氏は自社の強みを「多様性にある」と考える。米国本社での勤務経験から「決して色眼鏡をかけて人を見てはいけないと学んだ」と話す。

――7年ぶりの日本人生え抜き社長となりました。
「就任時、2つの気持ちが入り交じりました。まずエンジニアとして現場でやってきた私が、果たして社長として受け入れられるのかという不安。もうひとつは社長になれば、顧客のための米国本社との交渉がやりやすくなるのではないかという期待です」
「不安の方が大きかったですね。日本IBMには伝統があります。経済同友会の代表幹事を務めた元会長の北城恪太郎さんをはじめとする立派な先輩の後を私が継げるのか。自分は、何ができるのかと不安でした」

――どのようなリーダーをめざしていますか。
「これまでと違うことを打ち出したいとは思っていません。今、自分としてやりたいこと、やらなければいけないことをしっかりと自分で考えていきたいです。周囲の意見は尊重しつつ、自分として『何が正しいのか』を考えながら判断していきたいです」

――「正しい」とはどういうことですか。
「半年後あるいは1年後に『なぜあのような判断をしたのか』と尋ねられたときに、顧客や社員、本社などに対しても、正々堂々と理由を語れるということです。全員がハッピーになるような判断はありません。だからこそ、公平を保つことが大切だと思うのです」
「判断の誤りに気づいたら素直に謝って修正したいですね。『ごめんなさい。間違った。考え方をこう変えたい』と言えるようにしたいです。自分を柔軟に変えるには、相手をリスペクト(尊重)することが必要です。自分の信条で大切なことは3つ。リーダーはフェアでなければいけない、2つ目は互いを尊敬する、3つ目はトランスペアレンシー(可視化)です」

――IBMは多様性豊かな企業ですね。
「ビジネス上の判断をするときには世界中の仲間に参加してもらいます。日本人だけを評価することは絶対できない仕組みですし、色眼鏡をかけて人を見なくなる。『彼は米国入社だ』とか『日本での中途採用組だ』といったバイアス(偏った見方)を全部捨てなくてはいけない」」

(「色眼鏡捨て多様性強みに 日本IBM 山口明夫社長(上)」 2020/2/6付ニュースソース 日本経済新聞 夕刊より引用)

ポイント:リーダーとして「一人一人としっかり向き合い(フェア・対話)②、信頼関係②を築く」大切さへの思い

「2019年、日本人の生え抜きとして7年ぶりに日本IBM社長に就任した山口明夫氏はエンジニア出身。システム運営・保守の現場で「顧客に教わり、育ててもらった」との意識を強く持つ。社長となった今も現場重視の姿勢を貫く背景には、リーダーとして「一人一人としっかり向き合い、信頼関係を築く」大切さへの思いがある。(中略)

――信頼関係の大切さを思い知らされたのですね。
「人間関係の軸は信頼だと思います。新人だろうが先輩であろうが、関係ありません。どこの事業部だとか、担当分野の売上高の大小だとか、国籍とか、そんなことで人の価値が決まるわけではありません。リーダーは一人一人をしっかり見ることが必要なのです」
「私が外資系企業で働き海外で働いた経験も影響しています。米国本社の勤務では英語が上手でない私にイタリアやブラジル出身の同僚が優しく接してくれました。一人の人間として受け入れてくれたといううれしさを感じました」(中略)

――入社して実際にはどうでしたか。
「同期入社は1700人ほど。新人研修でみんなが格好良くプレゼンテーションするのを見て『やっていけない』と思いました。コールセンターを経て保守部門で大手金融機関を担当しました。お客さまも仕事には厳しかったのですが、私個人にはきちんと接してくれました。システム上の問題が起きたら厳しく怒られますが、個人は絶対責めないのです。泊まり込みで働いたときには、朝起きたら牛乳やおにぎりが置かれていたこともありました。『仕事って、こういう関係のなかでしていくものなんだな』と学びました」

――尊敬するリーダーはいますか。
「経営者では当社元会長の北城恪太郎さんです。社長就任のお祝いの席を設けていただいた際、手ずからのペーパーをいただきました。日本IBM社長、IBMアジア・パシフィック代表、経済同友会代表幹事の経験から学んだこと、会社が抱える課題などをまとめてくれたものでした。『ここまでやってくださるのか』と驚きました」
「もう1人は当社の役員だった人です。私が米国から戻り、金融システム関連のプロジェクト担当になったときのことです。難しいプロジェクトで社内に反対する人も多い案件でした。経営も厳しく、私は大きいプロジェクトをやった経験もなかったことから『山口は会社を辞めるんじゃないか』という噂が立ちました」
「実際のところ、辞めたいくらいつらかった。そんなときに、私を米国に送り込んでくれた役員から『たまには飯に行こう』と誘われました。ある駅で待ち合わせたら、そのまま家に連れて行かれました。お酒を勧められても、仕事の話は全くなし。風呂にも入れてもらい『今晩は泊まっていけ』となりました」
「翌日、2人で出社して本社ロビーでの別れ際のことです。『お前なあ、大変なのはわかるけど、いつまでも続くわけじゃないんだから。絶対に音を上げるなよ。見ている人は見てくれているから』といわれて、胸に染みました。その人も私にとって尊敬すべきリーダーです」(聞き手は笠原昌人)」

(私のリーダー論仕事に厳しく人に優しく 日本IBM 山口明夫社長(下) 」2020/2/13付ニュースソース日本経済新聞 夕刊より引用)

「日本IBMは17日、5月1日付で山口明夫取締役専務執行役員(54)が社長に昇格する人事を発表した。エリー・キーナン社長は代表権のない取締役会長に就く。日本人の生え抜きが社長に就任するのは7年ぶり。

山口氏はIT(情報技術)コンサルティングやシステム構築を含むグローバル・ビジネス・サービス事業を統括。ソフトウエア技術部門の出身で、国内でのシステム構築やプロジェクト管理で豊富な経験を持つ。」 (「日本IBM、新社長に山口取締役 7年ぶりに生え抜き」2019/4/17 15:15日本経済新聞 電子版)

【社長の意志・決断は、経営理念に基づいて行われている】

以上、2019年4月17日~現在まで、山口明夫氏が社長就任から現在までの語録でした。
いかに、IBMの経営理念のもとで、語られていることがわかりますね。

以上のポイントをまとめてみると、以下のことが見えてきますね。

●変革のための多様性、信頼、倫理の必要性
●DX実現のための組織・体制改革
●相手への尊重、対話の必要性、
●お客様との新しいIT、DXの進め方『共創パートナーシップモデル』の必要性
●人材の拡充、学び直しの大切さ・環境整備
●IBMの強さは多様性
●『何が正しいのか』を考えながら判断すること、間違っていれば素直に謝り、柔軟に変える
●私の信条は3つ:リーダーはフェアであること、2つ目は互いを尊敬すること、3つ目はトランスペアレンシー(可視化)すること

この内容をもとに、ES作成・面接対策では、

●自分の信念と重ね合わせて
●謙虚に学びながら
●自分の信念、強みをを掘り出して
●自分をアピールするとよいでしょう。

【就活モ1面チスキゼミコーチが選んだおすすめ記事】

1.<夕刊>2面ニュースぷらすニッキィの大疑問気温上昇、止められるの?費用は巨額、効果には時間

<リード文> 
「最近、世界中で異常気象が起きているというニュースをよく見かけるね。地球温暖化で気温が上がったせいだと聞くけど」「不安だね。気温上昇って、本当に止められるのだろうか」

<以下、ポイント要約>
・欧州連合(EU)コペルニクス気候変動サービスのまとめでは、2022年の地球の平均気温は1850年以来5番目の高さ。

・特に夏が暑く、豪雨や山火事が頻発しています。長期的な気温の上昇傾向は続いており、工業化が進んだ19世紀半ば以降約1.2度上がる。

・主な原因は発電、工業生産、自動車の動力などのエネルギー源となる化石燃料の燃焼。
 そこから二酸化炭素(CO2)が発生し大気中にたまる。これが熱をとじ込め温室のような働きをするので温室効果と言う。

・地球の気温はCO2の累積排出量に比例して上がることが、観測や計算からわかっている。

・気温は降水量と密接に関係します。気温が1度上がると大気中に含みうる水蒸気量が約7%増えるという法則がある。

・温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は気温上昇を2度未満とし、1.5度以下にとどめることをめざすとした。ただ、今のペースで気温が上がり続ければ、達成は難しい。

・一番確実な方法は、CO2やメタンなどの温暖化ガスの排出を減らすこと。
 化石燃料の代わりに太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使うのが現実的。原子力発電も、稼働中にCO2をほとんど出しません。化石燃料の火力発電の技術開発でこれらの性能を上げつつ利用を増やすしかない。

・CO2を特殊なフィルターなどで直接回収し、地中や海底下に貯留する方法が注目されている。
 CO2を資源化する試みもあり、期待は持てるが、いずれの対策にも巨額のコストがかかります。

・排出する温暖化ガス(炭素)に値付けするカーボンプライシングが世界で導入され始めている。

 排出自体がコストを生むので、削減の動機になる。
 炭素税を課したり排出量取引を制度化したりする方式があり、日本も26年度に排出量取引制度の本格化をめざしている。

2023/1/23付日本経済新聞 夕刊より引用
2023/1/23付日本経済新聞 夕刊より引用

2.<夕刊>3面総合 課題先送りの日本脱却を 首相が臨む「歴史の転換点」

<リード文>
岸田文雄首相は23日の施政方針演説で「先送りできない課題に正面から愚直に向き合い、一つ一つ答えを出していく」と訴える。日本は懸案の先送りを続け「失われた30年」に陥った。拙速批判がある各政策の転換について国会論議を通じて説明し、実行に移す必要がある。(1面参照
演説は「再び歴史の分岐点に立っている」と日本の状況を説き、各論に入る。いまは明治維新と第2次世界大戦の終戦に続く「転換点」だと位置づける。
首相が自らの歴史的役割に言及するのは、日本が置かれた危機的状況を実感したためだ。就任から1年4カ月。各国の首脳と交わり、課題の多さを目の当たりにした。結論を先送りできる時間の余裕はない。

2023/1/23付日本経済新聞 夕刊より引用

3.1面トップ 首相、少子化対策3本柱 施政方針演説
財源に社会保険料想定 成長なき対策に限界

<リード文>
岸田文雄首相は23日、衆参両院の本会議で施政方針演説(総合2面きょうのことば)に臨んだ。最重視する少子化対策を児童手当など経済支援の拡大、子育てサービスの充実、働き方改革の3本柱で進めると表明した。財源の一部は社会保険料を想定する。財政支出を中心とする対策には限界があり、経済成長による賃上げや制度改革、インフラ整備を含めた総合的な取り組みが必要となる。(関連記事総合2、政治・外交面、施政方針演説全文に)
1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は2021年に1.30と6年連続で低下した。22年の出生数は統計開始後、初めて80万人を割り込む見通しだ。
今回の対策は児童手当や保育などのサービス拡充といった財政支出が前面に出ている。給付やインフラ整備だけでなく、賃上げなどで若い世代が将来展望を持てるようにすることも欠かせない。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

4.2面<社説> 首相は負担増含め政策実現の道筋を示せ

<リード文>
通常国会が召集され、岸田文雄首相が施政方針演説に臨んだ。内外情勢の激変を受け、政権は安全保障やエネルギー分野で政策を大きく転換したが、国民への説明が尽くされたとは言い難い。首相は論戦を通じて、増税など負担増も含めた政策実現への道筋をしっかり示してほしい。
ロシアによるウクライナ侵攻が国際秩序を揺るがし、世界経済は高インフレにあえいでいる。国内では経済の立て直しや賃上げ、少子化対策など構造的な課題への取り組みが待ったなしだ。

首相は演説で「直面する様々な難しい、先送りできない課題に正面から愚直に向き合い、一つ一つ答えを出していく」と語った。まさに、その決意を目に見える形にできるかが問われる国会である。
政府は昨年12月、防衛費の大幅な増額や反撃能力の保有などを盛り込んだ防衛3文書を決定。財源は歳出改革などで捻出したうえで、なお不足する1兆円強を増税で賄う方針も打ち出した。
安保環境は厳しさを増しており、防衛力の着実な整備は急務だ。ただ戦後の防衛政策の抜本的な転換にかかわらず、調整の大半は政府・与党内の非公開の場で進められてきた。増税の実施時期は不透明で、首相は演説で増税の明言を避けた。それ以外の財源も安定的に確保できるか心もとない。国会で議論を深める必要がある。

丁寧な説明が求められているのは防衛政策にとどまらない。政権は原子力発電所の建て替えや運転期間の延長にカジを切ったが、首相は背景について「多様なエネルギー源を確保しなければならない」と簡潔に触れるにとどめた。
エネルギー事情を直視した決定であるとはいえ、安全面への国民の不安に真摯に応えようという姿勢が足りないのではないか。
「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」との訴えも、決意表明の域を出ていない。6月の「骨太の方針」の決定までに、将来的な子ども関連予算の「倍増に向けた大枠を提示する」としただけで、想定される児童手当拡充の財源への言及もなかった。

首相はこれらの政策について「国民の前で正々堂々議論をし、実行に移していく」と強調した。そのためには具体的材料をきちんと示すのが先決だ。結論ありきやその場しのぎの姿勢に終始することなく、野党の疑問や意見に正面から向き合う論戦を望みたい。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

5.3面総合 世界経済、減速でも底堅く 本社景気討論会
小路氏「消費は少しずつ上向く」 加藤氏「米欧物価、高止まりも」

<リード文>
日本経済新聞社と日本経済研究センターは23日、都内で景気討論会を開いた。世界経済は減速しながらも底堅さを保つとの意見が相次いだ。中国のゼロコロナ政策の転換などが上向きの材料で、国内も個人消費の回復に期待する声が出た。物価の高止まりや金利上昇などが下振れリスクになるとの指摘もあった。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

6.4面総合 国債買い支えに1兆円 日銀、銀行に資金貸し出し 金利曲線のゆがみ続く

<リード文>
日銀は23日、国債や社債を担保に銀行などに5年間資金を貸し出す「共通担保資金供給オペ(公開市場操作)」を実施した。5年物国債などへの投資を促し国債利回りを抑え込む狙いだ。1兆円の貸出枠に対して3倍の需要が集まり、国債利回りの低下につながった。ただ、右肩上がりの金利曲線に生じているゆがみは残ったままだ。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

日銀は18日まで開いた金融政策決定会合で資金貸し出し策の拡充を決めた。貸出期間は最長2年間だったが、10年間まで実施できるようにした。23日は第1弾として5年物で実施した。貸し出したお金で、銀行に国債などに投資してもらう狙いがある。国債を無制限に買う指し値オペと組み合わせながら、金利を抑え込もうとしている。

今回は日銀が5年間の資金を1兆円貸し出すと金融機関に示し、金融機関は借りたい金額と金利水準を示した。1兆円の貸出枠に対して3兆1290億円の応札があり、1兆3億円を落札した。最も低い落札金利は0.110%、平均落札金利は0.145%だった。
「0.1%程度を想定していたが、想定以上に需要が集まった」(邦銀)との見方が多い。5年債利回りは結果発表前には0.175%で推移していたが、発表後には一時0.160%と1カ月ぶり水準まで下がった。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

7.4面 政治・外交 原発運転延長へ法案提出 首相施政方針演説防衛財源「先送りせず」 国会召集、論戦へ

<リード文>
岸田文雄首相は23日の施政方針演説で政策の重点分野を説明した。新たに最重要課題と位置づけた子ども・子育て政策に加え、原子力発電所の活用拡大や防衛力強化を推進する。60年超の原発運転を可能にする法案や6.8兆円の防衛費を計上した予算案が論戦の軸となる。(1面参照
施政方針演説は通常国会の開会にあわせ、首相が向こう1年の国政全般に関する政府の基本方針を示す。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

首相が演説で強調したのは相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」の保有や2023~27年度の5年間で防衛費の総額を43兆円に増やす防衛分野だ。自ら「日本の安全保障政策の大転換」と表現した。
6.8兆円を投じた23年度の防衛費は国内総生産(GDP)比で2%とする初年度分の予算にあたる。財源確保に向けた予算関連法案も今国会に提出する。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

8.5面経済・政策 東電、3割値上げを申請
6月にも適用、大手6社目 燃料高で家庭負担重く

<リード文>
東京電力ホールディングス(HD)は23日、家庭の過半が契約する規制料金の引き上げを経済産業省に申請した。東電の申請した値上げ幅は平均29%で、6月からの適用を目指す。今後、経産省の審議会で妥当性などが議論され、最終的な値上げ幅や時期が決まる。規制料金を巡っては2022年11月以降に東北電力など大手5社が3~4割前後の値上げを申請しており、東電は6社目となる。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

東電HDの小早川智明社長は同日開いた記者会見で「燃料費高騰の長期化を受け、値上げをお願いせざるを得ない」と述べた。今回の値上げは、東電の家庭向け契約全体の3分の2程度にあたる約1000万世帯が対象となる。東電が規制料金の値上げを申請するのは東日本大震災直後の12年以来、11年ぶりだ。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

9.7面オピニオンDeep Insight「常時接続」時代のPDCA

<リード文>
2023年の半導体の世界出荷額は業界の見通しによると4年ぶりに前年水準割れになるという。品不足が一部で続くが、IT(情報技術)機器やデータセンター向けの落ち込みが大きい。
物価高や金利上昇で需要が縮小するのに加え、弱気になった経営者がDX(デジタルトランスフォーメーション)投資を手控える動きも広がるようだ。
だが、短期の予測はさておき、経営のデジタル化はこれからが本番であり、コンピューティング(計算)能力を拡張する投資も早晩、増加に転じるのは間違いない。
ダイキン工業は空調を遠隔管理する米ITサービス企業をこのほど買収し、ANAホールディングスは現実と仮想空間がシンクロする旅行事業を近くはじめる。トヨタ自動車は7年も前から、自前のデータセンターを構えるべく投資を続けている。

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用
2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

製造・サービス企業が情報基盤のクラウドを使う機会は猛烈な勢いで増え、例えばトヨタは18年以降、乗用車のすべてをインターネットとつながるコネクテッドカーにしている。SUBARU(スバル)も主要市場で8割がそうだ。
製品やサービスが当たり前のように「常時接続」される時代だ。車でいえば、24時間365日、スマートフォンのようにネットにつながり、エッジ側の車載端末であれ、クラウド側のデータセンターであれ、膨大なデジタルデータがコンピューター上に次々と蓄積されていく。

米インテルは常時接続されるヒトやモノが増えることで、コンピューティング能力が今より1000倍必要になると試算する。クラウドの業界は米「GAFA」などによる寡占化が進み、料金が高止まりしているが、トヨタのようにクラウドの自前化へ巨額投資をする動きも増えるはずだ。(後略)

2023/1/24付日本経済新聞 朝刊より引用

以上
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