「終のオートバイ」を探し求めて(1)
今からもう45年前のことだ。その年の7月1日、誕生日を迎えたぼくは東京・府中にある自動車試験場にいた。バイク免許の筆記試験にチャレンジした。ここから自由が始まった。オートバイはどこでもドアだった。これに跨がればどこにでも行ける。スロットルを回すだけで、疲れを知らずにどこまでも進んでくれる。
たった50ccのエンジンだけれど、行動範囲が格段に拡がった。原動機付き自転車という名前が付いているものの、自転車とはまったく別の乗り物だった。晴れて原付免許を取得したのは、ぼくの人生一番