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「終のオートバイ」を探し求めて(1)

割引あり

今からもう45年前のことだ。その年の7月1日、誕生日を迎えたぼくは東京・府中にある自動車試験場にいた。バイク免許の筆記試験にチャレンジした。ここから自由が始まった。オートバイはどこでもドアだった。これに跨がればどこにでも行ける。スロットルを回すだけで、疲れを知らずにどこまでも進んでくれる。

たった50ccのエンジンだけれど、行動範囲が格段に拡がった。原動機付き自転車という名前が付いているものの、自転車とはまったく別の乗り物だった。晴れて原付免許を取得したのは、ぼくの人生一番の転機になった。

これから今まで、ぼくは40台以上のオートバイを乗り継いできた。来年で60歳の還暦だ。だけれど、まだまだオートバイには乗れる、乗り継げる。コロナ禍も終わって、また自由なツーリングもできる。人生一回切り。思う存分、オートバイを楽しみたい。そして終のオートバイを探し求める旅に出よう。

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