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【追跡】都内の半数以上の学校で使用…“地毛証明書”を知ってますか?

東京都内では実に半数以上の学校で、いわゆる「地毛証明書」という髪の毛に関する申請書が使われているといいます。いったいどういう目的で使われているのでしょうか。
(TBS NEWS23 17年11月6日オンエア)

髪の毛に関してどんな校則がありますか?街で聞いてみました

●男子高校生
「黒髪じゃないと絶対だめです 地毛が茶髪でも黒染めしろってなっちゃいますね」
●男子高校生
「耳隠れちゃだめ 染めるのはだめツーブロックも禁止」
●女子高校生
「 女子は髪の毛染めちゃだめとか パーマかけちゃだめ」

学校のいわゆる頭髪指導。大阪では裁判にまで発展したケースも。

髪を黒く染めるよう学校に強要され精神的苦痛を受けたとして、
府立高校3年生の女子生徒が損害賠償求める訴えを起こしたのです。

生まれつき髪が茶色い女子生徒。代理人によりますと、女子生徒は中学時代に髪を黒く染めさせられた経験があり、高校入学前のおととし、母親が学校に配慮を求めていました。ところが…

「地毛が茶色であっても一度でも黒染めしたら、黒染めを続けないといけない。この子は中学の時に黒染めしたから続けるのは当たり前」と、黒く染めるよう指導。

女子生徒は1~2週間ごとに髪を黒く染め、髪はボロボロ、頭皮もかぶれたといいます。しかし、学校側は「それがルール」と繰り返し指導。さらにこんな暴言も…

「母子家庭だから茶髪にしているのか」

女子生徒は去年、指導を受けた後、自宅で過呼吸になり救急搬送されたといいます。

それでも…

「黒く染め続けるか、学校をやめるか選べ」

去年9月、不登校になった女子生徒。文化祭や修学旅行などの学校行事への参加も認められず、その後、生徒名簿から名前を消されたといいます。

学校側は裁判で争う姿勢を示していて、取材に対し、「女子生徒側の主張は事実と異なる点もあるので、今後の裁判で明らかにしたい」としています。

林文科相は…

大阪府の松井知事は…

裁判にまで発展した生徒の髪をめぐる問題。

一方、髪が生まれつきのものであることを証明するため、こんな文書を提出させる学校も…。

これは、ある高校で使われていた、「地毛申請書」。

「本生徒の頭髪の色に関しては生まれつきのものであり、染髪したものではない」「本生徒の頭髪に関しては天然のウェーブ・パーマであり、手を加えてものではない」

それぞれの生徒がもつ縮れ毛やウェーブといった髪のくせや、髪の色。この申請書は生徒の髪の特徴が生まれつきのものであることについて、保護者から届け出させたうえで、生徒指導の担当が承認する形となっています。

こうしたいわゆる「地毛証明書」はどのくらい使われているのか。街で聞いてみると…

●女子高校生
「 友達が 茶髪の子なんですけど地毛なので、証明書を親に書いてもらって 学校に出したって」
●女子高校生
「自分、そんなに茶色くないんですけど書きました。そんなに茶色くないんですけど (地毛証明書を)書きました。担任に相談したら『一応書いておいた方が この後楽だよ』って言われて。」

「地毛証明書」は40年ほど前からあり、最近はむしろ増えていると専門家はいいます。

●教育評論家 石川幸夫氏
「広まっているっていうのが印象ですね。『そういうものがあるんだ、じゃあうちも使おうか』となる。都内で考えれば6~7割。 これは実際に学校で調べてみると それくらいの数になる」

都内の半数以上の学校で使われているという地毛証明書。なかには幼少の頃の写真を添えて地毛であることの証明を求められるケースもあるといいます。

生徒たちはどう受け止めているのでしょうか。

●女子高校生
「(友人は)出すのは嫌だなと言っていました」
●専門学校生
「本当は地毛なのに疑いの目が向けられるのは本人にとってつらいんじゃないか」「黒髪の方が正しいっていう固定観念があるから」
●女子高校生
「染めてもちゃんとやっている子はやっているし、私もそういう子をすごく尊敬していたりするので」

●子をもつ母親
「自分が中学生の時に友人でそれがあって、今でも変わらないんだなって/先生が子どもの内面をしっかり見てもらうしかないですけど」

髪の毛をめぐるこうした日本の学校の規則については海外メディアも驚きをもって伝えています。

教育評論家の尾木直樹さんはこう指摘します。

●教育評論家の尾木直樹さん
「自分の身体のことで証明書を出せとか、幼児期の写真を添付しろという所もある。完全にプライベートな問題なのに。この国際化の時代に、海外の子どもたちも、地域によっては6割を超えている学校もありますけれども、何を考えているのかと思いますよね。みんな同じでなければいけないと。これは全然違います。基本的に一人一人違っていいんですよ」