「数」の瞑想「3」
今回は「数の瞑想」の3回目の記事になります。過去2回の記事がウォーミングアップにはちょうど良いと思います (*1, *2)。もし「全宇宙の素粒子の数を数えたらどのくらいになるか?」という問いに概算で答えられる人は今回の記事を読み進められると思いますが、もし「想像もつかない/考えたこともない」という人は過去の「数の瞑想1/2」の記事を先に読むことをお勧めします(*1, *2)。それでは準備のできた人は次へと進んでいきましょう。
それではまず頭を柔らかくして今回のテーマを見ていきます。
「3つの“3”を使ってできるだけ大きな数をつくってください」(Figure 1)
たったのこれだけです。
3を3つまで使うことができます。
記号は “+”、“−”、“×”、“÷”、“( )” は使うことができます(使わなくてもいいです)。
例を挙げるとFigure 2のように自由に3を使って構いません。
最大の数を考えてみてください。
できれば“宇宙を超える数”をつくってみてください。
ちなみに「数の瞑想 (*1)」で計算したように「宇宙にある素粒子をざっくりと概算すると10^80 (10の80乗)ほど」になる(一つの推定値として)と考えられます。
それでは“3”分ほど考えてみてください。
3分ほど考えてみた人はどのような回答になったでしょうか?
以下に例を挙げてみます(Figure 3)。
例えば、33^3 (33の3乗)は35937です。もっと大きい数を作れそうです。
また、3^3^3 (3の3乗の3乗) = 3^27 = 7625597484987で約7.6兆という数になります。
3^33 (3の33乗)はさらに大きく、5559060566555523で約5559兆という数になりました。
もっと大きな数を作れた人はいるでしょうか。
しかし、まだ16桁の数なので、宇宙の数の一つの目安の80桁にはまだ全然及びません。
ここで一つの数をお見せします(Figure 4)。
“3”の左上に“3”があり、その左上にさらに“3”があります。“べき乗”の場合は右上に表記しますが、この数字は左上に表記されています。
この演算方法を“テトレーション (Tetration, *3)”と呼びます。この計算方法は“ハイパー演算”と呼ばれる演算の一つで、理系大学卒でも習わない人が多いので知らなくても心配しないでください(私も最近まで知りませんでした)。しかし、実際の演算のやり方は中学校の数学レベルで解くことができます。Figure 5にテトレーションの解き方を示しています。
テトレーションの表記で $${ ^xy }$$ となっていた場合は「y^y^y.......^yとx回繰り返す」ことを意味しています。(ただし、ここでは表記上の制限があるので[^x(y)]と表記することにします。)
Figure 5例(a)では[^2(3)] =3^3 = 27となります。例(b)では[^4(2)] = 2^2^2^2 = 65536となります(右から計算していきます)。
このように、テトレーションという言葉は初めて聞いたとしても“べき乗/指数”に変換すれば中学校数学で理解できる式になります。それではテトレーションのルールを理解したところでFigure 4の「3つの3」の値を求めていきます。
まずはFigure 6のように左上の [^3(3)]の部分を計算してみます。
すると [^3(3)] = 3^3^3なので、最終的に7625597484987となります。
すると、Figure 4の[^3(^3(3))] = [^7625597484987(3)]という数になります。
このままではこれがどんな数か把握しにくいので、順に計算していきましょう。
Figure 7の計算結果を以下に示します(テトレーションの表記は表示制限によるここだけの暫定的表記法ですのでご注意ください)。
^1(3) = 3
^2(3) = 27
^3(3) = 7625597484987
そして「^4(3)」は3^7625597484987であり、=1.25801429062749131786039069820328121551804671431659601518967494438121101130001778531080390329624011569585175530745159567312263988748437021369341953674336037023589788485781217038012655421609997853991015207917337967292197867360467866919537804862762648889217524863965582413201085542361314825840002765860851301492905255704869957628507724356978551378933297507386182262133029744891467943203103744178895112096214904920381848749598794567740775400570399686515.......
ちょっと数字が並びすぎると頭が痛くなってきそうなので少し音楽で気分を変えましょう (Figure 8: Mischa Maisky plays Bach Cello Suite No.1 in G *5)。音楽を聴きながら数字を見ると右脳と左脳が両方刺激されて良いかもしれません。バッハの音楽は数学的にも緻密で情報量の多い楽譜であることが物理学的研究で解明されています (*7)。いずれこの研究も詳しく紹介したいと思います。
........0474017593985362266928612713923560802865473522725821798283548455368312634724105275941785940179281574662691819670005881135679436048092978427981913652362132341935107311269547389228600010401009180191260424625505111079731207545430372906112188311051048188556168901774186218352307979859998997850385059910041558397739547751250490697185745218063763040226212869659569960950943164105238026396239708510330895315805575555352681412230856566695682983666987908135794774135566834249942912152768547607067355492409724301192872850948099830245804883745069720807708460779283893838979345241920820.....
….. ×10^3638334640024
という数字になります。10の3638334640024乗なので、3兆6383億3465万0024桁の数字ということになります。
ただし、まだ終わってません。
これは実は「^4(3)」を計算しただけに過ぎません (Figure 9左)。
もう一度思い出すと、「^3(^3(3))」は「^7625597484987(3)」という数になります (Figure 9右)。
つまり、
^7625597484987(3) =3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3.…………..
また音楽でも聴いて右脳と左脳を同時に活性化しましょう(Figure 10: Bach's Goldberg Variations [Glenn Gould, 1981 record] (BWV 988) *6)。写真の奏者はバッハを愛したグレン・グールドというピアニストで、演奏の途中で気分が高揚すると歌い始める情熱と機械のような正確さを兼ね備えた天才ピアニストです。
.... ^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3..…………..
ニコラ・テスラは偉大な科学者の一人で3の倍数に何かを見出し、次のような言葉を残しています (*8)。
“If you only knew the magnificence of the 3, 6, and 9, then you would have a key to the universe.「3、6、9 の壮麗さを知る者は宇宙への鍵を手に入れることができるだろう」(*9)”
.... ^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3................
"Nothing rests; everything moves; everything vibrates.「静止しているものは無い。この世界にある全てのものは振動している」(*10)"。
世界の全てはこの“第3の法則”に従っています。
.... ^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3................
”3. Filled with Understanding of its perfect law, I am guided, moment by moment, along the path of liberation. 「その完全な法則を理解することで、私は解放の道に沿って瞬間ごとに導かれる」”
“見える世界”だけではなく“見えない世界”にも“3”があるかもしれません。
.... ^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3^3................
....とまだまだ7.6兆回には全然足りないですが「^3 (3乗)」を7625597484987回繰り返すと「^3(^3(3))」になります。「^4(3)」=「3^(3^(3^3))」でさえ3兆6000億桁の数であり宇宙を超越していました。たった“3つの3”で表される「^3(^3(3))」は“書き表すことすらできない大きさ”と言えそうです。良い音楽を聴きながら「3」で頭を埋め尽くして「3」の意味を理解したとき、ニコラ・テスラが言ったように宇宙への鍵が受け取れるかもしれませんね。
(著者:野宮琢磨)
野宮琢磨 医学博士, 瞑想・形而上学ガイド
Takuma Nomiya, MD, PhD, Meditation/Metaphysics Guide
臨床医として20年以上様々な疾患と患者に接し、身体的問題と同時に精神的問題にも取り組む。基礎研究と臨床研究で数々の英文研究論文を執筆。業績は海外でも評価され、自身が学術論文を執筆するだけではなく、海外の医学学術雑誌から研究論文の査読の依頼も引き受けている。エビデンス偏重主義にならないよう、未開拓の研究分野にも注目。医療の未来を探り続けている。
*1. 「数」の瞑想
https://note.com/newlifemagazine/n/n0671628d60c7
*2. 「数」の瞑想(2)
https://note.com/newlifemagazine/n/nb19c6b9bc233
*3. テトレーション–Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/テトレーション
*4. Tetration–Wikipedia. https://en.wikipedia.org/wiki/Tetration
*5. Mischa Maisky plays Bach Cello Suite No.1 in G (full). https://www.youtube.com/watch?v=mGQLXRTl3Z0
*6. Bach's Goldberg Variations [Glenn Gould, 1981 record] (BWV 988). https://www.youtube.com/watch?v=p4yAB37wG5s
*7. Kulkarni, S., David, S. U., Lynn, C. W., & Bassett, D. S. (2024). Information content of note transitions in the music of JS Bach. Physical Review Research, 6(1), 013136.
*8. ニコラ・テスラ−Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラ・テスラ
*9. NIKOLA TESLA’S 369 THEORY. https://www.nikolateslalegend.com/mysteries/tesla/nikola-tesla-369-theory
*10. Three Initiates (1908). The Kybalion: A Study of the Hermetic Philosophy of Ancient Egypt and Greece. Chicago: The Yogi Publication Society.
画像引用:
*a. https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラ・テスラ#/media/ファイル:Tesla_Sarony.jpg
*b. https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラ・テスラ#/media/ファイル:Nikola_Tesla,_with_his_equipment_Wellcome_M0014782.jpg
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