加速する米国の物価上昇 気になる金融政策の行方💸💸
🔸米国の消費者物価は約13年ぶりの上昇
米国の消費者価上昇が加速している。6月10日に発表した5月の実績は前年同月比で5.0%の上昇、2008年8月以来、約13年ぶりの上げ幅だ。2021年に入ってからの上昇率は、1月1.4%、2月1.7%、3月2.6%、4月4.2%で、3月以降、上昇に弾みがついている。
消費者物価の上昇はガソリンなどエネルギー価格の上昇が牽引している。原油価格は3月末から上昇の動きを強めており、6月上旬にはニューヨーク先物市場で2年8カ月ぶりに70ドル台を回復した。ただ、エネルギー、食料品を除外したコア指数でみても、1月1.5%、2月1.4%、3月1.5%、4月2.3%、5月3.5%と4月から上げ幅が拡大している。5月のコア指数の上昇率は92年6月以来、29年ぶりの大幅なものだった。
6月2日に米連邦準備理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告、通称ベージュブックは、この背景を昨年の反動と景気回復だと要約している。昨年4月の消費者物価は0.3%、5月は0.1%と、金融当局が物価の巡航速度としている2 %を大きく下回った。が、今年は大規模な財政・金融政策による需要押し上げ効果とワクチン接種の進展で景気は急回復、物価を押し上げている。