日本経済の「失われた30年」 成長を取り戻す新処方箋(上)
不都合な真実を見ようとしない人々
バブル崩壊後、日本経済の「失われた30年」をどう取り返すか。岸田政権が標榜する「新資本主義」のあるべき究極の中身は、成長エンジンを取り返すことではないか。
1990年以来、平均賃金はほぼ横ばいで国民一般の収入は上がらず、消費も伸びず、企業は儲からず、雇用は不安定化して経済格差は拡大した。結果、国民の将来不安は広がり、深まった。だが、このままだと現在も続くデフレスパイラルの悪循環から脱け出せない。先進国で唯一日本だけが落ち込んで這い上がれない経済停滞の深淵から脱出するには、従来にない新しい処方箋が必要になる。