予測不能な世界に魂を捧げるリスクテイカーが集う 運用資産400兆円の金融産業“ヘッジファンド”
🔻「リスクなくして蓄財なし」
「蓄財なくして自立なし」
未曾有のカネ余り「流動性相場」から世界の株式市場が堅調だ。NYダウに至ってはSPACブーム(特別目的会社、いわゆる空箱会社を上場して広く資金を集め、ベンチャー企業を買収して株価を上げる)も加わり今年、既に過去最高値を2度も記録した。
2016年に運用成績が振るわず多数が閉鎖したヘッジファンドも、すっかり息を吹き返している。今年3月末の世界のヘッジファンドの運用資産は3兆8014億ドル(約410兆円)と前年比3割増えて過去最高を更新した。
ヘッジファンド―日本では市場を攪乱するようなイメージで捉える人もいる。理解せずに都合よく使う人もいる。ヘッジファンドを簡単に言えば、市況に関わらずリスクを取って利益を上げるハイリスク・ハイリターンのファンドだ。株だけではなく、あらゆる金融商品に投資する。買いもあれば売りもある。私募形式で資金を集めるために、監督官庁に届出る義務や規制がない。もちろん、参加するのは機関投資家や一部富裕層。銀行や、保険会社には我々一般大衆もお金を預けているのだから無関係とはいえない。
一体、不確実で予測不可能な世界で、彼らはどのような思考で動いているのだろう。