堅調な回復基調でも、財政健全化は後回し 優先するのは「失業率4%台持続」の目標
🔻オーストラリアは復活しつつある
新年度の経済成長は、4.25%を想定
「Australia is coming back」。5月の連邦予算案発表日に行われた恒例の「予算演説」で、ジョシュ・フライデンバーグ財務相は、冒頭と締め括りにそう述べた。雇用や経済についても、「カミングバック」という言葉を繰り返して使い、新型コロナ禍からの回復ぶりをアピールした。
オーストラリアは、昨年前半に29年ぶりの景気後退に陥ったが、当初予期されたよりもずっと早く力強く回復基調を辿っており、税収増を見込める状況にある。今年度(2020/21年度)の財政赤字は1610億豪ドル(約13兆6850億円)と過去最高ながら、前回の予算案発表時の予想よりも527億豪ドル(約4兆4795億円)少ない。7月1日からスタートする新年度の経済成長は、4.25%を想定している。